IVANらLGBTがモデルの写真展

左から、IVAN氏、Gap Japanのジェネラルマネージャー、エリン・ノーラン氏、レスリー・キー氏

日本のLGBT(レズビアン・ゲイ・バイセクシュアル・トランスジェンダー)をはじめ、様々なセクシュアリティの人々のポートレートを撮影するプロジェクト「OUT IN JAPAN」の写真展が、Gapフラッグシップ原宿で4月28日まで開催されている。

IVAN、佐藤かよ、中村中らをモデルにレスリー・キーが撮影

東京オリンピック・パラリンピック開催の2020年までに、1万人の撮影を目標としている同プロジェクトの第一弾は、世界的に著名な写真家レスリー・キー氏によって撮影され、モデルの佐藤かよ、歌手の中村中ら著名人をはじめ92組111人の当事者たちが登場している。

主催者の認定NPO法人グッド・エイジング・エールズの松中権代表は、本プロジェクトの目的を以下のよう説明する。

「日本ではLGBTの存在があまり知られておらず、偏見や差別も見えにくい。先日、渋谷区でパートナーシップ条例が成立したけれど、(LGBTの存在を示し、受け止めるための)制度だけでなく、自分たちと変わりない身近な存在と一般の方々に知ってもらう、意識改革のためのプロジェクトです」

また松中氏は「年齢、出身地、セクシュアリティ、国籍などが多様なのは、それを手掛かりに地方のLGBTの存在も届けたかったから」とも語った。

IVANらLGBTがモデルの写真展

Gap Japanは『東京レインボープライド 2015』にブースを出展

オープニングの記者発表会で、Gap Japanのジェネラルマネージャー、エリン・ノーラン氏があいさつし、「Gap Inc. は従業員の個性と多様性を尊重しています。この企業文化は日本でも同様です」と、創設スポンサーとなった背景を語った。

LGBTの中でも特にトランスジェンダーは、社会的に性別を移行するために「服の力」が欠かせない。当事者である筆者も身に覚えがあるが、誹謗中傷されるのではないかと思い、実店舗に足を運ぶことをためらったり、サイズやデザインなどそれぞれの体格に合う洋服を見定められないケースも多い。

世界的アパレル企業Gapとして、LGBTの顧客についての考えをノーラン氏に尋ねると、「多様性を尊重するのは顧客に対しても同じです。本プロジェクトのようなLGBT支援については店舗を含む全従業員にシェアされており、大きな関心が寄せられています。ゴールデンウィーク中に開催される『東京レインボープライド 2015』でのプライドパレード会場で2つのブースを出展予定ですが、多くの従業員がボランティアで参加します」との答えが返ってきた。

110人の当事者が後ろにいるという心強さを実感

当日はレスリー・キー氏と、モデルでタレントのIVAN氏のトークも開催された。

IVAN氏は、同プロジェクトに協力しているミュージカル『RENT』(2015年9・10月シアタークリエ公演)にエンジェル(HIV陽性でゲイのドラァグクィーン)役で出演するが、同作のスチール撮影を担当したキー氏との縁で、記念すべき「OUT IN JAPAN」1枚目のモデルとして選ばれた。

「日本に住んで22年、今までで一番この国に貢献できた作品」と力強く話すキー氏は、「出演してくれたみんながくれた勇気の力が大きい。この撮影をきっかけに、自分の人生を信じてもらいたい」と、当事者へメッセージを送った。

さらに、先ごろ成立した渋谷区のパートナーシップ条例や日本のLGBTをめぐる現状については次のように述べている。

「50年間は遅れているんじゃないかと思えるほど、日本人はLGBTに関する知識が少ない。好きな人と結婚できるくらいは当然のこと」

またIVAN氏は「自分がテレビでカミングアウトした時も勇気がいりました」と前置きしたうえで、「私はこのプロジェクトにタレントとして参加すればいいけど、一般の方は違う。だからこそ、小さな写真だけど他のLGBTの当事者が見れば大きなパワーを感じられるんじゃないかな」と話した。

「アメリカのカリフォルニアにあるゲイタウンで、レインボーの旗が普通に飾られ、堂々としていて素敵だと思った。日本もそうなってほしい。日本のゲイタウンだと、新宿二丁目=夜の街という印象が強いから変わってほしい。リーダーというわけじゃないけど、メディアに出る人間として先陣を切って、当事者の希望になりたいです」(IVAN氏)

被写体として参加した、フリーモデルとしても活動中の福永りょうさんは、「レスリーに撮影してもらえたことで、110人もの当事者が後ろにいてくれるという心強さを実感した」と述べ、「繋がりが増えるとうれしい」とはにかみながら笑った。

IVANらLGBTがモデルの写真展

福永りょうさん

鈴木みのり