犬山紙子のSNSで仕事を獲得する方法

取材の場で、自撮り写真をアプリ「Beauty Plus」で盛っていただきました。左:盛り前、右:盛り後

いまや誰しも、生活の一部となっているだろうSNS。みなさんは一体、どんな使い方をしていますか。

なんとなく、日記のようなものを書いているだけ? 今日食べたものをアップしているだけ? 仕事の愚痴をつぶやいているだけ? それもいいけど、どうせやるならあますことなく有効活用して、キャリアアップに繋げたくありませんか。

そこで今回は、目からウロコな盛りテク満載の実用エッセイ『SNS盛』(学習研究社)を上梓した人気エッセイストの犬山紙子さんに、様々なシーンで仕事ゲットに繋げるSNS活用術をお伺いしました。

【Instagram】女子校のような空間。センスをアピールして仕事ゲット

犬山紙子さん(以下、犬山):いま一番ハマっているSNSはインスタなんですけど、実は最近、仕事に繋がったんですよ。

――おお! さっそく実例をありがとうございます。

犬山:インスタって、男目線が存在しない女子校のような空間だと思うんです。もちろん男性もいますがあまりモテのツールじゃない。だから、他のSNSだと「かわいさアピールしてモテようとしてる」「キメキメの自撮りばかりアップしやがって実力以上じゃん」と思われるような写真も、男に向けてじゃないムードがあって許されるんですよね。恥ずかしがらずに、自分のウリをどんどん出したほうがいい場所です。可愛い子は積極的に顔を出して、オシャレが好きな子はセンスをアピールして。

――犬山さんのインスタも、普段の作風とは一線を画した、ファッション写真が多いように思います。

犬山:そうですね。私はサブカルっぽいしオシャレなイメージはないと思いますけど、「本当はファッションが好き!」という写真を意識的にアップしています。そしたら遂に、「今春買ったモノを教えてください」という、“オシャレな人前提”の仕事が来たんです! これは私が田舎にいた頃からの夢で……学生時代は芋臭くてしょうもなかった私にそんな仕事が来るなんて……(涙)。本当にインスタのおかげです。

―― 一般の方も仕事に繋がる可能性はありますか?

犬山:センスで勝負したい人や、カメラマンやイラストレーター、読者モデルになりたい人などは、インスタが仕事ゲットに向いていると思います。写真だからお手軽にアップできるし、センスさえあればTwitterよりフォロワーを増やすのは簡単かも。ただ、インスタはバズらないという難点もありますが。

――どうすればフォロワーを増やせますか?

犬山:中身のあるコンテンツを出すことですね。まず、他の人と同じじゃダメ。そして、可愛くてオシャレなだけじゃなく、見る人がお得感を持つような“情報”があったり独自の目線があったほうが良いと思います。あと、インスタはトップ画面で全体が見えますよね。だから、ひとつでもダサい写真があるとそれだけで世界観が台無しになっちゃう。あとで全体のバランスをチェックして削除したり、推敲するのも大事な作業です。

【Twitter】一発当てたい人は、バズりやすいツィッターを活用

――ツィッターはどうでしょう?

犬山:私も元々、描いていたブログがツィッターでバズったのを編集者の方がチェックしてくださってデビューしたんですが、最初はそんなに読まれなかったし、ツイッターで告知してもバズりませんでした。でも、描いているうちにどういう内容が好まれるのか分かってくるんです、ダイレクトな反応が分かるから。

――その結果、「負け美女の恋愛話」に人気があると分かり、どんどんそんな話が集まったんですね。

犬山:そして出版に繋がりました。あとは、みんなに見てもらえる時間帯に投稿するのも重要です。要するに視聴率の良い時間帯。朝の通勤時の8時頃や、夕食時の20~21時くらい。ただ、見て欲しい層が深夜番組を見ていそうな人たちならば、その時間帯に投稿するなど、とにかく見る人を意識したほうがいいですね。

――Twitterは、匿名性が高いし有象無象で、そこで抜きん出るのは相当難しそうです。

犬山:そうですね。漫画家や作家、タレントなどの仕事で“一発当てたい”夢がある人向けかもしれませんね。でも、あまり一般的ではないかもしれませんが、友達のとある会社社長が「面接したあとにツイッターを見たら、面白かったから採用した」と言っていましたよ。

【Facebook】転職希望先の社員をチェックして、給料の相場を知る

――転職活動にも使えるんですか!

犬山:これは企業の色によるので一概に使えるとは言えませんから、転職ならフェイスブックがベストです。と言っても、フェイスブックで自己アピール、ではなく、情報を得るためのツールとして使うんです。『SNS盛』にも書いたんですけど、某有名IT企業に内定した子がフェイスブックでまずやったことは、「ライバルと繋がる」ことでした。一緒に受ける子に友達申請をし、どういうことをしているのか動向をチェックしていたんですって。これは新鮮でしたね。

――面接を受ける企業の情報をチェックするだけじゃないんですね。

犬山:もちろんそれもありますが、希望の企業で働いている人のフェイスブックもチェックしたいところです。ブラック企業っぽくないか、残業は多いのか、休めているか、上司の愚痴を書き込んでいないか、などがすぐに分かるじゃないですか。

――何を食べ、どこで遊んでなどで生活グレードも分かりそうですね。

犬山:そうそう。お給料、大事! フェイスブックって、何かの記事がシェアされることはあっても、自分の意見がシェアされることはほとんどありませんよね。イコール、自分の仕事が広がるツールではないんですけど、そうやって情報を得るには最適なSNSです。

【LINE】セクハラはスタンプでやんわり拒否

――よりクローズな空間であるLINEは、仕事面でどんな風に活用できますか?

犬山:LINEはスタンプの存在感が大きいですね。例えば、上司とやりとりしているとき、プライベートなことを聞かれたとき「ちょっと嫌だな。それってセクハラじゃないのかな、でも私の立場だとNOって言いにくい」と思うことがあったりしますよね。そんなときにスタンプは使い勝手が良い。かわいいクマさんが「だめ」とか言っているのをひとつ送るだけで、拒否の意思表示をしながら角が立たない形で流せる。言いにくいことはスタンプに代弁してもらうのがオススメです。まあ、セクハラはきっぱり拒絶してやっていいと思いますが。

――会社によっては、課全体でグループLINEを作っていることもありますよね。

犬山:そういうときは、上司を置き去りにして盛り上がるのはNG。他に注意点は、業務に関係する会話をしているときは、先程と違ってスタンプひとつで済ませないことですね。

――LINEを教えたくないウザい上司の対処法はありますか?

犬山:まず先にブロックをしておくといいですよ。向こうに見つけられる前に、番号で検索できないようにしておくんです。

――直接「ID教えてよ~」なんて聞かれたら?

犬山:友達がいいテクを持ってます! 直接聞かれたら断れませんよね。そこで友達が取った行動が、「あっ私FBやってるんですよ! ○○で検索してくださいね!」と、ほかのSNSへの誘導。そうすると、「ああ、分かった」と、すんなりFBに話が移行するそうです。たとえFBで友達になったとしても、FBのDMはLINEほど手軽ではないから、頻繁には送ってこないでしょうしね。

――インスタ、ツイッター、フェイスブック、LINE、それぞれ見せたい自分毎に使い分けられるんですね。

犬山:そうですね。インスタは盛りを楽しむ女子校空間。ツイッターはムカつくことも多い分、面白いことを発信して反応も一番大きい、いわばハイリスクハイリターンなツール。フェイスブックは“表”の自分を見せるオフィシャルな場所。LINEは自分のゲスさも出せる、友達と何でも言い合えるメール。どんなことがしたいか、どのSNSが自分には合っているのか、セルフプロデュースを意識しつつ活用できたら、きっともっと、SNSが楽しくなると思いますよ。

●犬山紙子
イラストエッセイスト、コラムニスト。仙台の出版社を退社後、ニート生活中に書いたブログをまとめた書籍『負け美女』(マガジンハウス)を2011年に出版。ユーモアのある切り口と独特な視点が持ち味で、現在は雑誌、テレビ、ラジオなど幅広く活躍。著書に『嫌われ女子 50』(KKベストセラーズ)『女は笑顔で殴り合う』(共著/筑摩書房)など。最新刊は『SNS盛』(学習研究社)

有山千春

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