教えて!ブルボンヌ先生「ワガママと自由の境界線」
仕事も遊びもノリにノッてるアラサー女性。しかし人生の分岐点にさしかかると、「この自由を謳歌してもいいの? これってワガママ?」と不安になることも……。たくさんのオトコとオンナを見てきた女装パフォーマーのブルボンヌさんに、揺れる心を相談しましょう。
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結婚前から嫁姑問題が心配な女の人生相談

第11回 姑問題が心配
交際5年目の彼とそろそろ結婚しようと思っています。ただひとつ心配なことが。彼によると、彼のお母さんは気が強く、たびたびご近所トラブルも起こしているそうです。また彼のお姉さんも未婚で実家住まい。気の強い姑・小姑と上手くやっていけるか心配です。彼はフォローしてくれると言っていますが……、こんな私はワガママでしょうか。(29歳・会社員)

なぜ姑問題の悩みをアタシに?

姑・小姑問題を心配に思うのがワガママなわけないだろがぁ! って、この連載の「ワガママでしょうか」縛りに無理やりこじつけてくれたのよね……。

まさか、ウートピのこのコーナーに、半世紀前の婦人公論に寄せられてもおかしくない王道のお悩みが来るなんてビックリ。逆に新鮮。でも、なぜこれを女装のおじさんに聞きたくなったのか。

もちろん、嫁にも姑にもなる予定はないアタシですが、某公共AMラジオ放送のMCとしてお悩みやお便りと触れる仕事もやってきたりと、それなりに奥様お義母さまの状況は伺っておりますので、横道から見て感じることをお答えしてみたいと思いますぅ。

最初から怯えてたら、やられちゃうから

まず、姑・小姑というと、橋田壽賀子先生的ホームドラマにしろ、野際陽子先生の築いたキャラにしろ、あまりにも嫁の敵役としてのイメージが大きすぎて、先入観として「こいつらは口うるさい、こいつらはアタシをいじめてくる……」と思い込み過ぎる嫌いはあるかと思うの。

人間って相手がどう思って接してきてるかって、ある程度は感じとるものだから、敵視したり怯えてたりすることが漏れ伝わってくる相手には、結局その分「なんだよ悪者かよ、だったら望み通りやらせてもらっぞ!」という感情も生まれてしまうもの。

というわけなので、最初から歴代の姑ボスキャラみたいなものを想像し過ぎないほうがいいとは思うわ。きっとお姑さんはアタシのことが好き!きっと小姑さんとは仲良くなれる! って、頭をお花畑にしてみて。実際には人としての個性の相性も大きいわけだし、世の中にも数多い、楽しくやれてる組み合わせのほうを願っておかないとね。

その家に入るなら口ごたえ厳禁よ

その上で、なぜ世の姑像がああなってしまったか、といえばやっぱり、「家の先輩」である点と「息子(旦那)を生まれた時から愛している人」である点が大きいと思うのよ。

まず朝ドラのいけず姑が必ず持ち出すのは、「うち」の家風やしきたりってのもの。味付けとか、ご近所との付き合い方とかね。

2015年の日本じゃこういう家感覚はずいぶんユルくなってるはずだけど、気が強いという事前情報などから察するに、あなたの姑さん(予定)も相当こだわりがあるタイプでしょうね。

今回の相談だと、実家住まいかどうかが明記されてないんだけど、実家に入るパターンなら、確実にそのへんは体育会1年生、もしくはホスト見習いになった気分で、先輩への口ごたえ厳禁で、トイレ掃除から必死にこなす覚悟はしといたほうがいいパターンかもね。

姑とはひとりの男を取って取られての関係

そしても一つ、女親にとって息子は、自分の体から生まれた小さな恋人、みたいなところがあるのよね。エグい話だけど、人間の歴史から近親相姦は避けて通れないものだし、そこまでいかないにせよ、「息子を嫁にとられる」ってことに、どこか恋愛に近い嫉妬の要素を持つ人も多そう。

根っこにはそんな感覚があるんだなと思った上で、「自分の大好きなオトコを生んで育ててくれた人、そしてアタシはそのオトコをぱっくんちょしちゃってるんだ」という、先輩ごっつぁんです!的な感謝は忘れちゃいけない。だから、うっかり女友達に話すノリでお姑さんに「ほんと、○○さん(旦那)ったらだらしなくてぇ」みたいな落とすネタを話すと、一緒に笑ってくれるどころか、内心キレられる可能性もあるわよ。あなたの何万倍も無条件に愛されてるのは旦那のほうなんだから。

年長のババアにはリスペクトの気持ちが必須

そいや、うちにも同居25年、ひとまわり年上で、実母からも「東京のお母さん」と呼ばれている家族的ババアホモがいるのよ。昔、付き合ってた子がうちに来た時は、その子が「あの野際陽子を早く追い出せ」なんて言ってたくらいで、まさに嫁姑的なピリピリがあったわ。でも、ここ数年付き合ってるネンゴロ社長は、来るたびに笑顔で世間話をして、出張仕事の時にはお土産も欠かさないせいか、仲良くしてるみたい。

そういう気遣いって、2丁目の女装パイセンや、ママたちとの付き合い方にも通じる基本中の基本よね。

何かを先に成した年長のババアには、リスペクトの気持ちと、贈り物や挨拶などの細かいケアを忘れないこと。そこを素直にやれると、逆に強い味方になってくれるもの。

まあ何事にも限度はあるから、あまりに強烈な特例の場合はまた別の手を考える必要もあるけど、やっぱ基本はそこじゃなーい?

って結局、回答も半世紀前と変わらないかんじになっちゃったわね。嫁姑問題・フォーエバー!

●ブルボンヌ
女装パフォーマー、エッセイスト、タレント。新宿二丁目のゲイミックスバー「Campy! bar」をプロデュースするなと多方面で活躍。『週刊ニュース深読み』(NHK総合)『ハートネットTV』(NHK Eテレ)『ペケ×ポン』(フジテレビ)、『オンナnoミカタ』(NHKラジオ第一)などに出演するほか、関西テレビ『ゆうがたLIVEワンダー』水曜日コメンテーター、山梨放送 はみだし しゃべくり ラジオ『キックス』金曜日メインパーソナリティー、LaLaTV『LaLaネェのオススメ』ではMCを務める。『シティリビング』『ケトル』『LDK』『週刊金曜日』でも連載中。
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