働くママを勇気づける「糧ことば」とは

左:田中和子さん、右:高橋志保さん

>>【前半はコチラ】100%ママとして生きるのは難しい―博報堂のバリキャリママが病気になって気付いた、幸せな働き方

大手広告会社・博報堂の社内ママたちが中心となって、“サラリーマンのママ=リーママ”たちのネットワークを広げる「リーママプロジェクト」。1月30日には、先輩“リーママ”からのエールをまとめた『リーママたちへ 働くママを元気にする30のコトバ』(角川書店)が刊行されました。

前編に引き続き、プロジェクトリーダーである田中和子さん(2男1女の母)、メンバーのひとりであり社内では広報を担当している高橋志保さん(1男1女の母)に、「糧ことば」のエピソード、これから出産を考える女性に向けて「仕事と子育て」の心構えをうかがいます。

「ホコリでは死なない」

――リーママプロジェクトの「ランチケーション」の中で、お二人が印象に残っている「糧ことば」はありますか?

田中和子さん(以下、田中):「仕事が育児のストレス解消、育児が仕事のストレス解消」という言葉が出て来たことがあって、確かになと。右脳と左脳を分けるといいますか、仕事と育児では思考回路がガチャッと切り替わるんですよね。2つの軸があるから、いいバランスが取れているのかなと気づかされましたね。

あとは、「こんなに楽しいことがわかってたまるか(バカヤロウ)」ですね(笑)。これは出版社で働く編集者ママから生まれた糧ことばなのですが、自分で選んだことだから、大変さも含めて楽しむんだという決意というか、思い切りが感じられるのでお気に入りです。

高橋志保さん(以下、高橋):よく話題になるのは、「ホコリでは死なない」ですね。アレルギーとか、健康面では気をつけなければいけないですが、完璧を目指す必要はないというメッセージとしては強い言葉ですよね。

リーママって仕事も子育ても、しっかりやらなくちゃって思っている方が多いんです。平日は働いているんだから、土日は家事を完璧にこなさなくてはと思いがちなのですが、「掃除なんて月1回でもいいのよ」と言ってくれたベテランママがいて、参加者全員の目がキラキラしましたね。それくらいでもいいんだと思うと心が楽になるんです。

――よくテレビや雑誌などに出てらっしゃるキャリアウーマンのママたちは、家も綺麗で見習わなくちゃと思っていました(笑)

田中:俗にいう「すごママ」ですね。そんなママは実際ほとんどいないですよ。掃除を外注しているとしか思えない(笑)。

高橋:私たちみたいな、いち会社員のリーママには無理ですね。

田中:せいぜい贅沢して自動掃除機買うくらいよね。

夫婦で仕事も育児も「男女平等」

――子供が生まれると、育児が大変だから仕事を辞めるという人もいれば、子供と離れたくなくて辞める人もいるのかな、なんて想像するのですが。

高橋:私は育児休暇中に、夫に「仕事を辞めてもいい?」って聞いたことがあります。でも、それって子供がかわいいだけではなくて、育児しながら仕事をするのが大変だから辞めたいだけなんじゃないのかな、と思う節もあって。そんなことを考えていると、夫から「パパは辞めたいときに辞められないのに、女性はいいよね」と言われてハッとしたんです。

仕事では男女平等を求めているのに、夫には仕事を辞められたら困るって思っていて、それはフェアじゃないよなって。男女平等を求めるならば、夫だけじゃなくて私も働かなくちゃと目が覚めました。夫婦2人で仕事も育児も頑張らないとなって。

田中:私は最初の子供のとき、離れたくないなと思った方でした。ただ、「仕事も育児も量より質」という糧ことばもありますが、どれだけ一緒にいるかではなくて、一緒の時間をどう過ごすか考えることで、子供とのひとときをより大切なものに感じられると思います。

子供を産む前に「ノーブレーキ」で仕事をしてみては

――子供が欲しいけどパートナーとの出会いがない、また相手はいるけど産むことに躊躇しているなど色々な方がいますが、そんな方たちにアドバイスを頂けますでしょうか?

田中:「産む」「産まない」「産める」というのは、自分本意で決められるものではないですが、産めるチャンスがあるなら逃さない方がいいのではないかと思うんです。子供は人生に豊かさをもたらしてくれる存在です。ただ、子供がいる人生いない人生、どちらにしても幸せは自分で決めるものだと思います。

あとは、子供が生まれたら仕事に何かしらブレーキをかけなくてはいけないと思うんですよ。それは「ハッピーブレーキ」と呼んでいるのですが、納得できる「ハッピーブレーキ」をかけられるためにも、子供を持つ前にブレーキをかけない状態でどこまでいけるか、やれるところまでやってみるといいかもしれません。ブレーキかけるのは実際に産んでからでいいと思いますよ。

高橋:いまの女子大生は就職活動をするときに、子供を産む前提で企業や仕事を選んだり、就職してからも先のことを考えすぎて、全力を出し切れないと言われていますよね。かくいう私も若い頃は先のことが心配という時期がありましたけど(笑)。

あと、私が子供のことを真剣に考え始めたのは、20代後半で婦人病に罹ったことがきっかけでした。もしかしたら、子供を産めなくなるかもという事態に直面して、早く結婚して子供を生まなきゃと思ったんです。

健康体で病気もしていないなら、将来を自由に想像できる。だけど、もしタイムリミットを意識したら、自分はどういう選択をするのか。子供が欲しいか欲しくないか、本気で考えた結果、子供が欲しいという結論に至ったら、パートナー選びをはじめ、あらゆる行動に本腰が入るはず。仕事に夢中で、気づいたら子供を産めなくなっていたというのはつらいものです。

何も問題なく産める人もいれば、そうはいかない人もいるわけです。ただ、女性には産める期間があるので、頭の片隅にタイムリミットを考えておいた方がいいと思います。

末吉陽子

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