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2015/11/12

今はまだ親も元気だけど、いつかは介護が必要になるかもしれない。少子高齢化が進む今、そんな不安を抱えている人は少なくないはずです。

内閣府の「高齢社会白書」によると、65歳以上の高齢者の割合は右肩上がりに上昇し続けており、平成26年では前年度から1.1ポイント増加して、26.0%となりました。高齢化率は今後さらにのび、10年後には30%を超えると予想されています。高齢化が進むとともに、介護を必要とする家庭も増加します。そこで問題となってくるのが、家族の誰が介護を引き受けるのかということと、介護と仕事の両立をどうするのかということです。

介護と女性、問題の深刻さ

厚生労働省が平成25年に実施した「国民生活基礎調査」では、同居による介護は61.6%で、このうち介護を行っているのは「配偶者」が最も多く26.2%、「子」が21.8%、「子の配偶者」は11.2%、「父母」は0.5%、「その他の親族」は1.8%でした。男女比でみてみると、女性が68.7%、男性が31.3%となっており、家族を介護しているのは約7割が女性だということが分かります。女性の比率が高い理由には、専業主婦が家族の介護を引き受けていることが考えられますが、一方で、介護を行うために仕事を辞める「介護離職」を経験する女性もたくさん存在しています。総務省の発表によると、介護・看護を理由に仕事を辞めたり、転職したりする人は、年間約10万人おり、そのうち8割が女性となっています。年齢区分をみると、50代以上が68%と多数を占めていますが、40代が15.3%、30代が7.5%、20代以下が2.3%と、働き盛りの年代から若年層まで広がっています。(参考:内閣府「平成27年版高齢社会白書」

10代20代の孫世代が介護することも

共働きの夫婦のうち、妻が介護離職を選択するケース、また、未婚の女性が両親や祖父母の介護のため離職するケースも起こっており、女性の介護離職は深刻な問題となっています。また、少子化の影響で、4人の親の介護を2人の子で抱えなければならない一人っ子同士の夫婦は、これからますます増えていくことでしょう。共働きの両親に代わって孫が介護を引き受けるという「老孫介護」も、今後、増加していくことが予想されます。両親ともに一人っ子、自分も一人っ子という家庭で、大学生のころ、祖父を介護したというある人は、一時、介護のために学校に通えなくなった時期があったそうです。また、高校中退を余儀なくされた人や、就職や結婚が白紙になったという例もあります。

「家族で介護」はもはや限界に近く、そのしわ寄せは女性が被っているのが現状です。政府は「新・三本の矢」として、経済政策の強化、希望出生率1.8、介護離職ゼロを掲げ、来春にも具体的な計画を取りまとめたいとしていますが、実効性の高い対策が早急に実施されることを願ってやみません。

内野チエ

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