ノンフィクションライター・黒川祥子さんインタビュー

LINEいじめの実態とは 無法地帯と化すSNSから子供を救うために親ができること

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LINEいじめの実態とは 無法地帯と化すSNSから子供を救うために親ができること
子供をLINEいじめから救うためにすべきこと

黒川祥子さん

今やLINEはメールと同じくらい手離せないSNS。仕事関連はメール、友達とはLINEやフェイスブック、外部からの情報はツイッターで入手と使い分けている人も多いかもしれません。でもこのSNSがきっかけでトラブルに巻き込まれたりすることが多いのも事実。トラブルの真相解明に役立つこともありますが、引き金にもなりうるのがSNS。まさに諸刃の剣なわけです。

ノンフィクションライターの黒川祥子さんは、新潮45で“「LINEいじめ」と闘う“という記事(参考記事)を取材執筆。それは、LINEいじめで苦しんでいた女子中学生の両親が、同じくLINEを使っていじめ問題を解決に導いたというものでした。

親が知らない間に、目に見えない形で進んで行くLINEいじめ。ママ友がLINEいじめによって連続自殺した事件など、SNSの普及で、子供だけでなく大人の世界でもいじめが加速している感もあります。そこで、親は子供のSNS利用についてどう対処すればいいのかを軸に、黒川さんが取材を通して見てきたにLINEいじめの実態やそれを引き起こす原因について話を聞きました。

いまの中学生はSNSという無法地帯にいる

――黒川さんが取材された“「LINEいじめ」と闘う”という記事はとても学びの多い記事でした。学校も親も知らない間にLINEを通していじめが行われている現実。この記事のご両親は、自分もLINEを利用して、娘さんのお友だちと繋がって、信頼できる子からいじめの証拠を流してもらって解決へと進んでいきます。目には目をじゃないけど、LINEにはLINEで対処するという行動力が娘さんを救った。でもこの一件は氷山の一角ですよね。

黒川祥子さん(以下、黒川):いまの中学生はSNSという無法地帯に生きていると言えるのではないでしょうか。リベンジポルノのような恥ずかしい画像を拡散してのいじめも、親や学校が知らない間に行われているのです。子供たちはちゃんとしたIT教育をされないうちに、おもしろそうだとSNSの機能を使い始め、どんどんのめり込んでいる。これはきちんとIT教育をすることが絶対に必要だと感じましたね。

――親はなぜ安易にスマホを与えてしまったり、LINEをやらせてしまったりするのでしょう。

黒川:「みんながやっているから」と言われたり、部活の連絡がLINEを通して来たりするから、影響力を考えずに与えてしまうのかもしれません。親も、もっとSNSについて学ぶ必要があります。今の子供たちは大人の知らない世界へと行ってしまっているのです。

依存症の治療機関の先生に聞いたのですが、アルコール依存やギャンブル依存になるのは長い時間を要するそうですが、オンラインゲームなどのネット依存はあっという間になってしまうそうですよ。3、4か月で依存症になってしまう。女の子は主にスマホ依存ですね。LINE、ツイッター、フェイスブック、あらゆるSNSをやって勉強しなくなる。学校へは行くけどスマホも持っていきますから、やめられないのです。

加害者の親は子供と向き合っていない

――でも子供からスマホを取り上げたら、それはそれで反抗してくるでしょうし、どうしたらいいのでしょう。

黒川:治療機関の医師もおっしゃっていましたが、小学校の内からスマホの利用法、ITに関する教育をしっかりしていくこと、危険性も伝えていくことが必要だと。そしてスマホを与えるのなら、最初に家族でルールをしっかり作ること。スマホ利用は夜8時まで、後は親に渡すとか、LINEをするならタイムラインを非表示にしないなど、親がすべて把握できるようにしておくことですね。いきなり取り上げるのではなく、親と子供で向き合って話し合い、約束をすることが大切ではないでしょうか。

「LINEいじめ」の記事を取材していたとき知ったのですが、いじめている加害者の生徒の親は、まったく子供と向き合っていませんでした。子供は大人をなめていて、学校の成績さえよければ何をやってもいいと思っているんですよ。門限もないから、夜中まで遊び歩いていたりして。親も子供は手を離れたと思って残業したり、飲みに行ったりしてしまうのですね。

それで子供は悪事がバレると、いじめている子のせいにしていました。「あの子の影響でやった」と。でもその子は全く関係なかったんですよ、彼女の家は門限8時でしたから。それでも加害者生徒の親は自分の子供を信じてしまう。親の前では成績もよい、いい子だからです。親子がちゃんと向き合っていないからこういうことになるのでしょう。

育児をスマホに頼らず、体を使って遊ぶことが大事!

――最近は、小さいうちからスマホで遊ばせたり、子供だけ公園の遊具で遊んでいて、親はスマホを見ていたりという光景もよく見かけます。

黒川:いますよね、子供がグズるとすぐスマホで遊ばせたりして。最近は子供と一緒に体を使って遊ぶ親がいなくなったのではないでしょうか。私は息子が小さい頃、必ず一緒になって遊んだり、キャンプに行ったりしました。今の子はそういうリアルな体験が少ないような気がします。やはり小学生くらいの頃はゲームをするより、外で思い切り体を動かすことが必要なのです。思い切り走り回ったりしてね。そうやって体が鍛えられていったり、遊びを考えるようになったりして、いざというとき踏ん張れるようになると思います。

最近、電車や道端で座り込んでいる若い人が多いでしょう。あの子たちはリアルな実体験をあまりしていないんじゃないかな。あんな風にすぐ疲れてどこでも座っちゃうなんて、体幹が鍛えられていないからなのではと思ってしまいます。また、リアルな遊びの体験をしていない子に限って、ゲーム依存にもなりやすいと治療機関で聞きました。

――確かにリアルな体験は絶対に必要ですよね。ただ親も子供もこれだけSNSが普及してしまうと、やめるということはできない。また情報も多すぎて、とまどっている親も多いと思います。

黒川:本当に今の親は大変かもしれません。情報を取捨選択していくこと、情報に振り回されないことですね。そのためにも「わが家はこういうルールでいく」と決めたらブレないことが大事でしょう。

あとは私が取材をした“「LINEいじめ」と闘う”のご両親のように、SNSを武器にするくらい学んでおいた方がいいですね。中高生のスマホやネットについてはまだまだ親が介入していかないと……と思います。成人するまでちゃんと管理しないと、先にも言ったようにネット依存症は数か月でなってしまいますからね。受験も就活もネット依存やSNSいじめひとつでダメになってしまう時代です。子供を守れるのは親しかいないのですから、ちゃんと子供と向き合って、乗り越えていってほしいですね。

ネット依存の恐怖は、子供に限らず大人でもあっという間に落ちてしまう闇。みなさんが親になったとき、しっかりと子供を守ってあげられるように、自身のSNS生活も見直してみるといいかもしれません。

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