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2015/10/08
スラットウォーク

YouTubeより

ロサンゼルスで10月3日、「スラットウォーク」が開催されました。「スラット(=slut)」とは、「あばずれ、尻軽女、売春婦」などを意味する侮辱語です。

「売春婦のような恰好をするべきではない」発言がきっかけに

「スラットウォーク」が始まったきっかけは、カナダのトロント州にあるヨーク大学で2011年1月、講演をしていた警察官が「女性が性被害に遭わないためには、売春婦のような恰好をするべきではない」と発言したことでした。

この発言を問題視した女性たちによって、「性犯罪をなくすためには、そもそもそうした男性目線の偏見を取り除くべきだ」「女性がどんな服を着ようと自由だ」と抗議しながら街を歩く「スラットウォーク」が生まれたのです。これまでにボストンやシカゴ、ロンドン、バリ、メルボルン、ソウルなど地球規模で行われています。

モデルのアンバー・ローズがスピーチ

10月3日にロサンゼルスで行われたスラットウォークでは、デモを先導したモデルのアンバー・ローズがスピーチを行いました。そので彼女が訴えた内容が海外でも話題になっています。

アンバーはシングルマザーの母親を経済的に助けるため、15歳でストリッパーになったという経歴の持ち主。その後は、個性的な金髪坊主頭と見事なスタイルで人気を博し、数々のミュージックビデオに出演、雑誌や広告などでモデルとして活躍。かつてはラッパーのカニエ・ウェストとの交際でも話題になりました。その後は、ラッパーのウィズ・カリファと結婚して男児をもうけましたが、昨年離婚しています。

社会的に無視されている人々を可視化したい

アンバーはスピーチの中で、14歳の時の実体験を語りました。それは、アメリカのティーンがパーティーで遊ぶ「天国の7分間」という、男女がクローゼットの中に7分間隠れるというゲーム中でのこと。アンバーはとある男の子とクローゼットに入り、キスをした後、彼からひざまづくように指示されたのだそう。意味が分からないままアンバーがひざまづくとクローゼットが開かれ、周りにいた同級生から彼にフェラチオをするような体勢になっているアンバーを見たことで、学校中から「slut」といじめられるようになったそうです。

その後も、彼女の男性遍歴やストリッパーという経歴については多くの人からずっと「slut」呼ばわりされてきたアンバー。著名なラッパーであるカニエとウィズと関係を持ったことについては、「ただのストリッパーのくせに」といった悪意ある言葉がネット上を駆け回ってきたと涙ながらに語りました。

そして最後には力強くスラットウォークに参加した理由を述べました。「恥辱や迫害、暴行や暴力は、白人でない女性やLGBT、セックスワーカーのような社会的に無視された存在の人々に偏った影響を及ぼしている。このイベントによって、そうした人々を可視化する必要がある。泣きながらでもこうして外に出て女性のために歩きたい」

「こうあるべき」という偏った価値観が差別を生む

アンバーはスピーチの後、「ストリッパーにも感情がある」「私の女性器は私が選択する」といったプラカードを掲げて歩きました。その力強い姿は、多くの女性たちを勇気づけました。

女性の性行動を非難し、その人を貶める「スラット・シェイミング(=Slut Shaming)」は、世界中で社会問題になっています。言葉こそ耳馴染みがありませんが、同じようなことは日本でも多く起こっています。そこには、女性は純潔で1人の男性としか性行為を持ってはいけないというような価値観があり、その価値観から外れる女性の尊厳を損なわせる性差別に繋がっているのです。

もちろんこれは女性だけではなく全ての人に対しても言えることでしょう。スラットウォークのような運動は、「△△は○○でなくてはいけない」と自分が勝手に規定した価値観を振りかざすことで差別意識が生まれるということを、私たちが考えるきっかけになるのではないでしょうか。

参考記事:
AMBER ROSE SLUTWALK
Women’s Health
HUFFINGTONPOST

石狩ジュンコ

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