『マイ・インターン』に働く女性が共感

日本中のアラサー女子たちが「大共感!」と熱狂的な支持を集めているアン・ハサウェイ主演作『マイ・インターン』。ファッションサイトの女社長ジュールズ(アン・ハサウェイ)が仕事と家庭と両方で悩みを抱えながらも頑張る姿を描いています。

成功へと向かっていくサクセスストーリーではなく、すでに成功しているヒロインの悩みを描いているところが珍しく、そこが今の働くアラサー女子の琴線に触れ、「私と一緒だ!」と、共感して涙……。「成功しているのに、なんで泣く?」そこを描いているのが『マイ・インターン』なのです。

社長としての資質に悩む

ジュールズは、ファッションサイトの社長として若くして成功を収めています。NYにオフィスを構え、従業員も多く、忙し過ぎて社内を自転車移動するほどです。

『マイ・インターン』に働く女性が共感

「成功しているのに何の不満があるの?」と思う人もいるでしょう。しかし、彼女は超有名大学を出た才女ではないのです。いわゆる学歴コンプレックスがあり、いつ足元をすくわれるかとビクビクしています。

学がないことがコンプレックスという人は多いかもしれません。ジュールズは、もしも社長として厳しい局面に立たされたとき、自分は乗り越えられるのか。そのための知識や教養がないのでは……と不安なのです。大人になってから「もっと勉強しておけばよかった」なんて思うことはありますが、社長ともなると、それが会社経営に直結するわけですから深刻です。おまけにそれを周囲の人に言えないから、余計苦しみのドツボにハマるわけです。

家庭でも心を癒すことができない

『マイ・インターン』に働く女性が共感

ジュールズは既婚者で夫と娘がいます。夫は彼女を支えるために仕事を辞めて専業主夫になり、家事も育児もお任せです。これまた「なんて恵まれているの!」と思うでしょう。しかし、夫に「僕にも自由がほしい」と言われたり、ママ友たちは多忙な彼女にチクっと嫌味を言ったりします。彼女のために夢を捨てて主夫になった夫に対する後ろめたさ、娘の側にもっといてあげたい願望が、ジュールズの頭の中でグルグルまわっているのです。

『マイ・インターン』に働く女性が共感

共働きの家庭は、子供ができると時間の取り合いになります。主夫になってくれる夫ならラッキーと思いがちですが、母親として役目を果たせていないとか、ママ友としっくりいかないなど、ジュールズのような悩みを抱える人もいるでしょう。おそらく男なら妻に家庭を任せても全然気にしませんが、そこが女性ならではの悩み! だから働くママの共感を呼ぶし、独身のアラサー女子は「結婚してもしんどそう」と腰が引けてしまうのです。

「頑張っているから今がある」と考える

『マイ・インターン』に働く女性が共感

『マイ・インターン』が多くの女性の支持を集めているのは、ある程度のキャリアを築いた女性なら陥る苦しみを描いているからです。バッチリ共感した人は、ジュールズと同じように「どこまで頑張ればいいの?」と思っているでしょう。まるでメビウスの輪のように仕事でも家庭でも終わらない頑張る人生……。

心が折れそうになり、社長職を外部の人に任せようかと悩んでいたジュールズに、部下であるシニア・インターンのベン(ロバート・デ・ニーロ)はこう言います。「あなたの仕事ぶりも生き方も尊敬している」と。これは全世界の働く女性に向けられた言葉!

『マイ・インターン』に働く女性が共感

「どこまで頑張ればいいの?」ではなく「頑張っているから、今があるんだ!」と思えばいいのです。頑張っているから仕事がまわっているし、評価されているという根本的なことに気付けば「どこまで~」ではなく「このまま行っちゃえ」と思えるはず。

キャリアがあり、部下を持つ成功者ほど、後ろ向きになっていた気持ちを前に向かせて、背中を押してくれる人が周囲にいないものです。そんな女性たちの心をグッと掴んだからこそ『マイ・インターン』は働く女性に支持された。映画そのものが働く女性たちの理解者となった稀有な作品と言えるでしょう。

■公開情報
『マイ・インターン』
公開中/公式サイト
出演:ロバート・デ・ニーロ、アン・ハサウェイ ほか
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED

斎藤香