大泉りかの秘告白部屋 ~女の闇は深く、生暖かい~
女の闇は深く、生暖かい――官能小説や女性向けポルノノベルで活躍中の人気作家・大泉りかが、知られざる“女の闇の真実”を解き明かす! 働いて、好きなことをして、充実した生活を送る。これらは、ごくシンプルで当たり前のことのように思えます。しかし、その『慎ましい望み』が『欲望』となると、途端に強い執着と依存とを生み出してしまうことも…。大泉りかの秘告白部屋、OPEN!
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極度の寂しがり屋の女

長く付き合った恋人に、自分から別れを告げるのはつらいものです。新しく好きな人がいて、そちらに行くためであったり、また、付き合ったことを後悔するくらい、大嫌いになっての別れであれば、それほど心も痛まないかもしれませんが、そうではない場合は、“相手への情”や“ひとりになることへの不安”が邪魔をして、なかなか踏ん切りがつかなかったりもします。今回登場いただくのは、1年半付き合った恋人に別れを告げたばかりだという女性。なぜ彼女は踏ん切りをつけることができたのでしょうか。

【寂しがりすぎて、ひとりでまっすぐ家に帰れないY子さん(30歳・会社員)】

Y子:最近、9歳年下の学生の彼氏と別れたんです。すぐに「結婚したい」とかいうくせに、現実が見えてなくって。だって、今からようやく就職活動で、なのに「海外に行きたい」とかも言ったりして、全然、信用できないじゃないですか。

――さすがに何年も、待ってる余裕はないですよね。どういう感じで別れたんですか?

Y子:そう。1年半くらい付き合ってて、ほぼ毎日会ってたんですよ。ちょっと恋愛依存症っぽいところがある人で。けど、最近、わたしに、趣味の音楽を通じて知り合った友達ができて、面白い人達で、よく遊ぶようになったんです。

それで、月に3日くらい会えなかったら「もう疲れた」とか言い始めて。「俺といるよりも、優先することがあるんだ」とか、いかにも若いっていう言動が見え始めると、この人と結婚とかって、全然リアルじゃないなって思い始めて。あと、向こうは、駅で待ち合わせとかして、一緒に家に帰っても、わたしがすぐに寝ちゃったりするのも嫌だったみたい。「話してる最中に寝落ちとかされるのが、不満」って言われて。

――でも、学生と社会人とじゃ、プライベートに使える時間の長さが圧倒的に違いますよね。

Y子:そう、あっちは時間が有り余っていて、会った翌日、昼の2時とか3時とかに「おはよー」ってメールが来たりする。「まだわたしの家にいたのか!」って驚いちゃいますよ。そんな生活だと深夜1時とかに眠くなるわけないじゃないですか。でも、わたしは普通に朝起きてるわけだから、夜は眠い。で、「俺のことあんまり好きじゃないでしょ。一緒にいても寝ちゃうし」とか言われて。

寂しいから家にまっすぐ帰れない

――彼のどこが好きだったんですか?

Y子:時間があるから、いくらでも会ってくれるところと、家が近くて、会うのが楽なところ(笑)。わたし、ものすごく寂しがりなんですよ。ひとりがダメで。お酒を飲むのが好きなんですが、ひとりで飲むことはできない。だから、地元のスナックとバー3つ掛け持ちでバイトをしたりもしてて。

――会社で仕事して、で、バイトを3つして、さらには彼氏にも毎日会ってたって、すごいですね。

Y子:さすがに自分でも、ちょっとやり過ぎだな、とは思ってるんですけどね。とっ散らかってるから、整理しようかな、という気もあるんですが、でも、自分で言うのもあれなんですが、情に脆くって、なかなか離れられないんです。

あと、バイトをやめたとして、寂しいから、どうせ家にまっすぐ帰れない。きっと飲みにいっちゃう。そうすると、湯水のようにお金をお酒に使っちゃうことになる。だったら働いて、タダでお酒を飲んでいたほうがいい。タダで人と一緒に飲むために、飲み屋で働いてるっていう、情けない状態なんです。

――まぁ、どうせ飲むなら、時給もらって、ってほうがいいっちゃいいですよね。

Y子:そう、ただ30歳の女が、それでいいのかっていう疑問もあって。でも、どれくらい寂しがりなのかっていうと、ひとりで家に帰る時は、コンビニを5軒くらいハシゴしちゃうんですよ。まっすぐ帰るのが寂しくて、コンビニの灯りに吸い寄せられちゃう。干渉されないし、なんとなく人はいるしっていう雰囲気がいいんですよね。

立ち読みで、なんとなく時間をつぶして、外に出て、また次のコンビニに行ってっていう。最近は雑誌が立ち読みできないようになってるところが多いから、そういう時は、分厚くて閉じてない「ご近所の怖い噂」とか、読みたくもないのに、仕方なく読んだりして。1時に駅についたのに、家につくのは2時とかってこともざらにある。彼氏といる時は、駅で待ち合わせして一緒に帰ったりするから、それがなかったんですが……。

信頼できる女友達に言われて思い切って別れた

――そんな寂しがり屋なのに、よく自分から別れを切り出すことができましたね。

Y子:すごく信頼している、仲のいい女友達にふたりに言われたんです。ひとりには「彼と結婚しても祝える気持ちがない」、もうひとりには「あの男と一緒になっても、2万パーセント幸せになれないと思う」って。そこまで言われちゃう男性ってどうなのかぁって、思い切った感じです。

極度の寂しがりだという、Y子さんにとって、恋愛依存症の彼は、非常に都合のいい存在。けれど、このまま一緒にいても、未来がない。そんな時、Y子さんの背中を押したのは、女友達でした。結婚、出産、育児……男性と比べて、その時々のタームで自らを取り巻く状況が変化する女にとって、女友達との関係を長く続けていくのは、簡単なことではありません。しかし、人生の岐路に立った時に、寄り添って力を貸してくれるのも、女友達にしかできないこと。貴女には信頼のできる女友達がいますか?

大泉りか