株式会社タカラトミーインタビュー

“大人向けリカちゃん”ヒットの裏側 タカラトミーのブランド戦略

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“大人向けリカちゃん”ヒットの裏側 タカラトミーのブランド戦略

1967年に発売されて以降、いつの時代も女の子の憧れの的である、着せ替え人形のリカちゃん。最近では、TwitterやInstaglamであちこちへお出かけする、ちょっぴり大人なリカちゃんの姿が発信され、その圧倒的な女子力の高さ、かわいさのとりこになる大人女子たちが急増している。そんな中、2015年6月に大人向けリカちゃんの新ブランド“LiccA(リカ)”のドール発表されると、第1弾は初回生産1,000体を予約受付開始からたった3日で完売し、その後の追加生産分もあっという間に完売、大きな話題を呼んだ。そんな大注目のLiccA第2弾が、いよいよ12月に発売される。現在は予約受付中だ(2015年11月13日現在)。

タカラトミーの広報課の村山麻衣子さんに、最近のリカちゃんファン急増中の理由、なぜ大人向けリカちゃんの発売に至ったのか、さらには“LiccA”ブランド戦略までうかがった。

大人の女性もおもちゃを楽しむ時代になった

――まずは、大人向けのリカちゃんが発売されることになったのか、その経緯を教えてください。

村山麻衣子さん(以下、村山):リカちゃんは1967年に発売してから、常に時代の流行を反映しながら商品づくりを進め、女の子たちの夢や憧れを形にしてきました。最初の発売から48年が過ぎ、リカちゃんで遊んだ女の子たちも年を重ね、リカちゃんとともに時代を歩んできました。リカちゃんは女の子のためだけではなく、すべての年代の日本の女性たちにとって、それぞれに思い入れがあり、それぞれの思い描くリカちゃんの存在があるだろう、と大人の女性にも愛されるブランドとして、“LiccA”を展開していくことに至りました。

大人向けリカちゃん人形ヒットの戦略

――いつ頃から発売を考えられていたのでしょうか?

村山:具体的にいつからとは言うことができないのですが、ここ数年温めてきた企画です。発売へ踏み切った大きな理由は、世の中の変化も大きく影響しています。昔だと、大人になると人形やアニメ、漫画を娯楽として楽しむことは卒業することが一般的だったと思うのですが、最近ではこれらのジャンルは日本の文化として誇れる、大人になってもたくさんの方が楽しむものになりました。また、これまでも男性の方はフィギュアを集めたり、鉄道模型で遊んだり、いろいろ楽しまれていたと思うのですが、女性はお人形遊びを卒業したら、それでおしまいだった。しかし、SNSなどの発達で、自分が好きなものをすぐ近くで共感してくれる人がいなかったとしても、同じ思いでいる人がいるんだ、ということがすごくよくわかる時代になり、「これって楽しいよね」ということを発信して、みんなで分かち合い、楽しめる時代になったことも大きいのではないでしょうか。

ファンとの交流するSNSも人気に

――SNSと言えば、Twitterのフォロワー数6万8000人以上と、ものすごい盛り上がりをみせていますね!

村山:Twitterがスタートした当初は、どんな反応があるのか心配していた部分もあったのですが、みなさんやさしく迎えてくださいました。下は10代後半から上は70代ぐらいの方までの反応があり、1967年のリカちゃんが初めて発売された当時、お母さんとして娘さんにプレゼントした方もいらっしゃるのかもしれないと思っています。投稿を見て、「リカちゃんの髪型を参考にしています」とか、「ファッションを参考にしています」といった声が届いたり、リカちゃんが訪れる場所に興味を持って、訪れて楽しんでくださってる方もいらっしゃいます。たとえば金沢に行ったりすると、「わぁ、リカちゃんが金沢に来てくれてるんだ!」と地元の方が喜んでくださったりして、リアルなお声が頂戴でき、とてもうれしいですね。

――大人向けのブランド“LiccA”「スタイリッシュドールコレクション」第二弾は、通常のリカちゃんよりも大人っぽく、洗練された印象なのですが、具体的には今までのリカちゃんとどう違うのでしょうか?

村山:これまでのリカちゃんと顔や身長は同じですが、トレンドを取り入れた細身の服を着こなせるスタイリッシュなボディが採用され、ブラウンで大人っぽくメイクを仕上げ、ヘアスタイルはゴージャス感のある裾カールにしています。第1弾「オリーブぺプラム スタイル」は、オリーブカラーのぺプラムトップスに、パンツを合わせたスタイルでしたが、第2弾の「カプチーノワンピース スタイル」は、レトロシックなデザインで、千鳥格子が印象的な女性らしいワンピース姿です。トレンチコートをはおり、クールさもプラスし、大人のシルエットを意識しています。“LiccA”シリーズでは、人形づくりの経験と最新の技術を組み合わせ、座る姿勢やつま先立ちのポーズなど、美しいポージングを可能にしていますので、リカちゃんを撮影する時など、かわいい姿で写真におさまってくれると思います。

大人向けリカちゃん人形ヒットの戦略

リカちゃんは今の時代を生きている

――“LiccA”のブランドを高めるために意識されていることはありますか?

村山:ブランド戦略に先駆けて、多くの女性にリカちゃんについて質問してみたのですが、昔遊んでいたとか、懐かしいといったお声が非常に多く聞かれていたんですね。それはそれでうれしいのですが、今もリカちゃんはリアルタイムで新しい流行を楽しんでいる。今を生きている女の子なんだ、というところを見ていただきたいと思っています。元々、リカちゃんが誕生した時のコンセプトも、「等身大のお友達のようなお人形」で、お友達のような存在ということがありました。リカちゃんの年齢設定は小学5年生でターゲットの女の子も同じ11歳の女の子だったんです。かつて、「リカちゃんいますか?」と、弊社に電話をかけてきた女の子がいて、その場で機転を聞かせた社員が「もしもし、私リカよ」と返事をしたことがあったんです。実はそれがきっかけで、リカちゃん電話が始まり、今も根強い人気があります。そのあたりを今の時代らしくSNSという形に置き換え、大人版として双方向のコミュニケーションができたらいいなと思っております。

大人向けリカちゃん人形ヒットの戦略

リカちゃんのお父さん・香山ピエールは『イクメン オブ ザ イヤー 2014』に輝くほど、育児・家事に積極的。こうしたキャラの振る舞いにも時代が反映されている

発信内容も、「今を生きる女の子」をコンセプトに、 旅行、ファッション、スイーツ、旅行、おしゃれということを重視しているので、みなさんがお出かけするみたいに、リカちゃんもいろんな情報発信拠点へ出かけて楽しんでいる、ということが伝わればいいですね。リカちゃんは昔から流行の最先端というよりは、「半歩先」を意識しています。等身大の、身近で、ちょっと憧れの女の子というところを意識し、流行も取り入れつつ、好奇心旺盛なリカちゃんのパーソナリティをより、生かせるよう心がけています。

ルミネとのコラボで、より幅広い女性に訴求

――“LiccA”第1弾が発売される時には、「ルミネ池袋」とコラボレーションし、期間限定で「LiccA CAFE」をオープンするなど、まったく別業界の企業と数多くコラボレーションされていらっしゃいますが、どう決まっていくのでしょうか?

村山:経緯はさまざまですが、「ルミネ池袋店」さんの場合は、今回、わたしたちが大人向けのドールを出すというコンセプトをお話させていただいたところ、すぐに共感していただき実現しました。リカちゃんが館内放送で呼びかけたり、1ヶ月の期間限定で、ルミネ池袋店5Fの「ラ・メゾンアンソレイユターブル」で、『LiccA』の世界観が楽しめる期間限定スペシャルコラボカフェ「LiccA CAFE」をオープンしました。店内に「LiccA」のTwitterやInstagramで話題となった写真や洋服を展示しました。リカちゃんに愛あるスタッフが集まり、みんなで楽しんで作り上げました。通常おもちゃ売り場にいかないような女性たちが「リカちゃん」と再び出会っていただける場として、流行ファッションを展開するファッションビルであるルミネ池袋店さんとのコラボレーションは大変貴重な機会となりました。

――リカちゃんから、働く女性にメッセージが届きましたら、お願いします。

大人向けリカちゃん人形ヒットの戦略

編集部にて撮影した、LiccAとタカラトミーの外観

リカちゃん:毎日楽しいことや悲しいこと、ちょっぴり悩んじゃうこともあるかもしれないけれど、リカが毎日つぶやいているTwitterが、少しでもみなさんの毎日を楽しくできていたらうれしいです♪ これを読んでいるみなさんの毎日が素敵な日になりますように♡

■関連リンク
「LiccA」公式ページ
リカちゃん公式Twitter
リカちゃん公式Instagram

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