仏映画監督が「女性とゲイ男性は似てる」

photo:Shayne Laverdière, (c) 2014 une filiale de Metafilms inc.

「女性とゲイ男性は似ています」

たった25歳でカンヌ映画祭審査員賞を受賞し、ゲイであることを公表して活動するグザヴィエ・ドラン監督。

俳優としても活躍するイケメンの彼が、新作『Mommy』(2015年4月、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて全国順次公開公開予定)についての取材で、「女性とゲイは似ている」という発言をして話題になっています。

その発言の内容とは? 以下、日本語訳でお届けします!

グザヴィエ・ドラン監督がゲイとして女性に共感する理由

「女性とゲイ男性は似ています。(異性愛者の)男性のためにデザインされたような社会で、自分の居場所を探しているという点において。私たちが何と言おうと……つまり、どんなに進歩したように見えていようと……社会はいまだ、男性優位です。

ですから女性たちは今も、社会に馴染もうと戦っているんだと思います。これこそ私が(映画の)女性キャラクターに共感する理由なんです。女性キャラクターを通してこそ、私は効果的かつ充分に私の想いを表現できます。(中略)

ですがもちろん、人間が性別で決まるというわけではありません。私たちはそれぞれが直面する試練により形作られ、それぞれ一個人としてここにあります。ただ、小さいころから私は、『自分が何者であるか』ということを巡って戦う女性の姿をずっと見てきました。ですから、私が女性および母親について(脚本を)たくさん書くのは自然なことなんです」
Yagg.より抄訳)

仏映画監督が「女性とゲイ男性は似てる」

(c) 2014 une filiale de Metafilms inc.

この発言は「よく言った! LGBT嫌悪と女性嫌悪は根が同じだからね」といったコメントから、「全然違う問題をごっちゃにするなよ……」といった声まで賛否両論を呼び起こしています。

それでは、日本の状況はどうでしょうか?

日本社会は異性愛男性優位か?

日本が国連の「女性差別撤廃条約」に署名してから、今年で35年。しかし「今も日本には性差別が残っている」と国連機関から指摘を受けたのは、たった7か月前の話です。

2014年7月、国連自由権規約委員会は日本に対し、たとえば以下の項目について改善勧告を出しました。

・女性にのみ離婚後6か月間の再婚を禁止していること
・妊娠、出産による女性の解雇に対し罰則が欠如していること
・法改正にもかかわらず、事実上同性カップルが公営住宅から排除されていること
・同性間も含めたDV取り締まりが不十分であること
全文日本語訳はこちらから

少なくとも国連の目には、このような点が「まだまだ」だと捉えられているようですね。

女だけが弱いのでも、男だけが悪いのでもない

性差別の話になると、「男性だって差別されてる!」「同性愛者は性的マイノリティの中でもマシな方だ!」という流れになりがちです。ですがこうした「誰が一番弱者なのか競争」よりも、ひとりひとりが具体的に困ったことを解決する姿勢こそ状況改善につながります。

社会において、女だけが弱いのでも、男だけが悪いのでもありません。ゲイ男性としての立場からなされた今回の発言は、そのことを象徴しているのではないでしょうか。

牧村朝子

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