アゴの吹き出物は子宮トラブルのサイン

最近、何だか顔色が悪い。肌がカサついている。吹き出物が何度も同じところに出てきてしまう。「なんでだろう?」と気になっていることはありませんか。それはひょっとしたら、体の内側が出しているプチ不調のサインかもしれません。

30代になると、次々と巻き起こるお肌の不調。老化と不調の区別がつかず、「あーやだ、やだ!」と嘆いて放置してみたり、こうすれば良くなると思い込みで治そうとしてしまう人が多いのでは?

そんな時に頼りになるのが、東洋医学に基づく“顔望診”。顔をチェックすることで体調のよしあしを推測する、医師も行なっている診断法のひとつです。この顔望診を一般の人にも実践してもらおうと提案する『顔望診をはじめよう 顔でわかる今日のナチュラルケア』の監修者で、「せりえ鍼灸室・広尾」院長の辻内敬子先生に、忙しく働くアラサー女性が気をつけるべき顔の変化についておうかがいしました。

顔に現れる変化は、体の不調を伝える大切なサイン

――顔望診とはどんな診断方法なんでしょうか?

辻内敬子先生(以下辻内):東洋医学では「体の不調は顔に現れる」と言われ、顔に現れる変化は体の内側から外へ不調を伝える大切なサインと考えられています。西洋医学の先生でも、「今日は顔色が悪いけれど、どうしましたか?」という風に尋ねていらっしゃいますよね。例えば、顔にできる吹き出物。あなた(記者)はアゴにいくつかできているので、冷え性じゃないかしら?

ほかにも、吹き出物ができる位置によってわかることがあって、額に出ている時は体がひどくくたびれている状態なので貧血気味だったり、血圧が上がったりしている状態。左頬にできている時は、怒りによるストレスが続いている、辛いもののとりすぎ、アルコールの飲みすぎ。右頬にできている時は、空気の乾燥による影響や喫煙、薄着や冷房などの冷えなどの原因が考えられます。また、鼻や鼻のまわりなどの場合は胃腸がオーバーワークで食べすぎかも、ということがわかってきます。

――吹き出物ひとつでここまでわかるんですね。なぜ、こんなにも体の中のことがわかるんですか?

辻内:吹き出物ができる理由には、体の中の“五臓”の働き過ぎなどが関係しています。少し難しいお話になるんですが、東洋医学では人間の体の働きを大きく「肝、心、脾、肺、腎」という5つのグループに分けて、“五臓”と呼んでいます。

現代の西洋医学で近い臓器や部位に当てはめ、グループの特徴を紹介すると、「肝」のグループは肝臓をはじめ、胆のう、目、爪、筋肉が仲間で、血を貯蔵したり、感情をコントロールする役割があります。「心」のグループは心臓をはじめ、小腸、舌が仲間で、血液を循環させたり、血液を全身に送り出すほか、精神的な働きの管理しています。

「脾」は、血管の若さを守る脾臓、すい臓をはじめ、胃、筋肉、口、唇が関連し、口から肛門まで消化吸収の働きを担っています。「肺」は、肺、大腸、鼻、皮膚と呼吸器系のグループです。そして、「腎」は腎臓、膀胱、生殖器、骨、耳、髪が関係していて、人間が若さを保ったり、生命エネルギーや活力を作り出すグループと言われています。

先ほど「体の不調は顔に現れる」とお伝えしましたが、“五臓”と顔はつながっていると考えられ、それぞれのグループごとに顔に現れやすい場所は決まっています。体の中は自分では診ることができませんが、「今日はお腹の調子はどうなのかなぁ?」ということは顔を見れば、自分でもわかるようになってくるんですよ。

鼻の下やアゴの両脇の吹き出物は子宮の不調かも

――忙しくバリバリと働く独身のアラサー女性が、気をつけた方がいい顔のサインはありますか?

辻内:その働き方はやっぱり尋常じゃないぐらいの感じなのかしら。そうすると、ストレスで月経のリズムが不安定になったり、月経量に大きく影響が出てしまいます。鼻の下やアゴの両脇に吹き出物がよくできるようだったら、子宮に何らかのトラブルがあるかもしれないので、気をつけた方がいいですね。

東洋医学では、血を作り出す「脾」が月経量の異常につながり、脾の調子が悪くなると、月経量がとても多くなったり極端に少なくなったりします。また、肝が乱れると月経不順や月経が2日だけになってしまったり、痛みが重くなったりすることがあります。

20代の頃は、徹夜をしても平気だったものが、30歳を過ぎると疲れを感じるようになってきますよね。現代では、寿命とともにどんどん働く期間が長くなり、自分のキャリアを充実させるために30代前半だともっと働けるんじゃないかと思って、ついつい働きすぎてしまいます。けれど、女性の体は28歳をピークに体力の下り坂を迎え、西洋医学では33歳で卵子が低下すると言われるように、30代は子宮のことをちゃんと考えないといけません。

忙しく働いていると、敷居の高い婦人科は行くのが億劫で、痛み止めを飲むだけで過ごしてしまいがちです。それで、知らないうちに子宮筋腫や子宮内膜症になっている人がすごく多いんです。前よりもだんだん月経痛が重くなってきたなとか、月経時の調子がいつもと違ってきたとか、そういう人はまずは婦人科と仲良くなっておいてください。

結婚は何歳になってもできますが、妊娠、出産は期間が決まっています。今はどうなるかわからなくても、これから妊娠、出産するかもしれないですよね。私も39歳で出産しています。今は準備期間として妊娠できる体作りを心がけて下さいね。

――もしも、日常の中でも改善方法があれば、教えて下さい。

辻内:みなさん、よく眠れていますか? 朝起きた時に「よしっ」と元気良く起きられたら、睡眠の質も量も足りてるんだと思いますが、そうではない場合、睡眠の質に問題があると思います。ストレスや心の免疫に対抗するような副腎皮質ホルモンが夜10時から深夜2時ぐらいの間に出てくるので、その間のどこかでぐっすり眠れていると、快復が早く、その時間を逃してしまうと体の免疫力は低下してしまいます。忙しいので毎日早寝をするのは大変だと思いますが、1週間に何日かだけでも、ぐっすり寝られる日を作ると、それだけでも全然違いますよ。

>>【後編につづく】28~35歳の乱れた生活習慣が老化を進める 鍼灸師に聞く、若々しさを保つ方法

●辻内敬子(つじうち・けいこ) 「せりえ鍼灸室・広尾」院長。鍼師、灸師、按摩マッサージ師。女性のストレスケア、不調の改善、産後ケア、ベビーケアなどを行なう。心と体を切り離さない、1人ひとりに合った施術が評判を呼び、日々多くの女性が訪れる。著書に『東洋医学で自然治癒力を高める 0ヶ月からのベビーマッサージ&つぼ療法』(技術評論社)、『出産教室準備教室東洋医学を取り入れた妊婦さんの体作りセルフケア』(医歯薬出版)、監修者に『お灸のすすめ』(池田書店)などがある。全日本鍼灸学会、日本東洋医学会、日本母性衛生学会所属。女性鍼灸フォーラム代表。「せりえ鍼灸室」で検索

上浦未来

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