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2015/04/13
転職しくじり女インタビュー 木原友見の「微妙なる転職」
誰しも現状の仕事や職場に不満はあるもの。「転職したい」と日々妄想している人も多いはずです。しかし、転職した後に「失敗した!」と後悔したという話もしばしば耳にするもの。この連載では、実際に転職を経験して残念な結果になってしまった女子たちの経験談を聞き、アドバイスをしてもらおうと考えています。
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転職したら「意識高い系」の同僚が

誰しも自分がいるのとは違うカルチャーに憧れるもの。特に新卒で入った会社しか知らないと、真逆の社風の企業が輝いて見えるものです。他を知らないがゆえに、衝動的な転職を女子はしがちです。今回、アドバイスしてくださるのは、有名メーカーから、転職エージェントに転職した女性です。転職後、年収が上がって、仕事の内容にも満足しているという彼女が抱える「しくじり」とはなんなのでしょうか。

今回の転職女子の転職
B子さん・29歳で転職、現在30代前半 有名メーカー人事 年収380万円→ 転職コンサルタント 年収450万円

――最初の会社は有名なメーカーですね。日本人なら誰でも知っているような会社です。7年勤められたんですね。

B子:新卒で入って、最初は営業をやっていましたが、4年目に総務に異動になりました。ええ、社内的には栄転ですよ。古い会社ほど総務はエリートコースなので。笑っちゃうぐらいに保守的な会社でしたね。今でも男性も未婚だと昇進に影響するっていう風潮が残っていたりして。独身の男性で部長級がでてきたのはこの10年って感じです。ただ、総合商社や都市銀行と違って、ぼんくらな男子しか入ってこないから、女子の方がまだマシというか使えるというか。ですから女性差別はなかったですね。

みんななんとなくマイナビとリクナビに登録するじゃないですか

――営業で優秀だったから総務に引っ張られたわけですね。

B子:いや、単に総務で若い女子の手が足りなかったんだと思います。40代以上の女性しかいませんでしたから。総務時代は人事を担当していました。のんびりした会社で、居心地よかったんですけど、なんていうか、10年後が見えなかったんです。会社が今やっているビジネスが10年後にも通用するとは思えないのに、なにも手を打たないし。特に総務にいると上層部や社長がなにも考えてないことが不安になっちゃって。

――それで転職活動をされたわけですが。

B子:具体的に始めたわけじゃないんですよ。転職活動をする必要がなくても、みんななんとなくマイナビとリクナビに登録するじゃないですか。私も登録していて、たいていは営業職の案内しかこなかったんですが、私は人事でキャリアを積みたかったんです。女が営業を長く続けるのは至難の業ですが、人事なら20年後はともかく10年後は見えるので。

そんなことを考えていたら、希望にあった案内がきたので、応募して今の会社に転職しました。転職サービスを提供している企業ですが、色々と事業を拡大していました。隣の人と会話をするのもチャットみたいな感じで、憧れていた今風なオフィス環境ではありました。20代30代が多いので加齢臭もしないし(笑)。

実際よりも自分を大きく見せて目立とうとする人がいる

――真逆の環境ですね。居心地はいいですか?

B子:年収が上がりましたし、仕事の内容も将来につながるものなので満足しています。でも、居心地がいいかというと微妙ですね。ほとんどの社員はまっとうなんですが、たまに「意識高い系」がいて(笑)。転職や独立を目指す社員が多いので、今から業界全体に自分を売り込もうって思っているのか、実際よりも自分を大きく見せて目立とうとする人がいるというか。

たとえば、同僚20代の男子が肉食系キャラで売っていて、学生時代からブログで恋愛論を書いたりして人気だったと話していました。職場でもナンパやエッチの話をよくして、私はついつい話を聞いちゃったんですよ。だって、渋谷でバイトの面接の帰りに歩いていたら年上の女性に声をかけられてホテルに行ったら相手が男だったとか(笑)。しかも、好奇心に負けて最後までいったというんですよ。最後までってどこまで? とか気になるじゃないですか。前の会社は真面目な人ばかりだったので、最初は刺激的だと思っていました。

その彼は恋人ではないけれど、セレブに女友達が多いって話していたんですよ。4大法律事務所の弁護士やマッキンゼー勤務、外科医とか。それで、私が担当しているウェブの企画でキャリアウーマンに登場してもらうことになった時に、彼に「N(4大法律事務所のひとつ)の女性弁護士と付き合っていたよね。紹介して」と頼んでもスルーするんですよ。その時の反応を見て“あれ?”って思ったんです。紹介したくないっていう顔じゃなかったので。拒否するんじゃなくて、あくまでも“聞かなかった”って顔をするんです。ぴんと来たんですよ。「エリート女性弁護士とつきあっていた」というのは嘘なんだな、って。

――「Nはうるさいから出ないと思うよ」って断ればいいのに、そうしないのはあやしいですね。

B子:そうなんです。「今日は紀尾井町(N法律事務所がある)に行ったから、ついでに彼女とホテルオークラで寿司を食べてきた。彼女が全然食べないから、彼女の分も食べて腹がいっぱいだ」とか、話が具体的だったのも気持ち悪くて。今、考えるとオークラの久兵衛って、若い弁護士がデートで使う店じゃないし(笑)。

みんなでやったプロジェクトを自分ひとりでやったみたいにSNSで紹介

――そういう虚言癖の人って、現実社会の仕事はどうなんですか?

B子:彼に関してはダメでしたね。みんなでやったプロジェクトを自分ひとりでやったみたいにSNSで紹介したりして顰蹙をかっていましたが、結局辞めました。でも、ちゃんと仕事ができる優秀な女の子もSNSで不穏なことをするんですよ。その子は高級フレンチレストランで1,500円のランチを食べて、その時の画像を夜SNSにアップするんです。「ディナーを楽しんでいます」っていう感じで。

夜は最低でも1万円以上はかかるお店ですからセレブ感を演出していますけど、実際の彼女はその夜は私とサイゼリヤで私と100円のグラスワインを飲んでいたという(笑)。私がSNSが苦手であまり見てないのを知っているからついやっちゃったんだと思いますけど。考えますよね。小さな嘘をつくからその人を信頼できないと判断するのも乱暴かなと思ったり。

――でも、STAP細胞論文事件の小保方晴子氏は高校時代から「男子バレー部のキャプテンの家に行った」と嘘をついて、バレたりしていたそうですよ。

B子:そうなんですよね。仕事のミスを隠すための嘘ならまだ気持ちは分かるんですが、自分を大きく見せるために「誰と友達」とか嘘をつくのってやっぱり気持ち悪いんですよ。そして、そういう人の存在が許される社風が私にはちょっと合わないなって……。

実際、人材を企業に紹介する際にも、やはり、キャリアやスキルを盛ったりもしていますからね。そういうことをすると困るのに……と思いますが。前の会社にはこういうことをする人はいなかったですからね。社長の別荘でバーベキューをした時も、呼ばれなかった人が嫉妬するのを避けるため、誰もSNSに写真にアップしたりしませんでした。

最初に入った会社の良さはなかなか分からないもの

――転職を考えている女子に一言アドバイスを

B子:最初に入った会社の良さはなかなか分からないものです。転職してから「あー、新卒で入った会社は良かった」と思う人も多いように思います。新卒採用では会社のカルチャーに合った子を取るので、基本的に、自分の肌に合う社風であるんですよ。

転職して分かったのは、私は自分で思っていた以上に堅実な性格で、前の会社に合っていたということでした。でも、10年後を考えると、あのぬるま湯につかっていても意味なかったと感じますね。現状は年収も上がったので一応満足はしていますが、うーん、「意識高い系」の同僚に耐えられなくなって、また衝動的に転職しないかと自分でも心配ですね(笑)。

(木原友見)

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