教えて!ブルボンヌ先生「ワガママと自由の境界線」
仕事も遊びもノリにノッてるアラサー女性。しかし人生の分岐点にさしかかると、「この自由を謳歌してもいいの? これってワガママ?」と不安になることも……。たくさんのオトコとオンナを見てきた女装パフォーマーのブルボンヌさんに、揺れる心を相談しましょう。
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彼氏の方が低収入

第26回 『彼氏の方が低収入』
大学の頃から付き合っている彼氏がいます。彼は院に進み、その後も大学に残って研究を続けています。私は社会人7年目で、今はプロジェクトリーダーを任されています。年々彼との収入格差が広がり、金銭感覚に差が出てきました。彼と別れて、生活水準が同じ人と付き合ったほうが幸せになれるのでしょうか。(29歳 通信会社営業)

彼氏のいいとこだってあるでしょ?

幸せになれるのでしょうか、って、そんなの分かるわけねーわよ! そもそも、高収入で仕事も充実してて彼氏がいても、金銭感覚の差を感じて「幸せじゃない」と思ってしまうアナタよ。たとえ金銭感覚が同じ人と付き合っても、今度はその中での別の不満に目が向きそうだし。どうなったって、幸せの確約なんてできないできない!

そもそも気になったのは、彼氏について「収入が低い」ことしか書いていないことなのよね。大学で続けてる研究をかってあげてるのか、とか、生活水準は違えど人としては優しくて大好きなのか、とか、彼への「想い」そのものは何ひとつ書いていない。恋愛関係の相談のはずなのによ。でも自分が「仕事でプロジェクトリーダーを任されている」ということは短い中でも書いてあって、彼氏と違って仕事をこなしてる自分は強調してるわけよね。

優劣の目線がどこかにあるんじゃない?

アナタにとってお付き合いってのは、両者の物理的条件の擦り合わせでしかないのかしら。そしてそれも、補い合ったり役割分担するものではなく、どっちがより立派に稼いでるか、みたいな優劣の目線で捉えることが大事なのかしら。

確かにいまだに男女カップルの女のほうが稼ぎが良い状況は、男女ともに気にする派が優勢だと思うわよ。女は「男がそんなじゃ頼りない」か「アタシのほうが稼いでると彼が卑屈になりそう」って気にするわけ。まぁ前者みたいな考え方の女は、男尊システムを良しとして生きてくんだろうし、後者は現実を見据えて彼氏にも気を遣っていると同時に、結局、どこかで彼氏のことを低く見てるんだろうなとも思う。

「アタシが稼ぐ」と肚を括った女たちだっている

もちろん、まだ少数派だけど、そのへんの呪縛から抜け出した女たちもちゃんといるわ。

オシャレ女流コミック作家の先駆け、桜沢エリカちゃんは「アタシが大黒柱になればいいのね」って気づいて、優しくてかっこいい専業主夫の旦那さんをゲットしたし、元AKBの川崎希ちゃんもアパレル会社の社長をこなしながら旦那のアレクサンダーをほとんど養ってる状態。

もちろん、こういう目立つ女性たちは職種もキャラも特別かもしれないけど、つまるところ「私のほうが稼ぐことがうまいんだから、彼氏にはその私を金銭面以外で支えてもらえればいいや」って思えるかどうかなのよね。だって、その感覚って男女逆転したら、昔から誰も文句を言わない当たり前のものなんだから。

収入が大事なら今の関係は不幸かもね

でもアナタはそうじゃない。男には女より稼いでいてほしい、と思う女性はまだ多数派だから、別に驚きゃしないわよ。でも「金銭感覚は違うけど彼の優しさは大好きだし」みたいな葛藤もほとんど伝わってこない、物理的なものの釣り合いだけで付き合いを決めたいのかしらって思えちゃう相談文には、うすら寒さを感じるわけ。このマテリアルガールめ!

そういう人なら、確かに稼ぎの悪い男と付き合い続けたら、ことあるごとに「この人に合わせたために、今日もこんな安い店でデート……」とか不満を感じながら付き合うことになりかねない。それはアナタもつまんないだろうし、彼氏もかわいそうよね。

だったら乗り換えちゃえば?

アタシ個人は、「こうなったらプロジェクトリーダーどころか女社長にまで上り詰めて、好きな彼をサポートしてやるわよ!」くらい思える女に惚れ惚れするけど、それはアナタには難しい感覚だろうしねぇ。

だったら、昔ながらの安心の位置関係、「女より稼ぎが良い男」に、「それだけの理由で」乗り換えちゃってもいいんじゃないのー。

冒頭で今度は別の不満に目がいくんじゃねーか、なんて脅したけど、本当に生活水準が合うことが重要で、それでおおむね幸せを感じられるタイプなのかもしれないしね。そういう女も確かにいるのよ。

幸せになれるといいわね!(棒読みぎみ)

●ブルボンヌ
女装パフォーマー、エッセイスト、タレント。新宿二丁目のゲイミックスバー「Campy! bar」をプロデュースするなと多方面で活躍。『週刊ニュース深読み』(NHK総合)『ハートネットTV』(NHK Eテレ)『ペケ×ポン』(フジテレビ)、『オンナnoミカタ』(NHKラジオ第一)などに出演するほか、関西テレビ『ゆうがたLIVEワンダー』水曜日コメンテーター、山梨放送 はみだし しゃべくり ラジオ『キックス』金曜日メインパーソナリティー、LaLaTV『LaLaネェのオススメ』ではMCを務める。『シティリビング』『ケトル』『LDK』『週刊金曜日』でも連載中。
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