太れない悩みに応える「体重増加コーチ」

1にダイエット、2にダイエット、3、4がなくて5にダイエット……。現代は、右を向いても左を向いてもダイエット。テレビでは、どのチャンネルでもダイエットに関する健康番組がしょっちゅう放送されていますし、女性誌にも「○○ダイエット」の文字がこれでもか! というほど掲げられている、まさに国民総ダイエット時代です。

その時代の流れに逆らって、体重増加をサポートする「体重増加コーチ」という仕事が存在することをご存知でしょうか?

体重増加コーチも、以前はモヤシ体型に悩んでいた

体重増加コーチとして、体重を増やしたい老若男女のサポート活動を行なっているのは、スマートゲイン代表の大畑忠伸氏。身長180センチ超え、体重90キロのがっちり体型です。ところが以前の大畑氏は、かなりの高身長であるにも関わらず、体重は50キロにも満たない、モヤシ体型に悩んでいたとか。

痩せ形体型から体重増加への道のり

そのため、10代の頃から「ガリガリ」「骨と皮」「ひ弱」などと、からかわれることが多かったようです。そこから一念発起し、10年以上の月日をかけて、試行錯誤しつつ、体重増加理論を確立。現在は、フードコントロール・トレーニング・メンタルといった総合的な観点から、効率良く、かつ健康的に太るノウハウを提供しています。

痩せすぎに悩むのは男性だけに非ず!

――体重を増やしたい人って、かつての大畑氏のようなモヤシ体型に悩む男性が多いのでしょうか?

大畑忠伸さん(以下、大畑):そうですね。でも、男性だけでなく、女性からのお問い合わせもありますよ。男女比だと半々くらい。年代では、20~40代が多いですね。

――女性は皆、痩せたいものと思っていました。

大畑
:いや、体重が30キロ台で、脚を出すことに躊躇し、夏でもレギンスが欠かせない女性や、身長が高いのに50キロに満たず、女性らしいラインに憧れを持つ女性も存在するんです。太れない彼女たちの悩みは、女友達に言っても「嫌味」と受け取られてしまうんですよね。

太れない悩みを、女友達から「嫌味か!」といわれ

確かに、太りやすい体質の筆者は、痩せている女性たちの、「食が細くて太れない」などの発言を、「嫌味なオンナ!」と、ひねくれ解釈していました。それどころか、「○○ちゃんは太らなくて羨ましい!」などと、余計なひと言までぶつけておりました。これって、「女子あるある」だと思うんですよね。冒頭でも述べたとおり、国民総ダイエット時代の風潮が強いため、つい「皆、痩せたがっている!」と思いがち。しかし、そうでない人もいるのです。

太れない人にとって食事は義務!?

――太りたくても太りにくい人に、「食を楽しむ」感覚はあるのでしょうか?

大畑:「食」に対する欲求が少ない人が多いのは事実です。「時間になったから食べなきゃ」とか、「痩せてしまうから食べなきゃ」など、食事に義務的な感覚ですね。体重増加にはフードコントロールが必要不可欠ですが、義務感覚で無理して食べるよりも、美味しいと思って食べたほうが良い。なので、とりあえず朝食は摂りましょうと推奨しているのですが、どうしても食欲が湧かないなら、まずはドリンクだけでOKなんです。

――フードコントロールって、ビシバシ徹底管理するわけではないんですね。

大畑:「この食材を食べなきゃダメ!」みたいなルールは一切ないです。トレーニングに関しても、毎日運動する必要はありません。ダンベルを用いたスロートレーニングを週3回程度でOK。太るためのトレーニングがきっかけで、水泳を始めたりジムに入会したり、男性だと格闘技に興味を持ったり。スポーツを楽しめるようになった人もいます。

太っている人に「デブ」とは言いづらいが……

――太りたくても太りにくい人が体重増加によって得たメリットは?

大畑:まずは、第三者からの、体型に対する言葉が減少します。

――太っている人に面と向かって「デブ!」という人はいませんが、痩せている人は言われやすいでしょうね。

大畑:他人が自分にどう接しているのかが、当人の気持ちに与える影響はものすごく大きいんです。他人からのイメージが、その人を作っているといっても過言ではないくらいですね。気持ちの面以外でも、体力増強のメリットがあります。痩せている人は、どうしても疲れやすい傾向にあるので。

――私は昨年、10キロ以上のダイエットに成功したのですが、疲れにくくなった感覚は私にもあります。痩せたい人も太りたい人も、最終的な着地点は同じなのかもしれませんね。

大畑:ファッションを楽しめるようになるって部分も一致しますよ。体重増加によって、男性も女性も、自信を持って服を着こなしたり、チャレンジできるファッションの幅も広がると思います。

体重増加を成し遂げた自信が次なる可能性へ繋がる

大畑氏いわく、もっとも大きなメリットは、「思い込みの打破」だと語ります。子どもの頃から痩せていると、「自分は太れない」「俺はモヤシ体型キャラなのだ」と、諦めに近い思い込みをしがち。そこから体重増加に取り組み、望む体型に到達することで、ほかのことにも可能性が見出せるのです。もちろん、一朝一夕でどうにかなるほど簡単ではありません。身体は、「現在の状態」をキープしようとするため、太っている人は太っている体型を、痩せている人は痩せている体型を維持しようとします。だからこそ、なかなか結果が出ないからといってすぐに諦めるのではなく、身体を慣らすことが大事! まさに、「継続は力なり」の精神です。

太り過ぎも痩せ過ぎも、健康とはいえません。自分にとってベストな体型とは何なのか、いま一度考えてみてはいかがでしょうか。

取材協力:スマートゲイン

菊池 美佳子

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