樋口 真莉子さん

近年、新しい賃貸の形として注目されている「シェアハウス」。2013年のYAHOO!検索ワードランキングのテレビ番組部門では、「あまちゃん」「半沢直樹」に続き、男女6人がシェアハウスで共同生活を行う様子を追った番組、『テラスハウス』(フジテレビ)が第3位を獲得。若者たちの甘酸っぱい恋愛ドラマが繰り広げられることから、「シェアハウス=恋愛」というイメージを持った方も多いのではないでしょうか。

そんなシェアハウス生活の実態を調査すべく、2年間で3件のシェアハウスを渡り歩いた樋口さんに、テレビからは見えないシェアハウスの本当のところを取材しました。

シェアハウス内恋愛は、本当にあるの?

――テラスハウスの影響で、「シェアハウス=出会いの場」というイメージを持つ人も多いと思うのですが、実際に恋愛関係になる男女は多いのでしょうか?

樋口真莉子さん(以下、樋口):テラスハウスは正直見ていて恥ずかしくなりますね(笑)。まず、テラスハウスの出演者みたいに「恋愛したい!」ってモチベーションでシェアハウスに入居してくる子はあんまりいないです。入居後も生活の中心は学校や仕事場で、シェアハウスはあくまで寝泊まりする場なので、そこに面倒なことを持ち込みたくない人の方が多い気がしますね。

私の場合は、シェアハウスに住むことで、男性をいきなり恋愛対象として見ることはなくなりました。異性というよりは、日々の出来事を共有できる仲間であり、恋人でも、友達でもない、すごく心地良い距離感にいるんですよね。シェアハウスに住んだことで、男性とも恋愛関係を越えて“人として認め合う”ことができるようになった気がします。

樋口 真莉子さん

価値観の合う人と出会いやすい

――ということは、「生活の場」とか「仲間同士の関係」という感じで、恋愛は生まれにくい環境なんでしょうか?

樋口:うーん、ただ、シェアハウスならではの出会いもありますね。たとえば、「コンセプト系シェアハウス」というのが最近特に人気なんですが、そこはシェアハウスそのものに1つのコンセプトを立て、それに共感した人が集まる場所になっています。本好き、クリエイター、女性の夢実現を応援する、シングルマザーなどさまざまなコンセプトがあり、価値観の合う人と情報やスキルを共有しあえる場として支持され始めていますね。

私が今住んでいるのもそのコンセプト系で、「家中留学」をテーマに、英語を学びたい日本人と、日本語力を伸ばしたいイングリッシュネイティブが集まっているのですが、そこで出会って2人でアメリカに帰っていったカップルがいました。共通の目的があって集まっているので、価値観が合う相手を見つけやすいというのはあるのかもしれません。

恋愛や結婚のシミュレーションもできる?

――運良くそうやっていい人に巡り会えたとしても、共同生活の中でうまくいかなくなるなんてこともありそうですね。

樋口:住人同士のコミュニケーションの取り方は、最初のうちは苦手な人は苦手でしょうね。生活レベルで共有し合うモノやコトが多いので、うまくやらないとストレスがたまることも。例えば、掃除は当番制になっていて、週1回みんなで集まって確認を行なうんですが、掃除をちゃんとしていない子は綺麗好きな子につめられていますね(笑)。

――はっきり言ってしまうことで関係が悪くなったりはしないんでしょうか?

樋口:逆に嫌だと思った時にハッキリ言うから、コミュニケーションがうまくいくというか。入居してきたときは気が弱くて意見が言えなかった子も、住んでしばらくすると自分の意見をはっきり言えるようになるケースが多いです。こういう問題は、付き合ったり結婚したりしたらどうせ向き合わなければいけないことなので、予習のつもりで身につけると良いと思います。

シェアハウスの様子

恋愛目的じゃないからこそ、信頼感を築ける

――シェアハウスにあまり長居しすぎると、居心地がいいだけに婚期を逃しやすくなるということはありませんか?

樋口:恋愛を軸に考えるのであれば、何も動かないよりむしろ結婚は早まるんじゃないでしょうか。シェアハウスメンバーと意気投合して結婚する事になった場合、相手の生活感が分かっているし、初めの出会いが恋愛目的じゃなかったからこそ築けた安心感や信頼感は大きいと思うんですよね。

――では、やはりシェアハウスに住むと、恋愛のチャンスが広がったり、結婚への適応力が上がったりということはあるんですね。

樋口:断言はできませんが(笑)、一時的な恋愛力というより、結婚してから必要になるリアルな共同生活への免疫力は身につくのではないかと思います。自分のライフスタイルがちょっと乱されても「ま、別にいっか」という感覚で受け止められるようになり、自然と器が大きくなるんですよね。それは将来旦那さんと生活する際にもきっと役立つのではないのでしょうか。シェアハウス内の男性でも、「シェアハウスで振る舞いが良い人は、絶対にいい奥さんになると思う!」なんて言っていた方がいましたしね(笑)。

(文・取材=編集部)

I樋口真梨子さん

樋口 真莉子(ひぐち・まりこ)
ソーシャルメディアマーケティング会社のコンサルタントとして働く25歳。
1年前、商社OL時代にシェアハウスでソーシャルメディアを制作する仲間や英会話に触れた事がきっかけとなり、現在の会社に転職。趣味は様々なシェアハウスに渡り住む事と、GLOBALパーティーの主催。国籍、人種問わず、人としての繋がりをもって自分の世界を広げるために、日々奮闘中。
樋口真莉子BLOG:『SHARE GIRL BLOG』