「妊娠しないように責任を持って」 女性同士の対立も招く、マタハラ被害の実態

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「妊娠しないように責任を持って」 女性同士の対立も招く、マタハラ被害の実態

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働く女性が妊娠・出産することは普通のことであるにも関わらず、職場でのマタニティハラスメント(マタハラ)が問題になっています。マタハラとは、妊娠・出産を理由に解雇や雇い止め、本人の意思に反する降格などの不当な扱いをしたり、自主退職を選択せざるを得ないように仕向けることです。また、直接雇用や人事に影響がない場合でも、心無い暴言や嫌がらせによって、精神的・肉体的苦痛を与えることもマタハラになります。

保険クリニックの調査によると、妊娠・出産した女性500人のうち、こうしたマタハラを実際に経験したことがあると答えたのは80人で、全体の16%に及びました。その内容については、解雇の打診(33人)や暴言(24人)以外にも、「立ち仕事や重労働をさせられた」という人が10人もおり、妊娠中の女性の心と体を傷つける、酷いマタハラの実態が伺えます。

マタハラ問題について、ウートピ読者はどのように捉えているのでしょう。マタハラを行う側と受ける側の両方から、女性の本音に迫ってみたいと思います。

【アンケート】あなたの職場に“マタハラ”はある?

※サンプル数:462人(8月6日現在)
※ウートピ世論調査結果より(投票結果はコチラ

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<アンケート結果>
「あると思う」・・・・・71%
「ないと思う」・・・・・29%

「本当に気持ち悪いの?」 上司からの嫌み

※回答はわかりやすいよう一部表記を変更しています/すべてのコメントはウートピ世論をチェック

ウートピ世論では、マタハラについて「ある」と回答した人が71%にものぼりました。先述の保険クリニックの16%という結果と比較すると、かなり大きな数字です。マタハラは決して、一部の職場に限られたことではないようです。

・妊娠を総務に報告したら、辞めたらどうかと勧められた。妊娠する事が悪い事のように感じた
・上司が妊娠に対して全く理解がなく、本当に気持ち悪いの?と嫌みを言ってきたり、なんの軽減も処置もしてもらえなかった

「助産師ですが今マタハラを受けています」

一方で、男性上司以外の、同じ立場であるはずの女性によるマタハラ被害の声もあがっています。

・私は産科病棟で助産師をしていますが、今マタハラを受けています
・幼稚園の先生は、一年間責任を持って妊娠をしないように気を付けることが当たり前のように言われています
・看護師の人手不足で無理な勤務をさせられている人がいました。(妊娠・育児の)経験者であるはずの上司が業務を第一と考えているので、スタッフや子供の不調などは自己管理ができてないと見なされ、とても怒られます。なんとしてでも仕事に来いと…

ウートピ世論の以前のアンケートでも、同僚の妊娠に喜べないとした女性は4割にものぼり、「無責任」「迷惑」などという意見が散見されました。妊娠を「迷惑」と捉える人の多くは、周囲がその分の業務を負担しなくてはならなくなることを懸念しています。かつてマタハラの加害者だったという女性は、当時の気持ちの変化をこう語ります。

・私はマタハラの加害者でした。先輩がつわりで頻繁に休み、業務のしわ寄せがすべて新人だった私に来ました。あまりのプレッシャーに精神的に追い詰められ、先輩に冷たい態度をとってしまいました。今でも先輩と交流があるけど、お子さんを見るたびに当時のことを思い出し申し訳ない気持ちでいっぱいになります

立場が変わると、見方や感じ方も変わるものなのかもしれません。

「ないと思う」の意見から見える解決策

・正直妊娠して迷惑がかかるのは本当のことだし、妊娠によって軽い仕事にしてもらうとか、違う職種になりたいとかなら、辞めて違う仕事を探すのが当たり前だと思う。だって、就職の時に求人表に書いてある内容ができないなら、契約違反だし仕方ないと思ってしまう。都合のいい時に男女平等というのなら、女の人は妊娠したからといって甘えるべきではない。私は妊娠して早産になったけれど会社のせいだとも思わないし、会社に対して裁判起こすなんて信じられない。結局は自分の責任。男女平等を訴える人ほど、〇〇ハラって言葉を作って、女性として甘えようとしているみたいに感じる。女性はもっと強くなって自分で自分を守るべき!

仕事とは会社との契約関係を順守するということであり、マタハラを訴えるのは甘え……というこの意見には、多くの賛同が集まっていました。けれどその一方で、マタハラとは無縁の職場もあるようです。

・私の職場は、ちょうど私のお母さんと同世代くらいの方ばかりだったので、協力的だった
・大変良くしてもらった。快く休暇ももらえたし、育休も上司からすすめられたくらい。本当に感謝しています。頑張って就活したかいがありました
・公務員なので代替職員の確保もしてもらいやすく、お互い様的なところがある

ごく当たり前のことですが、相手の立場にたって物事を考えるというだけで、マタハラはなくせるのかもしれません。職場から温かいサポートを受けることで、仕事へのやりがいや、後に続く後輩への配慮も深まると思います。

NPO法人マタハラNet代表の小酒部さやかさんは、マタハラ問題を「古くて新しい問題」と指摘しています。日本社会に潜在的にあったマハタラは、多くの女性たちが声をあげることによって社会問題として意識されるようになりました。「全国コミュニティ・ユニオン連合会」は8月9日の10時~20時の間、電話相談窓口「マタハラホットライン」を開設します。まずはマタハラを見過ごさず、声をあげることから、社会は変わっていくのかもしれません。

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