教えて! ブルボンヌ先生 「ワガママと自由の境界線」 第17回 両親の熟年離婚

「お母さんだってひとりの女よ」 熟年離婚した母が許せない女の人生相談vol.17

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「お母さんだってひとりの女よ」 熟年離婚した母が許せない女の人生相談vol.17

熟年離婚した母が許せない女性のお悩み

第17回 「母が許せない」

両親が熟年離婚をするそうです。父が定年退職してからギクシャクしていたそうですが、私は全く知りませんでした。父は無口で無趣味、真面目が唯一の取り柄です。そんな父を今さら捨てる理由が理解できません。離婚が決まってから母は楽しそうです。私たちを捨てて、人生を楽しもうとする母を許せない私はワガママでしょうか。(34歳・会社員)

立派に育ててもらったんでしょ

「母が許せない」ってタイトルのお悩みだったから、てっきりここ数年話題になってる「毒母」問題かと思ったら、なんだ、熟年離婚をされたってだけなのねぇ。

なんで許せないのかしら? あなたはもう34歳なんだから、多感な時期は立派に育ててもらって、今は成人後なわけよね。それなのに、お母さん本人が離婚をしたいと思った気持ちよりも、そうすべきでないという子供のあなたの気持ちに従うべきなの?

無口で無趣味で、真面目が「唯一の」取り柄のお父さん。擁護してる側のはずのあなたでさえ、まるでお父さんをつまらない人間のように言ってるわよね。そんなお父さんとお母さんが何十年も夫婦生活をやってこれたのは、もしかしたら、あなたを一人前にするまではって思いがあったのかもしれないわね。

63歳でオネエを自覚する人だっている

ちょっと違う話かもしれないけど、以前、うちのお店に63歳の老紳士がいらしたの。てっきり新宿2丁目のベテランおじ様だと思ったら、実は最近のLGBT情報に触れて、ずっと心の中に秘めていた「自分は本当は女性として振る舞いたかった」想いに気づかれた方だった。お子様も社会に送り出して、いろいろ落ち着いて還暦を超えた今、自分の想いに正直になろうって初めて2丁目に来たんですって。

その時はアタシも「ちょ、ちょっとスタート出遅れちゃったかもしれないけど、この後はネエさん楽しんで!(残り少ないかもしんないけど!)」なんて心配ぎみに笑ってたんだけど、3か月後になんと、その方が上品なご婦人になって現れたのよ。さらに半年後には、今度は姪っ子さんとご一緒にいらしたり、その全てが解放されたような穏やかな笑顔で満たされていて、本当に良いものを見せていただいたわ。

お母さんだってひとりの女

お母さんもお父さんも、子供からしたら偉大だし、社会からしたら責任重大よ。でも結局はいろんな事情と想いを抱えた、ただの女と男でもあるのよ。

たとえば、63歳で女装に目覚めたお父さんを、もしかしたら奥さんやお子さんは、「許せない」かもしれないし「親戚やご近所への恥」と思うかもしれない。でも、一番責任が重い子供を育てあげるまでの時期は、自分自身の欲望よりも、お父さんとしての責任を果たして生きてきたってことでもあるでしょ。たとえ彼の本当の奥さんや子供が、裏切られたと思ったり、恥だと思ったとしても、アタシ個人は、彼が人生の最後を自分自身に悔いなく過ごそうと行動を起こし、それを心から楽しんでいる姿はステキだと思うし、恥だなんて思わないわ。ビジュアルも綺麗にまとまってるし!(そこも重要)

時代や環境の中で一旦選んでしまった道があったとして、その責任を感じながら全うするのは立派なことよ。でも「頃合い」を見て自分自身の人生も楽しみたいと行動を起こすことや、新しい自分を楽しもうとする心も、生き生きとした人間らしさだと思うけどなぁ。

あなたがお父さんの側にいてあげればいい

もちろん、相談文を読む限り、あなたも認める魅力のないお父さんが切り捨てられてしまうのは悲しいこと。でも、「父が定年退職してからギクシャクしていた」点について、あなたは別に何もしなかったわけよね。そんなつまらないお父さんが、定年退職して家にいる間、どの程度意味のある夫婦関係を築けていたのか。もしかしたら、お母さんが心底ガッカリするような出来事があったのかもしれない。数十年間の積み重ねが、ずっとこの人のそばにいたい、ではなく、「もうこの人の世話だけで一生終えるのは無理だ」と思わせてしまったのだとしたら、お二人はそういう関係だったのよ。そして、そんな時に女ってのは生命力が強いってこと。お母さんは、子育ても、定年退職までの世話も全てしたのだから、残り少ない時間を、自分らしく生きましょうって選択をした。

お父さんがかわいそうだと思うのなら、お母さんのかわりにあなたがもっとそばにいてあげれば? 「私たちを捨て人生を楽しもうとする母が許せない」ってのは「私たちのために母が人生を捨てるべき」と言っているようにも聞こえるわ。ギクシャクしていた時も決断を聞いた今も、そこにある想いをきちんと知ることのできない関係性のようだから、今さらお母さんと腹を割って話すこともないのかもね。それはそれでいいけれど、だったらそれぞれがいい大人なのだから、大人の人間同士としてお母さんの決断をもう少し広い心で見てあげたら?

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