『「結婚」を手放したらかえってラクになりました』著者・カタノトモコさんインタビュー

3年同棲した彼と結婚目前で別れたらどうする? 経験者が語る、結婚をゴールにしない考え方

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3年同棲した彼と結婚目前で別れたらどうする? 経験者が語る、結婚をゴールにしない考え方
「結婚を手放したら楽になった」女性漫画家

カタノトモコさん

アラサー世代でお付き合いしている彼がいると、この人と結婚するのかな? そろそろプロポーズがあるのかな? 結婚式は……なんて妄想がふくらみますよね。ところが、あれれ30歳の誕生日を過ぎてもプロポーズがない? えっ、今はまだ結婚したくない? じゃあ、いつ結婚するの? もしも自分がなんとなく描いていた人生プランがガラガラと崩れていったら、どうしますか?

「結婚」を手放したらかえってラクになりました』(KADOKAWA)は、イラストレーターのカタノトモコさん(32歳)が、27歳から付き合い、同棲をしていた彼と30歳で破局。それを機に大阪から上京し、“結婚”に支配されていた人生から脱け出して東京で新しい人生を送る、そんな自身の葛藤を描いたコミックエッセイです。物語の主人公であるカタノさんに、コミックで描ききれなかったアラサー女性の結婚に対するリアルをおうかがいしました。

3年間同棲後の30歳の誕生日、プロポーズしてくれなかった彼に幻滅

――衝撃的なタイトルの本を出されましたね(笑)。

カタノトモコさん(以下、カタノ)
:担当の編集者さんが提案して下さったんですが、私も最初にこのタイトルをいただいた時は驚きました。親が見たら泣きそうなタイトルですよね(笑)。兄からは「お前はなんちゅう本を出したんだ。大丈夫か!」と心配されました。ただ、この「手放した」という意味は、結婚をあきらめたとか、結婚しないと言っている訳ではなくて、結婚から解放されたということなんです。

――「むしろ結婚したい」と書いていらっしゃいますよね。ただ、アラサー世代にとって、手放すという心境に至るまではなかなか大変だと思います。どうしても、出産のことを考えると、焦ってしまいますよね。

カタノ:そうですね。29歳の時が結婚に対してにいちばん焦っていました。周りもどんどん結婚していくし、彼と長く同棲していることを知られているので、「どうなの?」「結婚できない理由が何かあるの?」と聞かれてしまうんですよね。でも、私には結婚をしない理由なんてないし、いつしてもいいと思っている。でも、彼からのプロポーズがない。そのことを伝えないといけなくて、辛かったですね。

その頃は親が同世代の方と孫の話をしている姿を見てると、私に直接言ってはこないものの、心の中では、「早く孫が見たいんだろうな」と勝手に思ってしまったり、ちらっと見られただけで、私が結婚できないことを言われているように感じたり。友達に「結婚がすべてじゃないよ」と励まされても、「わかってるけど、違うんだよ!」とイライラしてしまい、どこか抜け出せない沼にはまっているような感じでした。

――そんな葛藤の中、30歳の誕生日にも結婚をスルーされてしまうんですよね。

カタノ:30歳の誕生日は、プロポーズ待ちの女性にとって最後の砦ですよね。私の場合、27歳から付き合って、3年間同棲しての30歳。本当に結婚するには、これ以上ない良いタイミングですよね。ですから、30歳の誕生日でさすがにプロポーズがくるだろう、と期待していたのに空振りされて……。それで「この人は本当に私のことが好きなのかな?」「私のことをどう思ってるんだろう?」とか、そういう気持ちが大きくなってしまったんです。結婚という決断ができない彼は、男として大丈夫だろうか。そんな風に考えるようになり、どんどん幻滅していきました。

今思うと、とっくに彼を好きだという気持ちはなくなっていたのかもしれません。ただ、その頃は結婚しなければ、ということに支配されていたので、ロマンチックな情景も、キラキラ輝く指輪もいらない、「結婚しよう」そのひと言で、私はその人のことを大好きになる、と思っていたんです。

彼との別れをきっかけに上京を決意

――誕生日の後はどうなったんですか?

カタノ:それからは、かわいらしく「結婚したいね」と言えなくなってしまい、「結婚しないの?」「いつするの?」と彼のことを攻めるようになっていきました。もうお互いが好きだから結婚したい、という思いがなくなってしまっていたんですよね。それで、向こうも余計に嫌になって、「結婚をしないなんて言ってないじゃん、ちゃんと考えてるよ!」と反論され、言い争いが増えていきました。彼としては結婚したいと思う絶頂の時にプロポーズしたい、ということだったんですが、私にはこれから先にそんな日はもう来ないと思ったんです。

それで、ついに彼に別れるか、結婚するか、「今」選んでほしいと迫り、「この状況で結婚するなんて言えない」と言われ、振られました。彼が「結婚したくない」という意味で言ったのではないとはわかっていたものの、ここまで言わせても、まだそっちを選ぶんだということが悲しくて、ものすごくショックでした。

けれど、我に返ったら、新しい一歩が踏み出せるんじゃないか? ということを大きく感じ始めたんです。そのことに気がつき、別れてから数日ぐらいで立ち直りました(笑)。辛いんじゃないか、といろんな方に心配されたんですが、別れるまでの半年ぐらいが、「なんで私じゃダメなんだろう」とか自分を責めて、苦しくてしょうがなかったので、別れを決めた後は、「よしっ、やった」という気持ちの方が大きかったです。

――意外とすっきりするんですね。上京はすぐに決断されたんですか?

カタノ:すごく早かったです。東京で仕事をすることにずっと憧れていたんです。何年も前から東京の方と仕事のやりとりはしていて、行きたいなという気持ちはありました。ただ、大きなきっかけも勢いもなく、結婚がちらついていたので、実際に行くことはありませんでした。

上京を決めたきっかけは、ツイッターに「引越先をどうしようかな?」と書き込んだら、「東京にきたら?」というメッセージがぽんぽんと入ってきて、「ハッ、東京! いいじゃん東京」とすごく思って。ここ数年の辛かった気持ちとか、モヤモヤしていた気持ちをすべてなくせるのは、それぐらいの行動力だと思ったんです。「東京に行こう、やるぞ」と決めたら急に楽しくなってきました。

もちろん不安もあったので、インターネットで“30歳”“上京”と検索したりもしました(笑)。そしたら、30歳をすぎて福岡から上京した女性のブログがヒットして、「めちゃめちゃ楽しい」「福岡だと行き遅れだったけど、すっげーモテる」と書いてあって、これは希望があるなと!

実際に東京に来てみたら、「まだまだ若いよ」と言ってもらえるし、好きなことを仕事にしている方がいっぱいいるので、イキイキと働く方にたくさん出会えて、とても楽しいです。私が東京に憧れが強すぎて、キラキラして見えたのかもしれないですが、自分にとっては、すごくいい刺激になったので、環境を変えることは本当に大きいんだなと思いました。

私もこういう風になりたいと思える素敵な人を見つけるといい

――カタノさんの場合、上京ということがひとつ「結婚しなきゃ」という沼から抜け出すきっかけになったと思うんですが、それ以外に何か人生を立ち直す方法はありますか?

カタノ:お手本としたい人生を歩んでいる人を見つけて、羨ましいという目線じゃなくて、私もこういう風になりたいと思える素敵な人を見つけると、いいのかなと思います。それが幸せへの一番の近道のような気がします。

それから、最近一方的に好きな人ができて、中学生の時みたいな恋愛をしています。以前は結婚できる相手としか付き合わない、と考えていたんですけれど、彼は私よりもだいぶ年下なので、最初から結婚も何も求めていない。誕生日聞けた……とか、それだけで幸せです(笑)。やっぱり人を好きになるって、いいですね。

――これから30歳を迎える、彼氏持ちの女性たちにアドバイスするとしたら何かありますか?

カタノ:難しいかもしれませんが、同棲をする時は、「3年後に結婚するぞ」とかちゃんと約束の日を決めてから始めた方がいいと思います。同棲すると、やっぱり勝手に結婚を期待しちゃいますからね。私の場合、「結婚相手として試されている?」なんて思って、家事をいろいろ頑張りすぎてしまい、仕事とうまく両立できずに、キャパオーバーしてしまいました。

さらに、20代後半から何年も一緒に住んで結婚が決まらないと、自分の親が相手に対しての印象をみるみる悪くしてしまい、「そんな人でいいの?」と思われてしまう。よほど誰に何と言われようと構わないという自分の精神を保てる人ならいいんですが、よく考えた方がいいと思います。

――最後に結婚に向けてジタバタしているアラサーに向けて、メッセージをお願いします!

カタノ:私なんぞが人様に言える立場ではないんですが、仕事や趣味、好きなことをして、まずは自分の人生を楽しんでください。結婚や出産は二の次にするような気持ちで、楽しんでる人生にそれがついてきたら、やったねと思っているぐらいのほうがいいのかなと思います。

それから、結婚を考えている方は「今、結婚がしたい」というタイミングに自分から相手に伝えてもいいと思います。それで今じゃないと断れたら、彼の気持ちを大切に待つのも良いと思うけど、さっさと次に行くのもありだと思います。結婚のタイミングが合わないと、お互いに関係が悪くなってきてしまいますから。苦しむだけ苦しんだら、楽しいことも待っています。人生、楽しんだ方がいいですよね。

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