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2015/04/06
転職しくじり女インタビュー 木原友見の「微妙なる転職」
誰しも現状の仕事や職場に不満はあるもの。「転職したい」と日々妄想している人も多いはずです。しかし、転職した後に「失敗した!」と後悔したという話もしばしば耳にするもの。この連載では、実際に転職を経験して残念な結果になってしまった女子たちの経験談を聞き、アドバイスをしてもらおうと考えています。
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マタハラで転職したらそこはワケアリ企業

誰しも現状の仕事や職場に不満はあるもの。「転職したい」と日々妄想している人も多いはずです。しかし、転職した後に「失敗した!」と後悔したという話もしばしば耳にするもの。この連載では、実際に転職を経験して残念な結果になってしまった女子たちの経験談を聞き、アドバイスをしてもらおうと考えています。

今回、登場するのは、女性が多い職場でマタハラに遭い、老舗企業に誘われて転職した女性の話です。

今回の転職女子の転職
A子さん・20代後半 調査会社マーケティング(正社員)年収400万円→老舗メーカー マーケティング(契約社員)年収360万円

――最初の会社には新卒で入られたんですね。調査リサーチの会社。

A子:はい。マーケティングのための調査リサーチですと、主婦やOLの輪に入っていく必要があるので、女性担当者の方がいいんです。ですから、女性社員が多かったですね。幹部は男性たちですが、彼らもいかに女性社員とうまくやるかで評価や出世が決まるという感じで。

私は新卒で入って、マーケティングの部署にいました。女性が多い会社特有の人間関係の難しさはありましたが、私は女子大卒だったこともあり、うまくやっていましたね。

ところが、20代後半で妊娠してしまったんです。一緒に暮らしていた彼とは結婚する気もなかったから、えーって感じで。入籍したものの、私は真っ青で。その会社では育休は功労賞というか、キャリアを積んだ人が得られるご褒美という感じで、勤続年数が高い人から順番に出産していくんです。たいていは30代になってから産むので、当時20代若手社員の私にはまだ資格がなかったんです。

で、妊娠したと、最初、直接の上司で40代未婚女性課長に相談しました。思いっきり舌打ちされました(笑)が、「仕方ないわね-。若い子が男と暮らしたら子供もできちゃうわよねー」っていって、半年だけ休めるように手配してくれました。ところが、他の子供がいる先輩女性社員たちがもう怒ってしまって。分からなくもないんですよ。経験者だからこそ「どうしてまだ順番が回ってこないのに作るの?! 避妊しなさい!」って怒れるというか。

    女性の先輩から重い段ボール箱を運ばされた恐怖

――未婚女性は「私がなにか言うと僻んでいると誤解される!」と考えて、理解するふりをするけれど、出産経験者はそのあたりに遠慮はないですよね。どんな嫌がらせがあったんですか。
 
A子:調査した内容をまとめてレポートにするのが私の仕事でした。ところが急に現場の担当者が手を抜くようになったんです。結果的に私の作業負担が多くなります。わざとやっているんだなーって感じましたが、そういう仕事上のことは想定内だったので我慢できました。

ただ、耐えられなかったのは身体に対しての攻撃ですね。お腹が大きくなって膝がつらくなってきたときに、女性の先輩が「あの荷物運んでおいて」って床の上の荷物を指さしたんです。販促物が入ったずっしりと重い段ボール箱でした。運びましたけど、あの時の恐怖は忘れられないですね。転んだらどうなるんだろうって。男性社員がちらりと見て、気の毒そうな顔をしたんですが、助けたら、他の女性たちに目をつけられるので手が出せないから動いてくれなくて。あれが決定的でしたね。もうここには居られないって。

    30代以下の社員は仕事の量が多くて給与は低い

――それで転職されたわけですね。でも小さい子供がいて転職できたのは珍しいと思いますが。

A子:そうなんですよ。そのあたり、私もヘンだと疑うべきでした。妊娠している女をほしがる会社って訳ありに決まっているんですが、マタハラで参っていたので思考停止していたんです。

育休中に「戻りたくない~」って愚痴っていたら、知り合いが「うちのマーケティング部署が人を探している。小さな子供がいる女性も多く働いていているんだ。是非、来てくれ」って声をかけてくださって。老舗というか、知名度があるメーカーなので、福利厚生がしっかりしているから、出産後も仕事がしやすいのかなって脳内で都合よくつじつまを合わせてしまって(笑)。

それで、育休明けに転職したのですが、色々と騙されたと分かってきました。いや、騙されたわけじゃないんです。私のリサーチ不足、想像力不足です。転職先はかつては大手でしたが、現在は落ちぶれていて中堅企業なんですが、それを受け入れられないプライドの高い40代50代が多くて、むろん、彼らは無能なので、会社のお荷物になっています。大手だった頃の名残で労組が強くて、働かないおじさんをリストラはできないんです。だから、30代以下の社員は仕事の量が多くて給与は低い。私も持ち帰って仕事をしていました。

そういう会社なので、まともな人はどんどん辞めていくんですが、妊娠しちゃった女性は転職ができないので、そのまま居続けるんですね。私みたいに子供を産んじゃって他に行く場所がなくて流れてきたケースも他も何人かいました。

    「産ませていただきます」という謙虚な姿勢も大切

――「子供がいる」という足かせにつけ込まれたわけですね。経験からのアドバイスはありますか。

A子:妊娠は計画的に、ですね。作ってはまずい時期は必ず避妊しましょう(笑)。あと、マタハラに関しては、「なによ! 育休は当然の権利よ!」と思わず、「産ませていただきます」という謙虚な姿勢をもつことも大切だと思います。そういう気持ちが伝われば、周囲の反発も少しは和らぐこともあるでしょう。私はアピール不足だったのか、ダメでしたが(笑)。

小さい子供がいる時にまともな転職先はまずないので、今いる会社で働き続けられるようきちんと計画や準備をした方がいいです。

(木原友見)

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