救える命がそこにあるー犬猫の殺処分ゼロ実現のために、私たちができること

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救える命がそこにあるー犬猫の殺処分ゼロ実現のために、私たちができること

犬猫の殺処分ゼロに成功事例も

ペットを飼いたいと思ったとき、ペットショップに行って購入するという方法は、ごく当たり前のことなのかもしれません。しかし、その選択が、もしかすると犬猫の虐待に繋がっているとしたら――。年間12万頭も犬猫の殺処分が行われている日本の現状、犬に自由を与えず死ぬまで檻に閉じ込めただ繁殖だけさせる、そんな悪質ブリーダーの行いを明らかにした、映画『犬に名前をつける日』の山田あかね監督へのインタビュー記事(前編後編)は、わずか2週間でシェア数が1万2,000を超え、たくさんの人の支持を集めました(2015年11月5日現在)。

命を売買することの違和感

人間の身勝手で簡単に殺処分されてしまうペットたちの存在を知って、激しく心を揺さぶられた読者も多いのではないでしょうか。インタビューで山田監督が「犬を飼いたいと思ったとき、保護施設から譲り受けることを知らない人が多すぎるのです」と語ったように、もしかすると私たちの無知や無関心が、間接的にペットの命の尊厳を奪っているのかもしれません。

これに伴って実施されたウートピ世論調査「ペットを飼うとしたら?『保護施設からもらう』or『ペットショップで買う』」では、「保護施設からもらう」と回答した人が86%と多数を占めました。保護施設派から寄せられていた意見をいくつかご紹介しましょう。

犬猫の殺処分ゼロに成功事例も

・命に値段を付けることはナンセンス
・血統に意味は無いし命はファッションや流行りではない
・救える命があるのなら、少しでも貢献したい
・ぜひ日本も海外を見習って保護施設から引き取るのが当たり前になって欲しいです。人間の都合で殺処分するなんて絶対に反対です
・ペットショップが売れればいいと無責任に売り、見た目の可愛さで買い終生飼育しない飼い主と無責任の負の連鎖が保健所の犬達の中にいる。またペットショップの裏側では悪徳繁殖屋が産めよ増やせよ金になる。物を生産するかの如く犬達を扱っている
・保護した子を売るペットショップならまだわかります。親犬親猫に過大な負担をかけ、ボロボロになるまで交配させる 障害のある子は殺処分対象。こんな現実おかしいですよ

しかしペットショップ派からは、

・ペットショップ、ブリーダー全て悪い、無くそうというのは極端過ぎて賛成できません。
・どんな業界にも悪質なやつがいる。それはなくしていけばいい。殺処分とは飼い主側の問題。保護施設から譲ってもらって飼えなくなって保健所にいくやつもいるのが現状。きれいごとはいらない

という声もあがっていました。悪質業者は許しがたいですが、一方で、犬や猫を愛し大切にしているブリーダーやペットショップもあります。

そして実際に、飼育放棄する飼い主がいることによって殺処分が減らないのも事実。しつけや散歩が大変、吠え癖や噛み癖がひどい、人をケガさせた、近所の人から苦情が出て飼えなくなったなど、さまざまなトラブルにより、飼い主自ら保護施設や保健所に引き渡しにくるというケースは決して珍しいものではないのです。

殺処分ゼロには「いかにして飼うか」が重要

犬猫の殺処分ゼロ、保護犬の減少を減らすためには、「いかにして飼うか」が重要なポイントになってきます。北海道の岩見沢保健所由仁支所では、2014年度、初めて犬猫の殺処分ゼロを成功させました。引き取った54匹のうち、3匹は元の飼い主の家へ、残り51匹は新しい里親と出会うことができたそうです。殺処分ゼロの対策としてもっとも影響を与えたのは、13年に施行された改正動物愛護管理法「終生飼養」の義務化により、飼い主の身勝手な理由による引き取り依頼を、保健所側が拒否できるようになったからだといいます。

参考記事:「犬猫殺処分、初のゼロ 昨年度の岩見沢保健所由仁支所」(北海道新聞)

愛犬家が集まるドッグランと、保護犬の譲渡を目的とする施設を併設した大阪の「鶴見緑地パートナードッグタウン」を運営する社団法人「パートナードッグタウン協会」も、犬の殺処分ゼロを目指し、活動しています。ここにも飼育放棄された保護犬は少なくなく、新たな里親と出会うことがあっても、きちんと飼育できる環境か、里親と保護犬の相性などをみて、譲渡できるかどうかを慎重に判断するそうです。

犬猫の殺処分ゼロに成功事例も

犬猫ボランティア団体が行っていること

筆者自身、半年ほど前、保護犬の里親になるため、犬猫の保護活動をしているボランティア団体のお世話になりました。印象的だったのは、飼い主となる里親へのケアや支援が手厚かったことです。

そこでは、一匹の保護犬を譲渡するにあたり、数回にわたってトライアルの機会を設け、里親と犬との相性や、飼育環境のチェック、里親としての適性について、さまざまなことを確認しています。また、譲渡の前には、犬の特性やしつけ方、飼い方などを学ぶ、「飼い主のためのしつけ教室」を受講することを推奨、譲渡後はペットと良好な関係を築けているか、その様子を定期的に確認、何か困ったことがあればすぐに相談に応じるなど、細やかに対応しています。さらに犬のしつけ・トレーニング教室やドッグラン、ペットホテル、動物病院などの紹介、飼い主同士の交流など、飼い主へのサポートの部分を非常に重視している印象を持ちました。

筆者の場合、トライアル期間中に家族の一人が犬アレルギーだと判明し、結局、保護犬を飼うまでには至りませんでした。幸い猫は大丈夫だったので、保健所から7歳の捨て猫を引き取ることに。今ではかけがえのない家族です。

実は、飼い始めてから家族の誰かが犬アレルギーだと分かるということは、よくあるそうです。飼う前には気づかなかったこと、飼ってからペットがストレスに感じてしまうということは、決して珍しいことではありません。多くの捨て犬や保護犬を見てきた保護団体の人ほど、飼うことの責任とその難しさを実感しているのかもしれません。

捨て犬、保護犬が家族になるまで

捨てられた犬猫は懐かないのではないか、保護犬は飼いにくいのではないか、ということを不安に思う人もいるでしょう。しかし、実際に保護犬の飼い主となった人たちからは、こんな声が寄せられています。

・「以前は、子犬から育てないと人間になつかないのではないかと思っていたけれど、そんなことはありません。犬は賢いから『この人が飼い主だ』と思ったら、従いますし、なつきますよ」(「犬を檻に閉じ込め近親交配…悪質ブリーダーとペットショップが減らない理由」より、山田監督の言葉)
・うちの子は動物愛護センターから成犬で来た雑種だけど可愛いし良い子
・家にはやっぱり保護した犬がおります、ブリーダーが捨てた犬でしょう。最初は私にはなつかず苦労しましたが、そりゃあ簡単には行きませんって、でも今は嫁が1番、私は2番って感じです(笑)
・うちの子も保護犬です。かわいくていじらしくて、こんないい子が殺処分寸前だったと思うと、泣けてきます
・我が家のわんこは里親を探す民間ボランティアさんより譲り受ました。初めてわんこを飼う私どもに、兄弟3匹と一緒にボランティアさん宅へきた事や行動から感じる性格、予想される体重、子犬の頃はごはんに手を添える事など丁寧に教えてくださいました。子犬だったわんこは来春12歳…お互いが幸せを感じる大切な家族となっています
・うちは今も先代犬も保護犬で成犬ですが、子犬から飼うよりはるかに楽です

ペットショップでお金を出して命を買うのではなく、保護犬を引き取ることで命を救える、その選択肢があるということを多くの人が知れば、殺処分ゼロを実現することができるかもしれません。

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