映画『FOUJITA』プロデューサー、クローディー・オサールさんインタビュー

『アメリ』プロデューサーが語る、仕事で成功する方法「何様だ!と言われても、いいと思ったらやる」

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『アメリ』プロデューサーが語る、仕事で成功する方法「何様だ!と言われても、いいと思ったらやる」

『フランス女性は服を10着しか持たない』『フランス女性は太らない』など、フランス女性のライフスタイル本が次々と登場しては話題をさらっています。アラサー女性のなかには、参考にしている人もいるのではないでしょうか。

憧れの存在とされているフランス女性の中でも、トップクラスのエレガンスなのが、クローディー・オサールさん。映画『アメリ』『ベティ・ブルー/愛と激情の日々』など、日本でも話題になった映画を次々と世に送り出してきたフランスを代表するプロデューサーです。

そのクローディーさんが、映画『FOUJITA』(2015年11月14日公開/主演:オダギリジョー)のプロデューサーとして来日。彼女が製作に関わった『FOUJITA』は、フランスで人気を博した日本人画家・藤田嗣治の1920年代パリ時代と、1940年代日本時代を描いた美しい映画です(監督は『死の棘』でカンヌ国際映画祭グランプリを受賞した小栗康平監督)。

パリ出身のクローディーさんに、フランス女性の生き方、そして自分らしく生きるコツを聞いてきました。

新しい才能との出会いがモチベーション

――映画『FOUJITA』は日本人画家・藤田嗣治の物語です。パリでも活躍した藤田氏ですが、日本人画家をフランス人プロデューサーのあなたが製作した経緯を教えてください。

クローディー・オサールさん(以下、クローディー):きっかけは、パリの道を歩いていたら、この映画に偶然出会ったのです(笑)。それは冗談だけど、私のところにこの企画を持って来てくださった方がいたの。私は小栗康平監督ファンですし、フジタ(藤田嗣治)は、フランスでとても愛されている画家なのです。またこの映画で描かれているフランスの1920年代というのはフランス人が大好きな時代ですからね。それらの要素が私の背中を押したのです。

――あなたは映画『アメリ』などアート系の作品を多くプロデュースし、長くフランス映画界のトッププロデューサーとして活躍されていますが、仕事のモチベーションを維持する方法はありますか?

クローディー:新しい才能を発掘すること、オリジナリティある作品を制作することが私のモチベーションですね。たやすくできる時代ではないけど、常に人と会っていますし、新しい才能と出会いたいという気持ちが強いです。『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ監督だって、私が出会ったときは無名の新人監督だったのですよ。

チャンスが来たら、準備が整っていなくても掴んで

――積極性を失わないこと、好奇心を失わないことが大切なのですね。読者はアラサー女性が多いのですが、あなたは30代の頃、どのように過ごしていましたか?

クローディー:30代! まあ、ずいぶん私とは年の離れた読者さんなのね(笑)(編注:クローディ―さんは1943年生まれの71歳)。まずアドバイスとして、40代でプロフェッショナルとして成功したいと思ったら30代から準備をしておいた方がいいと思いますよ。30代の頃、私はCMのプロデューサーで多くのCMを作っていたました。その頃のCMは今よりもクリエイティブだったので、そのときたくさん仕事をしたことが、今の長編映画の製作の仕事に役立っていると思います。その後、大手の広告代理店からチーフとして働いてくれないかと誘われたけど、私はあくまで作品を作る側でいたかったのでお断りして、映画の世界に飛び込んだのです。人生には選択を余儀なくされることがあります。私にとってはそこでCM界から映画界へと移ったことが大きな決断でしたね。

――今は映画製作会社の代表取締役ですよね。いまの地位を得るまでに困難なこと、乗り越えたことはどんなことでしょうか?

クローディー:まず私がCM界に入ったのは、すごくCMの仕事がしたかったわけではなく、当時の恋人がCM業界にいたからです。これ冗談じゃなくて本当です(笑)。彼がきっかけで私は業界に入るチャンスを掴んだ。チャンスが来たら、準備が整ってなくても掴むこと! これは人生において重要なことです。当時のこと……もう中世の話になりますが(笑)、フランスでは、有名スターがCMに出ることは絶対にないと言われていたの。だから私は“絶対に有名スターをCMに出してやる!”と決めました。そしてジャック・タチ(映画監督・俳優。『ぼくの伯父さん』などが有名)をCMに出演させることに成功したのです。彼は日本でいえば、映画監督の小津安二郎のような伝説の人よ。人から「何様だ!」と言われてもいいから、自分がいいと思ったことはやってみる。成功するか失敗するかわからなくても挑戦することに価値があるのです。

映画『FOUJITA』プロデューサーインタビュー

クローディー・オサールさん

女性らしさや美しさは仕事に大いに活かそう

――日本ではフランス女性の生き方やライフスタイル、ファッションに憧れるアラサーがとても増えています。あなたが誇れるフランス女性の生き方は何でしょう? また、フランス女性の生き方に時代の変化を感じますか?

クローディー:自立した考え方ができるというのが誇れる部分ですね。自分の人生は自分で作るものですから。映画業界で言えば、私がプロデューサーになりたての頃は、映画界に女性プロデューサーは3人くらいしかいなかったの。でもいまは20人くらいの女性がプロデューサーとして仕事しています。女性が進出してきたことは大きな変化でしょう。私はその道のパイオニアとして講演を頼まれることもあるのですが、私自身は働いていて、女性であることにコンプレックスを感じたことはなかったから、自分をどんどん出してきたことは強みになったと思います。

――クローディーさんは、今でもオシャレで美しくて憧れますが、美を保つ秘訣は何かありますか?

クローディー:ありがとう。私はビジネスウーマンですが、見た目はとても大事です。容姿には女優並に気を使っているわ。顔も体も美しくありたいし、元気な姿を見せることは自分だけでなく、私の周囲に対しても大事なことだと思うのです。女性的な見た目や佇まいは強みになりますからね、大いに活かすべきです。でも最近のフランスの若い女性は全然ダメですね。Tシャツ、ジーンズ、革のジャケットを着て、女性らしさがありません。日本の女性がフランス女性に憧れているとおっしゃっていたけど、もしかしたら日本のみなさん、フランスの女は女優のマリオン・コティヤールみたいだと思っていない? 全然そんなことないのよ(笑)。

クローディー・オサールさんは、お洒落で気品のあるマダム。仕事ができる女性は美しさにも手を抜かないものなのですね。確かに彼女の美意識は仕事にも影響を与えています。映画『FOUJITA』はワンシーンワンシーンが絵画のように美しい映画。小栗監督と藤田嗣治の芸術性に心酔していたクローディーさんだからこそプロデュースできた映画と言えるでしょう。ぜひ映画『FOUJITA』で、あなたの美意識を磨き、クローディーさんのように仕事も美も両立させてください。

■公開情報
『FOUJITA』
公式サイト
公開:11月14日全国ロードショー
出演:オダギリジョー、中谷美紀、アナ・ジラルド ほか

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