』著者・カキウチユウコさん1

お笑い芸人さんと、人気の女性タレントや旬のアイドルの熱愛や結婚報道を目にする機会はめずらしくありません。一般女性のファンも多くいます。では、実際に芸人さんと結婚するとどんな生活になるのでしょうか? コミックエッセイ『芸人の嫁になりました。』(サンマーク出版)で、旦那さんであるお笑い芸人「タカタ先生」(よしもとクリエイティブエージェンシー所属)との結婚生活を赤裸々につづる漫画家のカキウチユウコさんに聞いてみました。

    芸人さんとの結婚、迷いはあった?

――旦那さんの「タカタ先生」は、芸人として今はまだ無名ですが、実際、収入はどんな感じなのでしょうか?

カキウチユウコ(以下、カキウチ): 彼の芸人としての収入は月5,000円ほど。でも、その他に不定期のものも合わせて6つ仕事を掛け持ちしているんです。教員免許を持っているので中学校で数学の講師、視覚障害を持つ人たちへの授業、家庭教師、ボイスインストラクター、グループホームでの食事作りと宿直です。これらを合わせると月30万円ほどになるので、貯蓄するほどの余裕はないですが、夫婦2人の生活はなんとかやっていけます。

――結婚に迷いや不安はありましたか?

カキウチ:彼は某貧乏バラエティ番組に出たくらい貧乏なお笑い芸人で、しかもドけち。私も売れないマンガ家なので収入面での不安はありました。

ただ、本業で十分稼げるようになるのは理想ですが、一方で副業をいくつか掛け持つよさもあると思うんですよ。経済的な面で、ひとつの仕事に頼り切らずに済むので、ひとつの仕事がダメになって無職になってしまうよりは、逆に安心かもしれないです。

今のところ、芸人の道を諦めて、安定した職についてほしいという思いはゼロです。とはいえ不安定なことには変わりないので、私ももっとがんばって稼がなきゃと思います。将来的には子どもも持ちたいですね。

    芸人=浮気の心配は?

――芸人さんはモテるイメージですが、そのあたりの心配はありませんか?

カキウチ:人に「芸人と結婚しました」と言うと、二言目には「浮気に気をつけなよ!」とよく言われます。やっぱり芸人さんって女遊びするイメージがあるみたいですね。

うちの場合になってしまいますけど、彼が女性にモテるキャラではないので、あまり心配はしていません。彼も、ウケると思わないことにあまり興味がないタイプなんです。自分が女遊びすると、キャラとして引かれるってことが分かっているというか。逆に、売れっ子になって女性にモテて、オロオロしている彼を見て楽しみたいですね(笑)。

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インタビュー中のカキウチさん(※著書の販売促進のため、出版社が用意したかぶりものです)

    結婚して成功するタイプの芸人さんは?

――売れっ子の芸人さんは、40代になっても独身を謳歌している人も多いですが、あまり結婚願望がない職業なのでしょうか?

カキウチ:その芸人さんのタイプによると思いますが、結婚するメリットは大きいと思います。彼の“芸人分析”によると、独身の芸人さんはどちらかと言うと「俺を見て!」というガムシャラ感が強みで、既婚の芸人さんはトークを回せるタイプの人が多い、と。結婚生活では、1人の時間が減って、ずっと一緒にいる妻に気を配るからでしょうか。

また、彼は自分の結婚をこう分析していました。「己をいかにさらけ出すかが、芸人として大事。俺は今まで感情を出すのが下手で、真剣に怒っても笑われてしまうことが多かった。結婚して生活をともにしていると、怒鳴ったり機嫌が悪くなったり弱音を吐いたり、ということが日常になる。自分の芸の幅が広がった」と言っていました。

    芸人さんの嫁として、向いている女性は?

――芸人さんと結婚する女性はどんなタイプの人が多いと思いますか?

カキウチ:やっぱり、芸人の彼を応援するのが生きがいという女性じゃないでしょうか。でも、応援にも2パターンあって、以前は間違った応援の仕方をして彼を傷つけてしまったこともあります。

彼がネタで悩んでいたとき相談を受けたのですが、自分の感覚でアドバイスをして、セリフや衣装にも口を出したんです。こうすればウケるからとムリヤリ言い聞かせて見送ったんですが、当日ひたすらスベってしまって。しかも、スベって落ち込んでいる彼に「こんなに見込みがないヤツだったとは! 反省文を書け!」とさらに追い討ちをかけてしまったんです。

今は180度変わって、芸に悩む旦那さんのことはひたすら褒めちぎってヤル気を出させる応援のほうがいいと学びました。おもしろくなくても「イヤ、あんたは天才だよ!」と言います。

実は、ピンのお笑い芸人のNo.1を決める大会「R-1グランプリ」の予選に、私も出場したことがあるんです。彼と一緒に何度もネタを練習して挑みましたが、結果は記憶が吹っ飛ぶほどスベりまくりました。本当にこわい思いをしましたが、この経験から、「芸人さんって本当にすごいな」と、旦那さんの仕事に対して尊敬の気持ちが芽生えました(笑)。

――いくら「芸人の嫁」でも、R-1に出るのは度胸がありますね(笑)。旦那さんはそのチャレンジ精神に惚れ直したことでしょう。後編では、そんなおふたりならではの結婚生活のエピソードもお聞きします。

>>>【後編はコチラ】バレンタインには全身にチョコレート!? 『芸人の嫁になりました。』の著者に聞く、芸人の嫁としての苦労とは?

●カキウチユウコ
1980年東京生まれ。高校卒業と同時にイラスト・マンガの持ち込みを始める。2007年9月、とのいえちお名義『となりのホストくん』(幻冬舎)でマンガ家デビュー。2010年3月より、アメーバブログ「芸人と結婚しました!」を開設。2013年12月、2冊目の単行本『芸人の嫁になりました。』(サンマーク出版)発売。

田中 結/プレスラボ