“筆談ホステス”が政治に挑戦する理由

数年前、北川景子さん主演でドラマ化もされ、話題になった“筆談ホステス”こと、斉藤りえさん。1歳の時に聴力を完全に失い、聴覚障害者となりました。「人と関わることが好き」という信念から、様々な接客業を経験。銀座の高級クラブ勤務時には筆談しながら接客をしてお店のナンバーワンに登りつめるなど、一躍有名になりました。

そんな彼女が先日、4月の統一地方選挙で、東京都北区議会議員選挙(4月19日告示、26日投開票)に「日本を元気にする会」(松田公太代表)から公認内定を受け、挑戦を表明。4歳の娘さんを育てるシングルマザーとしても日々奮闘する立場で、「バリアフリー社会」「女性の社会進出」「少子化、育児」に関する政策に取り組むとのこと。そんな斉藤さんに、障害者やシングルマザーとして思うこと、アラサー女性が強く生きるためのアドバイスなどを伺いました。

    一人一人がもっと他人に対しても愛を持つべき

――今回、区議会議員選挙に出馬されるということで、聴覚障害者として、また働くシングルマザーとして斉藤さんが生きにくいと感じられることはありますか。また、生きやすい世の中になるには、私たち1人1人がどうしていくことが必要でしょうか。

斉藤りえさん(以下、斉藤):1人で電車に乗ってる時に、電車が動かなくなったりしますと、アナウンスも聞こえませんので、何が起こったのが分からない状態です。その様な場面が、様々な面であり、改善して行きたいなと毎回ながら思ってしまいます。

また、シングルマザーについては、離婚されて東京に出てきたものの、やはり子育てとお仕事の両立が難しいとのことで地元へ帰られる女性も沢山いらっしゃいました。

私自身も、急なお仕事の時、直ぐに安心して預けることができる施設がないことを不便に感じています。一人一人がもっと他人に対して愛を持って行くと、例えばそうした施設も増えると思いますし、生きやすい世の中に変わると信じております。

    優しさと愛、誠意こそが、強く生きられる1番の近道

――アナウンサー内定取り消し騒動の学生の件など、女性が受ける職業差別はまだゼロにはなっていないと感じられます。そうしたことについてはどうお考えでしょうか。

斉藤:ホステスに限ったことではありませんが、あらゆる職業で貴賎を判断されるべきではございません。さまざまな背景を持った人間たちが社会や組織をつくっていくという、多様性が受け入れられる環境を整えるべきだと思います。

――まだそうした環境が万全ではない中、斉藤さんご自身は今後、どのように差別を乗り越えていこうとお考えでしょうか。

斉藤:私自身は過去の自分を隠しません。むしろそこから得たもの、気づきを発信し、自分にしかできない価値を生み出すことで偏見や差別を払拭していきたいと思っています。

――逆境に負けず、1人の女性として強く生きるにはどうしたら良いでしょうか。

斉藤:強いことは、優しさでもあると思っております。人間は、どんなに強くとも弱い部分がありますので、 常に優しさと思いやり、感謝の心がなくては、どんなに強くとも生きにくくなってしまうのではないでしょうか。優しさと愛、誠意こそが、強く生きられる1番の近道だと思っております。

    “今、どうするか”で未来は変わる

――懸命に前を向く斉藤さんには、おときた駿氏(斉藤さんの活動をサポートしている北区選出の都議会議員)のような仲間が集まり、応援してくれていますが、ご自身を支援してくださる方々に対するコミュニケーションで、なにか大切にされていることはありますか。

斉藤:“していただいて、当たり前”なことはないので、常に真心からの感謝の気持ちを忘れずにコミュニケーションと相手の気持ちを大事にしていきたいと思っております。

――今の仕事や、これから経験するであろう出産・育児について、不安を抱いているアラサー女性は多いと思います。そんな女性たちに何かメッセージをいただけますか。

斉藤:“今どう行動するか”で、未来は変わると信じております。

今後の出産、育児に不安を抱いてる方もいらっしゃると思いますが、きっと大丈夫! 赤ちゃんがママを強くし育ててくれます! その不安を解消するためにも、まず一人一人が他人に愛を持って接すること。その手段の一つとして政治に耳を傾け政治に関心を持っていただけたら、もっと出産、子育てにも優しい街づくりができると信じております。

●斉藤りえオフィシャルサイト

(笹崎ひかる)

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