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2015/04/10
インドの「女の子を守る木」とは

YouTubeより

今年初め、インド北東部にあるトリプラ州の男が、「娘はいらない。息子が欲しかった」と、9歳の実の娘を生き埋めにして殺人未遂で逮捕されたという衝撃のニュースが報じられました。また、インドでは過去20年間に、1,000万人の女の胎児が中絶で死亡したと言われています。

    インドの伝統的な結婚「ダウリー制度」

インドにおいて伝統的な結婚に「ダウリー制度」というものがあります。これはヒンドゥー教徒の行動を規定した「マヌ法典」の一節「幼き時は父に、嫁しては夫に、老いては息子に従うべし。げに女の自立はなしがたし」という言葉にも表されているように、女性は一生男性に従わなければならないという考え方に基づいた制度です。

その中のひとつに、娘が結婚する時に、親が花婿側へ持参金や家財道具を贈る慣習があります。これは女性の生家側にとっては非常に大きな経済的負担であり、このために莫大な借金を抱える家庭も少なくありません。また結婚後も夫の家の要求が続くこともあり、女性の生家が拒否をすれば、花嫁は花婿の家族から冷酷な扱いを受け、死に追いやられることも。このダウリー制度もあって「息子は稼ぎ頭になるが、娘はお金がかかって邪魔だ」という考えになってしまっているのです。そうした背景から、娘を妊娠したとわかると中絶する例も後を絶ちません。

    女の子が生まれるたびに111本の木を植樹

インド・ラジャスターン州にあるピプラントリ村では、2006年から村で女の子が生まれるたびに111本の大きな木をお祝いとして植えています。これまでも25万本以上のインドセンダン、ローズウッド、マンゴーの木を植えており、8,000人の村人は女の子たちの成長と同じように木を育てていっています。

    植樹以外にも、女の子を守るためのシステムが!

前村長のパリワリ氏が、自身の娘を亡くしたことで始まったこの伝統。木の植樹以外にも、村の特別委員会は女児が誕生したにも関わらず、受け入れたくない家庭を識別して村人とその家庭の父親から資金を徴収。そしてその女の子のための生活資金的保障として、20年国債で政府に投資するのです。

さらには両親に対して、その女の子の法的年齢に達しない年齢での結婚を禁じ、学校にも普通に行かせ、彼女の名前が記された木の世話をするという誓約書を書かせるそうです。

この村では他にもアルコール摂取や動物の野放しを禁じたりして、村人たちのコミュニティとしての団結を促進してきたこともあり、過去7、8年間で起きた犯罪数はゼロ。村人たちがみな、幸せそうに暮らしていると報告されています。

ピプラントリ村では、インド社会が強く抱えている女性差別という価値観から、懸命に女の子を守ろうとしているのです。インドでピプラントリ村のような考え方を持つ村が少しずつでも増えていくことを願うばかりです。

参考記事:ODDITYCENTRAL

(笹崎ひかる)

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