佐村河内守だけじゃない! 世間を騒がせた虚言癖事件を、いま改めて振り返る

ほんの軽はずみで吐いたつもりの嘘が、メディアによって拡散され「虚言癖のある人物」として世に認知される――そんな「事件」が近年相次いでいます。直近では佐村河内守氏のゴーストライター問題が記憶に新しいはず。虚言が原因で大事になってしまった事件を振り返ってみましょう。

佐村河内守

「全聾の作曲家」「現代のベートーベン」として名を馳せていたのも今や昔。以前から「本当に全聾なのか?」という疑惑が一部で囁かれていましたが、決定的となったのが今年2月の新垣隆氏(43)の告発でした。新垣氏は約18年間にもわたってゴーストライターとして作曲を担当。クラシック界では異例ともいえる18万枚もの大ヒットを記録した『交響組曲第一番HIROSHIMA』(2011)も新垣氏が作曲したものでした。

CDの出荷・配信停止、自伝の絶版、さらには損害賠償請求にも発展。自身が蒔いた種とはいえ、かなりの大事になってしまいました。3月7日には2時間半にも及ぶ謝罪会見を開き、新垣氏を訴えるなどと発言。新たな火種を投入し、騒動はまだ収まりそうにありません。

武田アンリ

2月6日、女性ファッション誌『小悪魔ageha』(インフォレスト)で、過去に2回読者モデルとして登場した武田アンリさんが万引きの疑いで現行犯逮捕されました。

武田さんといえば、昨年2月に「武田信玄18代目末裔 23歳」と自称して誌面に登場したことで物議を醸しました。しかし、武田家家臣の子孫の親睦団体「武田家旧温会」は、「甲斐武田家正統家出身の方にそのような方はいらっしゃいません」(公式ブログより引用)と、あっさり否定。

反論文が出された翌日、彼女のブログは削除されましたが、同ブログには他サイトから引用した画像が数多く使われていたという指摘も……。

また、逮捕時には本名と28歳という実年齢も明らかとなってしまいました。ネット上では「『嘘つきは泥棒の始まり』って本当なんだ」なんて書き込みも。

森口尚史

やや古い事件ですが、iPS細胞・森口尚史氏の件も衝撃的でした。2012年10月11日、読売新聞が1面で「森口尚史客員講師らハーバード大研究チームが世界で初めてiPS細胞臨床治療を6人の患者に行い、その画期的な結果を国際会議で詳しく発表する」と報じました。後になってハーバード大が「そのような事実はない」と否定して、事態は複雑な様相を呈していったのです。

後日、森口氏は記者会見で「移植が実施されたのは1例のみで、残りの5例は間違いだった。つい勢いで嘘を吐いてしまった」と、主張の大半が虚偽であったと認めました。さらに、医師免許を持っていないのに、「医師資格保有者」として経歴を詐称していたことも波紋を呼ぶことに。

このほか、一般人のなかにも、虚言癖から生じた事件や自作自演はあります。

元彼に注目されたくて自傷

2011年12月、千葉県柏市で女子大生(20)が「男に刃物で切りつけられた」と虚偽の通報をして軽犯罪法違反で書類送検された事件がありました。警察が女に詳しく聞いたところ、「元交際相手の気を引きたくて嘘を吐いてしまった」と真相が明らかに。

ツイッター上でモテる女を自作自演

2012年に、ある女子大生がツイッター上に「配達員から告白された」という内容と、「ずっと好きでした!」などと書かれた伝票の裏の画像を投稿。これが拡散されるうちに、伝票が依頼主控えであるなどの矛盾点が明らかになり大炎上。さらに、この女子大生が複数の取り巻き男性を演じるアカウントを作り、モテているように見せかけていたこともバレてしまいました。

虚言癖の人の言動を見ると、「結果的に自分が苦しくなるのに、どうしてそんな嘘を吐いてしまうの?」と思うもの。彼らの心の闇とは何なのでしょうか。後編では心理学の専門家に嘘を吐いてしまう人の心理、嘘を吐かれる側の対処法について聞きます。

>>>【後編はコチラ】「キャラ立ちの時代」で加速する虚言癖 心理カウンセラーに聞く、虚言者とうまく付き合う方法

池田 園子