世界の色々な夫婦別姓事情とは?

実は今イギリスは結婚後、夫が女性側の名前を名乗ったり、互いの名字をミックスするというスタイルが少しずつ増えてきているといいます。

彼女の名前と名字の響きがとっても好きだった

イギリス人男性で音楽関連の仕事をしているBen Martinさん(32) は、奥様側の名字を引き継いだ男性の1人です。

彼はそのことについて 「ただ僕は、彼女の名前と名字の響きがとっても好きだったんです。その美しい響きを壊したくなかったんですよ」と、特別大きな理由があったわけではないことを語っています。

ただし、彼の家族はそのことに意義をとなえたそうです。Benさんの妹は、Benさんが結婚して彼の名字を名乗らなくなることで、一家の名前が引き継がれなくなることを心配したそうです。たしかに、この妹さんの意見は日本人にも共感できる点だと思います。

ところが、そんな妹さんもBenさんの意見にすぐに納得させられたのだとか。Benさんはそのことについてこう語っています。

「僕は妹に『名前が一体なんだっていうんだい? 本当にそれはささいなこどで、何かの違いを生み出すとは思えないよ』って言いました。『家父長制なんて僕は支持しないし、僕は僕でいられるだけで十分だ』ってね」

2人の名字をくっつけて新しい名字をつくる

Benさんの他にも、日本では考えられない画期的な結婚後の名乗り方をしているカップルがいます。

イギリスの放送局BBCのプロデューサーであるAndy BrownさんとHelen Stoneさん。実はこの夫婦は2人の名字をなんとか残そうと考えた末、名字をくっつけて新しい名字をつくることにしたというのです。その名も「Brownstone」。そのまんまくっつけただけだけれども、運良く名字が合体できた例です。

こんな例がある中でも実際、イギリスでは夫婦同姓を名乗る確率は80%と圧倒的に多い現状があるそうです。

夫婦別姓は仕事上の自分のブランドを守る意味がある

ハーバード大学の経済学者であるClaudia Goldin氏によると「1970年代に大学を卒業した教養のある女性たちがフェミニズムの影響を受けて夫婦別姓を名乗る動きが見えだしました」とのこと。

またシリコンバレーを拠点にする心理学者のKathryn Welds氏によると 「夫婦別姓を名乗ろうとする女性は、精神的な意味よりもどちらかというと実務的な意味で自分の名字を名乗ろうとします。その方が仕事上便利であること、また仕事上の自分のブランドを守るという意味もあるのです」と語っています。

日本では法律上「夫婦別姓」は認められていませんが、既婚者の女性が職場で通称として旧姓を使う人もいるのが現状のようです。また、 働く女性たちにおこなったアンケートでは、夫婦別姓制度に好意的な女性が多いこともわかっています。

フランスには日本のように戸籍謄本はない

なお、フランスで国際結婚した筆者の場合はどうかというと。フランスには日本のように戸籍謄本はなく、結婚手帳なるものがあるのみ。その手帳を改めて見てみると、私の旧姓がそのまま記載されているだけ。なんなら、私の両親のフルネームも記載されているのですが、母の場合は旧姓で記載されるようになっています。

フランスの健康保険のカードは旦那の名前にしているけれど(手続き上ひとまとめにできて簡単なため)、銀行や図書館のカードは私の旧姓のまま。パスポートに関しては旦那と私の旧姓両方を掲載しているという状態です。

フランスでは「マダム」「ムッシュー」という敬称のあとに「名字」がくっつくので、夫婦で公式ななにかに揃って参加する場合は旦那の名前を名乗るのが自然です。でも、私がライターとして仕事をする際は旧姓のままです。

日本と違って選択の余地がいろいろある、ということと戸籍がない分、姓への意識が薄い気がします。

イギリスもまた、色んな考え方のカップルが現れて、それに対応できる社会的制度の余地があると言えるのかもしれません。いずれにせよ、多様な人間がいる限り、それが受け入れられる社会制度が日本でも認められるようになることは悪いことではないと思うのは確かです。

参考記事:BBC

中村綾花

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