木原友見の「食いっぱぐれない仕事道の歩み方」第1回

優秀な人ほど時短勤務できない 人材コンサルタントに聞く、仕事復帰したママがハマる「怖い落とし穴」

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優秀な人ほど時短勤務できない 人材コンサルタントに聞く、仕事復帰したママがハマる「怖い落とし穴」

育休後の復帰率と働きやすさは別問題

誰しも現状の仕事や職場に不満はあるもの。「転職したい」と日々妄想している人も多いはずです。失敗しない転職とは? 食いっぱぐれないキャリアの積み方とは? 働き続けたい女子のために、人事や人材紹介のプロにアドバイスを聞いていきます。

子供を産むことを意識する年齢になってくると、「出産後も仕事が続けやすい企業に転職したい」と考える女性も出てきます。出産後は転職しづらくなるので、産む前に転職しておくのは賢い選択です。しかし、求人用のキャッチコピーとして、育休後の復帰率の高さを売りにしている企業の中には、実際は「復帰はできても、その後が続かない」というところもしばしば見受けられます。

今回は、出産後にちゃんと仕事が続けられる転職先を見極める材料として「育休復帰後に辞めてしまう原因の最新事情」について若手女性人材コンサルタントに訊いてみました。話の中では「転職の採用面接での絶対NGワード」についてもアドバイスが出てきました。

他人に辛い思いをさせてまで会社にしがみつきたくない

Q:「定時に帰るのが辛くて辞めた」という働く母親はまだまだいるようですが、どうしてなのでしょう? 定時に帰られる職場とそうではない職場の違いとは?

A: 事務職やエンジニアなどは、担当する仕事の範囲や量が決まってないことも多いです。たとえば、経理担当の事務職3人で年末調整の伝票を処理するとしましょう。ひとりが「保育園にお迎えがあるから5時で帰ります」といって帰ってしまうと、他のふたりが残りの伝票をすべて処理することになります。

それは不満に感じますよ。「子供がいるからって、仕事を残して帰っていいのはおかしい」とストレートに抗議すれば、「マタハラ」と逆に批判され返される可能性も出てきます。文句がいえないと、不満を心の内側にため込みます。結果的に人間関係が険悪になって職場の雰囲気が悪くなります。

しばしば若手女性社員が「自分は出産したら辞めたい。今、子供がいる先輩たちの仕事を押しつけられて吐きそうだから。こんな風に他人を辛い思いさせてまで会社にしがみつきたくない」と愚痴りますが、こういう不満への対応ができてない企業は、避けた方がいいでしょう。定時に退社するママ社員には、持ち帰り可能な仕事を与える等の配慮の仕方はありますからね。

「優秀な人なら時短勤務で」という能力主義的な発想にも落とし穴

Q: でも、仕事が速くて正確な人なら、早く帰っても問題ないですよね。平均で7時間かかる仕事を処理するのに9時間かかる人と、5時間で完璧に仕上げる人がいるとします。前者が時短勤務になると問題が発生しますが、後者だったら周囲も許すのでは?

A:「仕事が速い優秀な人なら時短勤務でオッケー」という能力主義的な発想にも落とし穴があるんですよ。「私は仕事が速い。能力重視の会社なら、出産後も仕事が続けられるわ」と、能力主義のところに転職する女性もいますが、失敗するケースもあります。

まず、仕事が速くて正確な人には業務が集中します。あるシステム企業の技術部署では、育休から復帰した女性エンジニアのうち、優秀な人ほど続かないんですよ。会社としても、優秀な人が辞めるのは困るので調べたんです。

そうしたら、彼女たちは元々仕事が速い上に、昼休みも休まず仕事をしているので、退社予定時間よりもずいぶんと早くその日の仕事を仕上げてしまうんですよ。そうすると、上司が「じゃあ、これもやってよ」と次の仕事を頼んでしまう。優秀な会社員というのはたいてい、上司に従順なので、仕事を引き受けてしまう。

結果、時短勤務で16時に帰れるはずが残業せざるえない……ということで辞めてしまっていたんです。「私は16時に帰るので、今からその仕事は引き受けられません」と断ればいいのですが、それをするのはかなり勇気がいりますね。上司はちゃんと考えて仕事量を調節してあげないと。

転職先を辞めた人に職場環境について訊く

Q: そこまできめ細かい配慮ができている企業は現状少ないと感じますが。

A: そうですね。だからこそ「出産後も仕事を続ける」ことを目的として、転職先を探しているなら、細かく調べる必要が出てきます。どうやって調べるかといえば、その会社を辞めた人を探して話を訊くんですよ。在職中の社員は口が堅いですが、辞めている人は割と正直に話をしてくれることも多いですよ。業務内容に関しては、退職してもそうそうしゃべりませんが、職場環境に関してなら訊き出しやすいのですよ。お酒でもごちそうしてしゃべらせましょう。

あと、絶対にしてはいけないのは、採用面接で育休や時短などの制度について質問したらアウトです。新卒だろうと、転職組だろうと、採用される前に福利厚生について質問したら確実に落とされます。採用面接では応募者は「選んでもらう」立場なのに、「おたくの会社はどれだけ私に手厚くしてくれるのか」って訊いてくるのは図々しいでしょ。面接の終わりに「最後にご質問は?」と訊かれても絶対に福利厚生について訊いてはダメですよ。この基本情報を知らないゆえに損をしている人って割と多いんです。

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