貧困層の「乳児死亡率」は高所得世帯の7.5倍 日本が「お母さんにやさしい国ランキング」32位の理由

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貧困層の「乳児死亡率」は高所得世帯の7.5倍 日本が「お母さんにやさしい国ランキング」32位の理由

「お母さんに優しい国」32位の理由とは

子ども支援を手がける国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン」が、毎年5月上旬に公表している「お母さんにやさしい国ランキング」(「母の日レポート(State of the World’s Mothers)」の一部として公表)。今年のランキングでは、日本は179カ国中、昨年と同じ32位でした。1位はノルウェー、最下位はソマリア。上位を北欧諸国が占める一方、下位は、西・中央アフリカの貧しい国々が占めています。日本は先進国であるにもかかわらず、32位でした。なぜ、これほど順位が低いのでしょう。

「女性議員の少なさ」、貧困層の「乳児死亡率」の高さ

レポートによると、日本のランキングが他の先進国より低い要因は、日本の「女性議員の割合の低さ」。現在、日本の女性議員の割合は11.6%で、179カ国中140位。「お母さんにやさしい国」総合ランキング最下位のソマリアよりも低く、アジア諸国と比べてみても、インドや韓国よりも低いのが現状です。2000年にセーブ・ザ・チルドレンが調査を開始して以降、議席の一定比率を女性に割り当てる「クオータ制」の導入などで状況を改善する国が増える中、日本の状況は大きく変化していません。女性議員の数が、せめて3割に増えれば、一枚岩ではない女性たちの「声」を反映した政治ができると思うのですが、程遠いのが現状です。

また「母の日レポート」で注目したいのは、「職業による保健格差」の存在です。東京は「乳児死亡率(子どもが1歳未満で亡くなる確率)」が、世界でも最も低い都市のひとつ。ただし、「無収入世帯」と「高所得世帯」の乳児死亡率を比べると、その格差は7.5倍にも上ります。背景には、貧困状態のまま出産し、子を虐待して死なせてしまう例が多いことも関係しているかもしれません。虐待死で最も多いのは、0歳0か月0日の赤ちゃん。誰にも相談できないまま、1人で出産した母親が、育児への絶望感から赤ちゃんを遺棄する事例は少なくありません。

「名誉男性」として発想がマッチョ化している女性議員も

日本の女性議員の中には、地道にジェンダーの平等を目指す活動をしている方もいらっしゃいます。が、中には、人数が少ないがゆえに「名誉男性」として扱われ、男性以上に発想が「マッチョ化」してしまっている方も目立ちます。たとえば、参議院議員の山谷えり子氏は、過去に「選択的夫婦別姓」について「家族の崩壊につながる」と反対していますし、学校での性教育にも反対するなど、フェミニズムの立場からすれば「バックラッシュ」的な言動が目につきます。また、衆議院議員の高市早苗氏も、選択的夫婦別姓には反対していました。彼女たちに、「女性の権利を守っていこう」という発想がないとはいえませんが、その方向性は、必ずしも「女性に優しい」とはいえない面があります。

昨年、コピーライターの境 治氏が書いた『赤ちゃんにきびしい国で、赤ちゃんが増えるはずがない。』(三輪舎)が話題になりました。同じように、「お母さんに厳しい国」では、赤ちゃんが増えるどころか、女性全体が生きやすい社会の実現も、難しいのではないでしょうか。

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