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2015/07/15

通勤中のスマホゲームで脳が寝る?

ニンテンドーDSの人気ソフト「脳を鍛える大人のDSトレーニング」を監修した東北大学の川島隆太教授が『ホットケーキで「脳力」が上がる』(小学館)を上梓しました。本書では子どもの脳と生活習慣についての提言がまとめられていますが、今回は、脳の最新研究から、大人の脳を効率的に働かせるために、避けたい生活習慣について教授に伺いました。

    1.通勤中にゲームをすると“脳が寝る”

20年以上前、「ファミコン」が流行した当時から、脳とコンピュータゲームの関係について研究している川島教授によると、ゲームは操作に慣れると大脳の「前頭前野」が抑制状態になるそうです。「前頭前野」は、人間らしく考えて行動するために最も大切な役割を担う部分。では通勤中のスマホゲームについてはどうでしょうか。

「スマホゲームも前頭前野が働かなくなる、いわば“脳が寝る”状態になり、その後1〜2時間は、言語的な情報処理や作業の効率が下がります。朝の通勤中にスマホゲームをする人は、会社に到着してからも脳の抑制状態が続いていると考えられます。どうしてもスマホゲームをしたいなら、帰りの通勤時間が良いでしょう。ただし、視覚情報処理をするクリエイター、アート関係の方は、ゲームにより視覚情報処理の脳が働き、作業効率も良くなるという結果が出ています」。

    2.スマホの画面を通した「語学学習」は非効率的

通勤中にスマホで、英語を勉強する人もいます。それなら、「脳は寝ない」のでしょうか。

「スマホでの語学学習については、まだ証明がないので何とも言えませんが、語学学習については、手軽なオンライン学習よりも、語学教室など直接先生と対面して学ぶ方が、学習効率が上がると考えています。勉強する内容は同じでも、画面が間に入ると脳はリアルなコミュニケーションとして認識せず働きが悪いんですね。また“わざわざ”通う、時間をやりくりして通う、など苦労した方が学習効果が高いと実証されています」。

    3. SNS、グループチャットは時間のムダ

画面を通したコミュニケーションと言えば、LINEやFacebookなどのSNS。これについては?

「LINEなどのオンライン無料コミュニケーションアプリについては、決まったフレーズ、スタンプなどで手軽にやり取りができますが、脳はほとんど働いていません。さらにグループチャットになると、なかなか終わることができませんよね。時間の浪費と、スマホ中毒になる恐れもあるので、時間を決めて使うことをおすすめします」。

    4.朝ごはんは「おにぎり」だけではダメ

スマホゲームをしていなくても、朝はやる気がでないという方も多いのでは。川島教授は毎日の朝ご飯を見直してみては、と言います。

「脳の神経細胞が働くためにはブドウ糖が必要と言われていますが、その元となるデンプン質が多いおにぎりだけを食べても、脳の働きが活性化しないことがわかりました。しかし、そこに主菜・副菜をつけると、必須アミノ酸のリジンやビタミンを補うことができ、脳の働きは良くなります。バランスの良い食事が大事なんですね。

また年収700万円以上の人80%が毎日朝ご飯を食べていましたが、年収300万円以下の人は75%ほどと若干低いんです。また朝ご飯を食べる人の方が、午前中の“やる気”があることもわかりました。朝、時間がなくても、前日の晩ご飯を温めるだけでいいので、ぜひ朝ご飯を食べてみてください」

「脳を鍛える」なんて大変そうですが、スマホゲームは夜、朝はご飯を食べる、と手軽にできることもあります。午前中の“ダルさ”に悩んでいる方は、脳科学の最新研究結果を試してみてはいかがでしょうか。

(編集部)

●川島隆太(かわしま・りゅうた)
1959年千葉県千葉市出身。東北大学医学部卒業。同大学院医学系研究科修了。スウェーデン王国カロリンスカ研究所客員研究員などを経て、現在、東北大学教授。医学博士。元文化審議会国語分科会委員。脳のどの部分にどのような機能があるのかを調べる「ブレインイメージング研究」の日本における第一人者。著書も多数。
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