教えて!ブルボンヌ先生「ワガママと自由の境界線」
仕事も遊びもノリにノッてるアラサー女性。しかし人生の分岐点にさしかかると、「この自由を謳歌してもいいの? これってワガママ?」と不安になることも……。たくさんのオトコとオンナを見てきた女装パフォーマーのブルボンヌさんに、揺れる心を相談しましょう。
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恋愛が怖いクソ甘脳内スイーツ女の人生相談

第20回 恋愛が怖い
もう7年も恋愛をしていません。元々モテるほうじゃないし、顔も普通です。素敵な男性が現れても「どうせ私なんか」と思ってしまい何もできません。最近は男性の欠点ばかりに目が行き、みんなダメ男に見えてしまいます。でも恋愛はしたい。そんな私はワガママでしょうか(34歳・通信会社勤務)

イイ男が怖いのに、高望みって矛盾

うーん、ハッキリしないわねぇ。この連載のお仕事って、いただいた数行の相談文だけがヒント。そんなちょっとの文字の中から、相談者ちゃんの状況や性格を読み取っていかなきゃいけないんだけど、あなたってばその貴重な数行の中でも、もう薄ぼんやりとしちゃってんのよね。それがそのまま焦点の定まらない悩みにつながっちゃってるかんじ。

だって、素敵な男性が現れても「どうせ私なんか」と思ってしまう自信の無さが問題かと思いきや、続けて「男性の欠点ばかりに目がいき、みんなダメ男に見えてしまう」要求の高さを挙げてるでしょ。どっちやねんて! てか、まとめると「7年空き物件の特にウリのない34歳が、いい男を見るたび卑下しつつも、基本、男の欠点ばかりを見ています」ってことだから、字面だけでもけっこう厳しい状況よね。

今のあなたが、イイ男に対して「どうせ私なんか」と思ってしまうのはまぁ仕方ないかもしんない。アタシも基本は「イケメン怖い症候群」の気があるほうだから分かるけど、あまりにも釣り合いが取れない上玉を前にすると、「欲しいけど手に入らない」現実を突きつけられるようで、自分自身がイタいのよね。本当は人のシュミも相性もいろいろだから、確率は低くても絶対に不可能とは決められないはずなんだけど、自分の中ではもう試合を棄権しちゃう気持ちになっちゃう。そこは、いいわよ。

逃げ腰の「自称・お姫様」に王子様は来ない

問題は、そういう特例以外では、男性の欠点ばかりが目につくっていう、逆ギレみたいな感覚のほう。普通に考えて、自分の欠点ばかり見てくる女に、わざわざ魅かれる男はいないわよ。あなた自身、素敵な男に相応しくないと自覚してるほどに欠点だらけなんだから、そりゃ男たちサイドだってそんなもんだろうに。

人間の欠点なんて、つまずくたびに自分自身が責め、勉強や仕事でも親や上司から落ち度を責められるものでしょ。みんな完全じゃないのは生きてれば思い知ってるわよ。なのに恋愛でまで、わざわざ欠点を責める目線から入ったんじゃ、始まりようがないわよね。

今じゃあまり良い言葉じゃないけど「恋は盲目」なんてことわざがあるのも、そもそも恋というのは相手の欠点が見えなくなること、って証拠。

結局あなたは、(自分で思うところの)とくに取り柄もないイイ年こいた女、になってしまった現実の中で、「イイ男」にしても「欠点だらけの男」にしても、全部理由をつけて逃げてるだけなのよね。

イイ男だからこそ、死にもの狂いでモノにしてやる!とも、人間だから欠点はあるけどアタシは魅力的な部分を知ってるわ!ともならない。

そんな逃げ腰の女は、昔ながらの「白馬に乗った王子様」が現れるのを待っちゃうのかもしれないけど、ただでさえ「俺の姫を見つけてやる!」みたいな気概をもった男たちがどんどん減ってる中で、わざわざ、他人の欠点ばかり見てる特にウリのない34歳を迎えに来る王子様ってどんな物好きなのよって話。

自己評価の低さはただの言い訳

少女マンガとかによくある「何の取り柄もない平凡なアタシ」が、なぜかイケメンの御曹司に見初められちゃったり、セレブ男子だらけの中の紅一点になって取り合いされたり、ってのは、現実にはありえないクソ甘な脳内スイーツだかんね。

でもきっとあなたが「なんとなく」したい恋愛ってのは、そういう都合のいい理想に近いんじゃない?

現実の恋愛は、あなたと同様に、きわだった魅力なんてそれほどなさそうなお相手の、それでも、あなただけは知っているとても魅力的な面を見つけていくこと。

他人の魅力を見る目を持てない人間に、他人を愛せるはずもないでしょ。

「自分なんか」と思うことも「この人って欠点だらけ」と思うことも、全部を低く評価することで言い訳してる逃げよね。

今までそうやって引き算ばっかりしてきた分、まずは「自分も捨てたもんじゃない」「この人ってここはステキ」っていうプラス目線を取り入れていかないと、この先どんどんドツボにはまっちゃうわよ。

あんたもキズモノ、相手もキズモノ、で、釣り合いがとれていいじゃないのー。キズも見方を変えれば味のある模様。キズ込みの他人に興味を持って、自分のキズも晒していけば、人との触れ合い方も変わるんじゃない?

●ブルボンヌ
女装パフォーマー、エッセイスト、タレント。新宿二丁目のゲイミックスバー「Campy! bar」をプロデュースするなと多方面で活躍。『週刊ニュース深読み』(NHK総合)『ハートネットTV』(NHK Eテレ)『ペケ×ポン』(フジテレビ)、『オンナnoミカタ』(NHKラジオ第一)などに出演するほか、関西テレビ『ゆうがたLIVEワンダー』水曜日コメンテーター、山梨放送 はみだし しゃべくり ラジオ『キックス』金曜日メインパーソナリティー、LaLaTV『LaLaネェのオススメ』ではMCを務める。『シティリビング』『ケトル』『LDK』『週刊金曜日』でも連載中。
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