教えて! ブルボンヌ先生 「ワガママと自由の境界線」 第6回 女優の夢を諦められない

さっぱり芽が出なくても女優への夢を諦められない 32歳女性のお悩み相談 vol.6

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さっぱり芽が出なくても女優への夢を諦められない 32歳女性のお悩み相談 vol.6

女優への夢を諦められない32歳の悩み

職業選択の自由も定着し、お金も自分で稼げる現代女性。でも人生の分岐点で「これって私のワガママ?」と思い悩むこともあるはず。女の自由とワガママの境界線に揺れる心を、女装パフォーマー・ブルボンヌさんに聞いてもらいましょう。

第6回 「夢が諦められない」
私には追いかけている夢があります。今はエキストラや端役で、映画や舞台に出演していて、いつか大女優になりたいと思っています。東京出身なので実家住まいのまま、30歳を過ぎました。40歳で芽を出す女優さんもいるので、もう少し頑張りたいのですが、これは私のワガママでしょうか。(32歳・テレワーク)

好きなだけ夢を追いかけなさい!

夢を追い続けるのは自由よ。むしろ自分の中に進むべき方向が何にも見えないよりは、目標に向かって頑張り続けている分、人として可愛げがある。「可愛げなんて何様?」って言い方だろうけど、虚無感かかえてスレた人より、一生懸命な人のほうが人間的にも恋愛的にも魅力的なことは多いと思うの(行き過ぎはちょっと怖いけどね……)。もちろん、現実と夢のズレのせいで、稼ぎが十分でなかったり、なかなか日の目を見られないのは、現時点でアナタが味わう厳しい結果だけど、それはまぁ自分で引き受けることだものね。

とくに芸能やアートの分野では、ブレイクしないで演じ続ける俳優や、売れない絵を描き続ける画家って、ざらにいる。努力ややり方だけでなんとかなるわけじゃないのが、そういうお仕事だから。これが一般的な事務仕事で、何年経っても書類をミスし続けるってんなら、とっとと職替えしたほうがいいと思うけど、芸能・アート系って才能の評価も売れるタイミングも謎なところがあるからねぇ。

アナタは演技が好きで、自分の人生を賭けるべきものとして続けているわけでしょ? アナタが夢を諦めないことで、直接誰かに迷惑をかけているわけでもない。まぁ親御さんは心配だろうけどね。

それでも、なんの熱量も持ってない人々が将来の日本を覆い尽くす光景よりは、下手の横好きでもトンチンカンでも、熱量をもったおもしろい人がいる世界のほうが、個人的にも好きだし、なんらかのパワーはあると思うわ。

幸せな選択だったと納得できる?

多分アナタが不安なのは、このまま夢を追い続けていると、自分は不幸になるんじゃないかってことだと思うのね。

ご家族をはじめ、周りの友達なんかは、アナタに「安定」という幸せのカタチに収まってほしくて、いろいろ言ってくるんでしょうね。このままズルズルいくくらいなら、どこかで一般的な職種にシフトするきっかけを作ってあげたいという、お友達の「ありがちな心配」もわかるの。でも、友達のアドバイスに従って夢を諦めて、普通の仕事をしたとして、アナタ自身はその後、幸せな選択をしたと納得できるのかしら。

そもそも女優を目指しちゃうような、目立ちたがり、表現したがりで業が深い性格な分、結局、延々と「ホントはもっと自分を表現したかった」って引きずり続けるんじゃないのぉ? 一度浴びたライトの快感は忘れられないって言うわよ……。

夢と生活を両立させる方法もあるわよ

そういや先日司会を務めたイベントでは、介護のお仕事をしながら、小劇場での定期公演もされてる女優さんたちがいたわ。芸能のお仕事って、自分の夢のために採算度外視した仕事と、「生活のため」の仕事の兼業をしてる人が多いわよね。

でも「生活のため」の仕事のほうにだって、社会的な意義や、やりがいは感じられるわけだし、そちらの職場のつながりで、舞台を見に来てくれる人もいるかもしれない。逆に夢を追う作業で得た感覚やスキルが、生活のためのお仕事のほうで役立つこともある。

子育てと仕事を両立する人生にチャレンジしていいように、夢の作業と稼ぐ仕事を両立させたっていいじゃない。

嫌な言い方かもしれないけど、彼女たちが女優の仕事だけで生活できるほど稼げていたら、介護職員にはなっていなかっただろうし、どちらかを選んでいいとなったら、女優だけで生活して大舞台に出演していた方を選んでいたんだと思うのよ。でも、それをみんながみんなできることじゃないのが現実なんだから。

100%諦めなくてもいいんじゃない?

夢と現実は、分量のバランスをとっていけば良い作業だと思う。何割かの夢をおさえ続けていくことで、タイミングでそれが一気に花開くこともある。夢だけの全力投球をやり過ぎてしまうと、金銭面や体力・メンタル面で、消耗し切るかもしれないけれど、現実だけに向かうのは、これまた「なんのために生きてるんだろう」ってなりかねない。自分の資質を見極めてバランスをコントロールしていけば、ずっと携わっていてもいい夢ってたくさんあるんじゃない。

夢のピラミッドは、頂点以外の層がたくさんあってこそ存在できるカタチ、なのだから、頂点に立てない人のほうが絶対的に多い。頂点に立てなければ人生に意味がない、と思ってしまうことは、そこに向かうモチベーションの詰め方としてはアリだけど、必死に頑張った結果、落ち着いた場所が頂点でなかった場合には、そのポジションの意義も見いだして満足する、変わり身の早さも必要よ。

最終的にはあなたという個人が満足して、生き抜いたことを納得できる状態がいいんだもの。自分自身に厳しくする時はするけど、大きな愛で許したり褒めてあげることもする、自分への母性の目線を持てば? そうすれば、一生懸命に夢に向かった自分を誇り、応援できるし、頂点ではなかったとしても落ち着きどころを楽しんだ自分も優しい目で認めてあげられるんじゃないかしら。アタシ、大女優も好きだけど、妙な味のある脇役女優も好きよぉ。

(構成:穂島秋桜)

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