186人が今も苦しむ子宮頸がんワクチン被害 “推奨”した国の責任を改めて考える

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186人が今も苦しむ子宮頸がんワクチン被害 “推奨”した国の責任を改めて考える

被害多数の子宮頸がんワクチン

子宮頸がん予防ワクチンの接種後の健康被害を訴える患者が相次いでいる問題で、厚生労働省が追跡調査の結果をまとめました。

子宮頸がん予防ワクチンの定期接種は、小学校6年~高校1年の少女たちを対象に、2013年4月から開始。しかしけいれんや記憶障害、運動障害などの重い副作用が相次いで報告され、わずか2か月後の6月に、厚生労働省が「積極的な接種勧奨の一時差し控え」を発表しました。

その後の追跡調査で、2014年11月までにワクチンを接種した約338万人のうち、副反応がみられたのは2,584人で、うち1,550人が通院不要まで回復したものの、186人は未だ重い症状に苦しめられていることが明らかになりました。
参照記事

国が推し進めたワクチンを接種したことにより、これまで元気だった少女たちの生活は一変してしまいました。学校に行くこともできなくなった少女や、娘の将来のためにとワクチン接種を承諾した家族の心境を思うと、言葉を失うばかりです。

そもそも子宮頸がん予防ワクチンとはなんなのか

子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がんの原因のひとつであるヒトパピローマウィルス(HPV)に効果があるとされています。厚生労働省によると、HPVに感染するのは性交渉経験のある女性の50~80%にのぼり、数年から数十年後を経て子宮頸がんを発症するといいます。多くの人が感染するHPVから身を守るためにも、ワクチンの接種は自然なことのように感じます。しかし、感染者の90%以上は、2年以内にHPVが自然消失しているという報告もあるのです。
参照記事:P.3,P5

子宮頸がんは恐ろしい病気であり、それを予防する手段が開発されることは女性にとって非常に心強いものです。しかし自然消失率も高いHPVに対し、どんな副作用が起こるか分からない危険なワクチンを接種するのは、非常にリスクが高い方法だとはいえないでしょうか。

がんを予防できるか定かではないという真実

子宮頸がん予防ワクチンの効果について、厚生労働省は、「がんそのものを予防する効果はまだ証明されていない」と示しています。がん予防の効果が明確に認められてからワクチン接種が開始されたのではなく、あくまでがん予防に「期待がもてる」状態での、見切り発車だったのです。

子宮頸がんは検診で防げる

ワクチンの積極導入が推し進められた背景には、子宮頸がん対策において、日本が世界に遅れをとっているという理由があげられていました。しかし、海外で効果がみられているのは、ワクチンではなく、検診です。

子宮頸がんの検診率を国際間で比較すると、欧米諸国が60~80%台に達しているのに対し、日本はわずか20%台と世界の中でも最低の水準です。

子宮頸がんは検診によってほぼ100%防げるともいわれており、また、体にかかる負担も少なく、安全な手段です。子宮頸がん対策に必要なことは、ワクチンの性急な導入ではなく、検診率を高める努力だったのではないでしょうか。

なぜ任意接種ではなく定期接種でなければならなかったのか

予防接種には、国が積極的接種を勧奨する「定期接種」と、本人の希望があれば受ける「任意接種」があります。定期接種は公費でまかなわれるため無料で受けられますが、任意接種は自己負担になります。

母親たちは子どもが生まれたときから、ポリオや風しん、はしか、BCG(結核)などの定期接種のお知らせを自治体から受け取り、スケジュールを組んで子どもに受けさせます。一方、水ぼうそうやおたふくかぜなどは任意接種となっているので、自治体からお知らせは届きません。多くの母親たちは「定期接種は重要度が高く、親としてきちんと子どもに受けさせなければならない」という認識を持っています。

なぜ子宮頸がん予防ワクチンが定期接種に認定されたのか、その理由は明らかではありません。国のお墨付きである以上、安全なワクチンだと信じ、また定期接種であるからとして、多くの少女たちが何の疑いもなく予防接種を受けました。もしも子宮頸がん予防ワクチンが定期接種ではなく任意接種であったら。本当に子どもにとって必要なワクチンなのか、受けさせるべきかどうか、立ち止まって考えた家族もあったかもしれません。

これから始まる責任追及

子宮頸がん予防ワクチンによる健康被害の訴えを、国は因果関係が不明だとして、2年以上も救済制度の審査を行わず、事実上、放置の状態が続いていました。家族は先の見えない不安と治療費の負担を抱え、二重、三重にも傷つけられてきたのです。

そして先月、追跡調査を終えたということで、国は審査を再開。すでに自治体の中には独自の支援策を打ち出しているところもあり、ようやく救済に向けて具体的な動きがみられるようになりました。ワクチンを使用した国の判断は間違いだったのではないか。本格的な追及が始まるのはこれからのようです。

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