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2014/03/12
女性だって性について語りたい! 米国AV女優・女性監督の主張と社会の反発

Sssh.comより

アダルトビデオ(以下AV)は女性にとってポジティブなものになり得るのだろうか?女性の体を「商品化」するとして、かつてはフェミニストからの批判の対象であったAV業界だが、米国では今、AV業界から社会に対し、問題提起する声が聞こえている。

性の話をオープンにできるように

先月末、米ニュースサイト『デイリー・ビースト』にて掲載されたインタビューにて、AV脚本家・監督を務めるケリー・ホーランドさんは、AVは女性が自身の性的欲求についてよりオープンに語れるようになるきっかけをつくりうる、と語った。ホーランドさんによれば、「性の話をするのは恥ずかしい」という思い込みのために、自分のセクシュアリティ(性的嗜好)についてパートナーとオープンに語り合えない女性が、いまだに多くいるという。

女性専用のAVサイト『Sssh.com』を15年前に創設したアンジ―・ロウンツリーさんも、サイト創設の理由を語る際、「女性たちが自らのセクシュアリティを安心して探ることができる場を作って、性に対して肯定的な気持ちを持ってほしかった」と、同様の問題意識をのぞかせた。

現役大学生AV女優に対するすさまじい「ネットいじめ」

米国の有名私立大デューク大学の学生でありながら、AV女優でもある女子学生も、AV業界を肯定する女性のうちのひとり。しかし、不幸なことに、この女子学生は今年1月に同大学生にAV女優としての立場を明かされてから、「ネットいじめ」の対象になってしまった。

同大学生らによってネット上に個人情報をさらされ、「自分の行動の対価を思い知らされるべきヤリマンだ」「売春婦」など、攻撃的な投稿を数多く寄せられる――。今回の騒動をきっかけに、彼女はメディアのインタビューに積極的に応じ、社会のセックス・ワーカーに対する扱いについて問題提起しているものの、すさまじいネット・バッシングは鳴りやまない。

彼女へのバッシングで示唆的なのは、社会的にタブーな仕事に従事している彼女を“制裁”する投稿と同時に、「彼女とヤることが卒業までの目標」「彼女とヤッった奴は報告しろよ」といった、彼女の体に対する欲望を下品な形で表現する投稿も多くみられたこと。このことから、デューク大学、ひいては社会全体の女性へのダブル・スタンダード(女性に対し、処女性の強要と性的な視線が同時に向けられること)がうかがい知れる、と同大学生新聞のコラムは指摘している。

女性が性を楽しむことを否定する社会

セックスワーカーとして働く彼女のモラルを批判する声と、彼女に性的視線を送る声は、根本的な部分でつながっているのかもしれない。女性は貞淑でなければならないという観方も、女性を「ヤられる」対象としてのみみる観方も、女性が自らの性と向き合い、自由に楽しむことを否定しているからだ。今回の騒動は、前述の女性AV業界人が問題提起していたように、私たちの社会の女性の性に対する向き合い方を再考する必要性を浮き彫りにしているのかもしれない。

ケイヒルエミ