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2015/03/14
大泉りかの秘告白部屋 ~女の闇は深く、生暖かい~
女の闇は深く、生暖かい――官能小説や女性向けポルノノベルで活躍中の人気作家・大泉りかが、知られざる“女の闇の真実”を解き明かす! 働いて、好きなことをして、充実した生活を送る。これらは、ごくシンプルで当たり前のことのように思えます。しかし、その『慎ましい望み』が『欲望』となると、途端に強い執着と依存とを生み出してしまうことも…。大泉りかの秘告白部屋、OPEN!
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実姉の“彼氏寝取り”を狙う34歳女の闇

同じ親から生まれて、同じような環境で育ってきたはずが、成長すれば、まるで違った個性を持った、別々の人間へと成長を遂げる。しかも、その過程を、間近で目撃することになる――姉妹というものは不思議な存在です。しかし、“身内”でありながらも、自分とは別の人間であり、しかも“年の近い女同士”という、なにかとその存在を意識せざるをえない関係にあるために、場合によっては、抱かなくてもいいコンプレックスを抱いてしまうこともあります。今回、登場いただくのは、姉との距離が上手く取れずに悩んでいる女性。『姉』へのコンプレックスを解消するために、彼女が望むこととは?

【姉との比較や張り合いがやめられないJ実さん(32歳・飲食店アルバイト)】

J実さんは32歳。実家暮らしで都内の飲食店でアルバイトをして生計を立てています。趣味はカラオケとネット通販。休日は、付き合って1年になる彼氏の家で過ごすのが定番だという独身の女性です。

――ご実家なんですね。

J実:そうなんです。都内に家があるから、別に出る必要もないかなって。実は、2年くらい前まで、男の人と同棲していたんだけど、別れちゃって。で、家を引き払わなくちゃいけなくなって、一人暮らしも考えたんですが、お金もかかるし、ちょっと別れのショックとかもあって、しばらくはあんまり何も考えたくない感じなんで、実家に戻らせてもらいました。それが2年くらい前のことですね。

――実家は居心地いいですか?

J実:うーん。そうでもないかな。居心地のいい部分と悪い部分があって、いい部分は、とにかく楽なところ。ご飯も勝手に出てくるし、洗濯は自分でやってますけど、お風呂とかトイレの掃除は母親がやってくれる。自分がやったとしても分担じゃないですか。

同棲の時は、家事はもちろん、光熱費の振り込みなんかも全部自分でやってたんで、それに比べたらすごく楽。悪い部分は、この年になってもまだ子供扱いされるところですよね。夜とか家を空けると「嫁入り前の娘が」とか言われるわけですよ。出戻りみたいなもんなのに(笑)。

姉と比べられて「アンタはダメ」って言われてる気分に

――でも、実家っていいですよね。貯金も溜まりますし。東京で一人暮らしをしていたら、貯金なんて無理じゃないですか。

J実:それはそうなんだけど、一人暮らしをしている人に、ちょっとコンプレックスみたいなのもあるんですよね。わたし、姉がいるんですよ。そっちは専門学校を出てすぐに一人暮らしを始めて、もう10年近くになるんですが、なんだかんだずっと、ひとりでやってるんです。

今はスタイリストをしてて、最初は親も、「就職しろ」とかいろいろ言ってたのに、最近は「あのコはすごい、自分でやってて偉い」とか言うんです。そういうことを言われると、比べられて「アンタはダメ」って言われてる気分になっちゃう。

――別に実際に言われてるわけじゃないんですよね。

J実:はい。けど、母親って無神経な部分があるじゃないですか。だから、態度でわかるんです。お姉ちゃんのことは信頼してるけど、わたしはちょっと下に見られてる、みたいなのが。ずっと姉のほうが信頼されているっぽい雰囲気があって「お姉ちゃんはしっかりしてるから」って、なんでも通るわけですよ。けど、わたしの場合は「無理でしょ」って否定から始まって、で、「大丈夫だから!」って言い張ってやりたいことをようやく通せるわけです。

でも、なんでも物事って上手くいくとは限らないじゃないですか。それこそ運だってあるし。20代の頭に、最初の同棲が失敗したりとか、それで引っ越さなくちゃいけなくて、お金を借りたり、その後も、ちょっとした迷惑、まぁ、主にお金のことなんだけど、を掛けていたら、なんか親の信用がどんどんなくなってきちゃって。で、わたしは「ダメな娘」って認定されたわけです。でも、うちの姉は、実はこっそり水商売とかしてた。それでお金があるから、親に借りることもないじゃないですか。それで「イイ娘」って扱いってないなって思うんです。表面だけしか見えてないっていうか。

姉が気に入っていた男とエッチして「勝った!」

――もっと認めて欲しいってことですかね。
J実:たぶんそう。常に「お姉ちゃんよりもすごい」って言われたいっていうのはありますね。昔、地元の友達が連れてきた男のコと、みんなで飲んでる時に「お姉ちゃんと合コンしたことある」って言われて、で、その男のコ、ちょっとかっこよかったんでエッチしちゃったんですよね。で、ある時、姉に「そういや、○○くんってコと飲んだ」って言ったら「いいなぁ、わたし、結構気に入ってたんだけど、全然なびいてくれなかったんだよね」って言われた瞬間、「勝った!」って。娘としても人間としても敵わなくても、女としてはわたしのほうが上だぞって。それ以来、姉の彼氏に会うと「寝取れないかな」って思ってる自分がいます(苦笑)。 たったひとりの姉なのに、こうやって張り合ってどうするんだろう、とも思うんですが……。

――それって比べる人、例えば、母親がいるから、気になるんじゃないですか。いっそ実家を出たらどうですかね。

J実:それは最もなんですが、でも、勇気が出ないんですよね。だってどうせ「また? 無理でしょ」から始まるわけです。それを説得して外に出る上に、もう失敗できないプレッシャーといったら、ないですよ。

姉妹という、最初は同じスタートにいたはずの女性が、自分よりもずっと大きなものを得ているように見えると、「負けた」という感情を掻き立てられてしまうのも、致し方のないことです。幸せになるには、他人の存在など気にせずに、ただひたすら自分で自分の道を突き進むのみ。そうわかっていても、周りの人々が比較を続ける限り、コンプレックスから自由になるのは、なかなか難しいこと。しかも、「家族なのだから、仲良く」という呪縛も加わり、さらに心は引き裂かれる――どうすれば、他人も自分も、“比較すること”から自由になれるのでしょうか。

大泉りか

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