トルコ男性がミニスカートで行進した理由

今年2月21日、トルコのイスタンブールでは、数十人の男性たちがミニスカ姿で行進を行いました。ある男性は、妻のスカートを借りて。またある男性は、彼女のスカートを借りて……。

またツイッターやフェイスブックなどのSNS上にも、男性によるミニスカ姿の自撮りが続々投稿されています。

  さて、一体何が起こっているというのでしょうか? 彼らがミニスカをはく背景には、こんな理由があったんです。

「ミニスカなんかはいてる方が悪い、だって? なら、俺もはいてやろうか?」

※(注)この項は性暴力に関する記述を含みます。フラッシュバック等の恐れがある方は、次の小見出しまで読み飛ばすことをおすすめします。

「夜中に出歩いていた女の方が悪いんだ」 「そんな格好では乱暴されても仕方がない」 痴漢やレイプといった性暴力の被害者へ、上のような言葉が投げつけられる例が後を絶ちませんね。こうして被害者の責任を問い、加害者の責任から目をそらすような物言いに、男性たちはミニスカで抗議をしているんです。

 
きっかけは今年2月13日、トルコで女性の遺体が見つかったことでした。捜査の結果、遺体は大学生であるオズゲジャン・アスランさん(享年20歳/写真)のものと判明。オズゲジャンさんは1人でバスに乗車中、容疑者である男性運転手に拉致されて性的暴行を受けそうになり、抵抗の結果殺害されたものとみられています。また容疑者の父親と友人男性も、証拠隠滅に関わったとして逮捕されています。

この事件後、「オズゲジャンさんのためにスカートをはこう」という抗議活動が生まれました。ミニスカによる抗議について、トルコの法律専門家・活動家はCNNにこう語っています。

「女性の権利運動は、『私のドレスをあなたのレイプや性的嫌がらせの言い訳に使わないで』と訴えてきました。ですが、社会はこのような声を聞こうとしてきませんでした。(中略)この抗議は、短いスカートをレイプの言い訳にさせないという表明なんです」

スカートをはくことを呼びかけるフェイスブックページには、こんな挑戦的な記述もみられます。

「ミニスカをはく女性の方が誘惑してきたんだって? なら、俺達からも誘ってやろうか?」

しかしながらこういった流れに、トルコの大統領は不快感を表明しています。

大統領はミニスカ男性を批判、「トルコの伝統を軽視するな」との声も

「あなた方は自分を男だと言うが、ではなぜスカートをはいているんだ? どういう種類の男なんだ? 男じゃなくて、テロリストだろう」

トルコのエルドアン大統領は25日、演説中に上記のような発言をしました。大統領は過去にも、「男女平等は自然に反する」「トルコの女は1人につき3人は子どもを生むべきだ、中絶やアフターピルも制限されるべきだ」などといった発言をしています。

こうした発言の背景には、女性が母親として家庭に入ることを求める価値観を「トルコの伝統」であるとし、女性の権利運動を「西ヨーロッパのもの」として切り離す見方があるとみられます。

だからこそ今回、ほかならぬトルコの男性たちがミニスカ姿で立ちあがったことの意義は大きかったといえるでしょう。さて、トルコと同じく西ヨーロッパの外にある日本では、このニュースはどう受け止められていくでしょうか? ただの“おもしろニュース”として消費せず、きちんと背景を知る人が増えることを願うばかりです。

牧村朝子

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