貧困女性に生活保護活用のススメ

前編では、貧困スパイラルから抜け出すために利用できる制度は生活保護しかないことを述べた。生活保護では、最低限度の生活費や家賃の実費、医療費、場合によっては就職活動のための資金の一部も出るようになっている。

しかし、本来は市民の命と生活を守るはずの役所に行っても、残念ながら不当な理由で申請を受け付けてもらえない「水際作戦」の事例は後を断たない。そこで、後編では生活保護申請のノウハウを紹介する。

>>【前編はコチラ】若い女性が貧困に陥るワケとは? 一度ハマると脱け出せない2つの“貧困スパイラル”

生活保護申請はどこでする?

生活保護を受けるためには現在住んでいる市区町村の「福祉事務所」に申請に行くことになっている。なお、現在の居所と住民票の住所地が異なることで渋られることがあるが、そうした人や、家がない人でも前夜に居た市区町村で申請できることになっている。

生活保護と福祉一般:福祉事務所一覧

生活保護を受けるための条件とは

生活保護を受けるには、以下2つが条件となる。

・収入や貯金等現金が最低生活費以下であること
・自動車・株・保険・不動産等の現金化できる資産がないこと

なお、まれに「借金があると生活保護が受けられない」と言われることがあるようだが、借金の有無は生活保護とは関係ない。

虐待・DVがある場合は窓口でその旨を伝えよう

生活保護を申請すると、親や兄弟姉妹に福祉事務所が書面等で連絡し、扶養の可否や意思を確認することになっている。しかし、女性に多い家族からの虐待・DVがある場合は、居場所を知られないように連絡をしないようにも出来る。「女の子なんだから実家に帰って結婚すれば?」などと事務所の担当者に言われることもあるが、これは単なる水際作戦。帰れない事情があるから、生活保護申請しているのだと、しっかり伝えよう。

書類などを準備していくとスムーズ

本来は手ぶらでも申請は出来る。しかし、通常福祉事務所で渡されるはずの申請書が、場合によってはなかなか渡してもらえないこともある。インターネットでひな形をダンロードして用意していこう。

貧困問題に取り組む自立生活サポートセンターもやいのwebサイト

さらに、話がスムーズに進むように用意しておくと良いのは以下のもの。

・ 記帳した貯金通帳
・ 給与明細
・ 色々と事情があり、話をするのが大変な場合には、これまでの経過をまとめた書面。
最後に「だから生活保護を申請します」と記載しよう。
・ 病気で働けない場合は、就労が無理であることを書いた医師の意見書
(意見書の発行は自費なので、病院で金額を事前に聞き、無理のない範囲で)

専門家や知人と一緒に行くことが大切

窓口では、申請書や書面と共に、口頭でもはっきりと「生活保護を申請します」と言うことが大切だ。そうでないと単なる「相談」として片付けられてしまう事案がある。

なるべく生活保護制度のことに詳しく、支援をしてくれる人と一緒に行くのが望ましいが、「自分の地元にはそういう支援者がいない…」という場合は友人や知人でもいい。なお、全国どこでもある相談窓口としては、法テラスがある。

生活保護を受けることに抵抗がある人も居るだろうが、安心できる生活状況の中で将来を考える時間を持つことが、長い目でみれば自分のためにもなるし社会貢献にもつながる。地域には自立を手伝ってくれる支援機関もあるので、そうした支援を受けながら自立の準備をしていけば、1〜2年もあれば先が見えてくることが多い。そこから納税して社会に貢献し、次の生活貧困者を助けることに繋がれば、そのほうがずっと良いのではないだろうか。

鈴木晶子