オフィスドレスブランド「ケイミー」女社長の挑戦

オフィスドレスブランド「kay me(ケイミー)」を立ち上げる前、1日で400着を見て回ったこともあるという毛見純子社長。それでも、「自分が欲しいと思う服に巡り会えなかった」という。素材やデザインへのこだわりを聞いた。

【前半はコチラ】「働く女性はもっと華やかであるべき」オフィスドレスブランド「ケイミー」、女性社長の挑戦

ジャージーワンピ、キャサリン妃着用で認知広がる?

――商品の特徴に、ジャージー素材で動きやすいということがあります。

毛見:ジャージー素材のワンピースがメイン商品です。ジャケットやスカートで1日中過ごすと、とっても疲れてしまいます。整体院とかマッサージ店に通っている女性も多いですよね。もっと楽に着られて、飛行機や新幹線の移動の際にそのまま眠れるぐらい心地よい服ということにこだわりました。洗濯機で洗えて、アイロン不要ということも働く女性にとってうれしい要素だと思います。「こういう服がいいな」と思うものを探したときになかなか見つからなくて、「働いている現場から服をつくっていく」というブランドがあってもいいのではないかという気持ちも根底にありました。

――ジャージー素材を打ち出しているというのは、珍しいように感じます。

毛見:キャサリン妃がジャージーワンピで記者会見に臨んだり、ファッション誌がジャージーワンピの特集を組んだりということがあって、ここ2~3年で認知が広がってきたと思います。「ジャージーワンピ」での検索件数も、設立当初と今とでは何倍か違います。ただ、男性はまだイメージできない方も多いみたいで、「ジャージー」という言葉から体操着的なものを思い浮かべる方もいらっしゃるみたいですね(笑)。

――毛見社長はデザインもご自分で手がけていらっしゃいます。

毛見:新しいデザインの商品を販売するときはいつもドキドキします。お客様の内面的なニーズを読み取れているかどうか。私がかわいいと思ったものが、あまり数多くは売れないときもある。機能的、かつ予想だにしないサプライズや、きゅんとするかわいさがあるとヒット商品になりがちです。でもまだその感覚を100%掴めているわけではないので、いつもドキドキですね。

お客の声を聞くだけじゃダメ 「感動的な買い物」を創出するためには

――女性は「これが欲しい」というものをシビアに選びますもんね。

毛見:面白いのは、お客様が言ったとおりにつくると、絶対売れないことです。たとえばお客様にアンケートで「ボタンはどんなものがいい?」「柄は?」と聞いて、そのとおりにつくっても絶対に売れない。なぜかというと、購買欲って「わあ!」って心が感動したときに動くからです。自分が想像したものができてくると、満足感はそこで終わるんですよね。「かわいい!」「見たことがない!」っていう感動がないとダメなんです。

――確かに、「白のタートルネックが欲しい」というように目的を決めてする買い物もありますけど、そういう買い物って楽しくはないですね。

毛見:そうなんですよね。毎日の食料品を買うように「買わなきゃいけないから買う」というモチベーションでは感動をご提供できないのです。

――ケイミーは希望する場所まで商品を購入前に届ける「試着便」サービスも行っていますが、これも画期的ですね。

毛見:私自身、「貴重な休日を買い物で潰したくない」「職場に持ってきてもらえたら一番受け取れるのに」と思ったことから始めました。最初は既存のお客様だけが対象でしたが、徐々に枠を広げて、今は誰でもご利用できます。一度購入したものを返品OKというサービスは他でもあると思うのですが、一度決済してしまうとやっぱり返品って面倒ですよね。これからも、自分だったらどんな商品・サービスが良いかということを考えながら、お客様のニーズを読み取っていきたいと思います。

「働く女性の365日を応援する」という明確なコンセプトの元、販売数を伸ばし続けるケイミー。働く女性の心の中に眠る「こんな服が欲しい」というニーズを、毛見社長は今日も考え続けている。

●毛見純子(けみ・じゅんこ)
早稲田大学卒業後、ベネッセコーポレーションで営業・マーケティングを担当。その後、コンサルタントとして数社を経て、2008年1月にマオジェンワークス株式会社を設立し代表取締役に就任。IT情報通信、金融、エネルギー、製造などの業界で法人営業と新規事業開発支援のコンサルティング事業を開始。2011年3月11日の東日本大震災をクライアント先で経験したことなどから働き方を改めて考え、同年7月からケイミー事業を開始。9月にオンラインショップをオープンし、その後銀座に本店を出店するなど事業を拡大し続けている。銀座店は2月2日にリニューアルオープンしたばかり。kay meブランドサイト

小川 たまか/プレスラボ