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2014/01/22

最近、ウェブ上にある画像や動画をシェアする海外のニュースサイトupworthyにも取り上げられ、話題となった『ぼくのなかの黒い犬』(原題”I Had a Black Dog”)という動画をご存じでしょうか。元ネタはマシュー・ジョンストンという作家・イラストレーターが描いた絵本で、動画は2012年の世界メンタルヘルスデーにあたり、世界保健機構(WHO)がYouTubeに投稿したものです。うつ病を黒い犬に例え、うつ病になると世界がどう見えるか、そしてどうやって向き合っていけばいいのかを、ほのぼのしたイラストで分かりやすく説明しています。 以下、キャプチャとともにナレーションの翻訳を掲載します。

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黒い犬が現れる時はいつだって、人生が虚しくてスローに見えた。理由もなく突然現れ、ぼくを驚かせた。みんなは人生を謳歌してるのに、ぼくの世界は黒い犬型サングラスを通してしか見えなかった。

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今まで楽しんでいたこともさっぱり楽しめなくなった。食欲も記憶力も集中力も奪われた。何をするにもどこへ行くにも相当な努力が要求された。

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一番怖いのは、黒い犬を飼っていることを周囲に知られることだった。だからそれを隠すために必死で取り繕った。

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黒い犬はぼくにネガティブなことを言わせたり、イライラさせて、取っつきにくい人間にさせた。ぼくから愛する人を奪うことなど何とも思っちゃいなかった。

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黒い犬はネガティブな考えを繰り返し囁いて、真夜中にぼくを起こすことを何より好んだ。

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落ち込んだ、悲しい、憂鬱だというよりも、感情が無くなってしまったようだった。物事や人間関係から切り離され完全に孤独だと感じた。黒い犬は遂にぼくの人生のハイジャックに成功したのだ。人生の悦びをすべて失ったとき、人は初めて人生の意味を自問し始める。ぼくはやっと専門家に助けを求め、それが回復への一歩となったのだ。

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黒い犬は相手や所かまわず、何百万人という人たちに影響を与えていたのだ。 特効薬や魔法の薬などなく、別のアプローチが必要な人もいる。リラックス、運動、親しい人たちに本音を打ち明けることはもちろん、一番大事なのは黒い犬を恐れないこと、そして自分のやり方で黒い犬を躾けたことだ。適切なやり方で適切な人に話せば黒い犬はそのうち去っていくのだ。

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感謝してるとまでは言いきれないけど、黒い犬は素晴らしい先生だったんだ。ぼくの人生を強制的に見直し、シンプルにしてくれたのだ。問題から逃げ出すより受け入れるほうがはるかにマシだということを学んだ。 恥ずかしいなどと思わずに助けを求めてほしい。人生を楽しめないことほど残念なことはないのだから。

「驚くほど的確」、「泣きそうになった」―共感のコメントが

動画には以下のようなコメントが多数寄せられています。

「うつ病と今現在のぼくの人生を驚くほど正確に描写している。」

「思いやりがあって感動した。うつ病を誰もが理解できるように表現しているわ。苦しかったら友だちにシェアしてみて。あなたはひとりじゃないよ。」

「42年間黒い犬を飼ってるけどまさにこのとおりよ。」

「これはすごい。。。泣きそうになった。お気に入りに保存しておくよ。」

「理解」が一番の特効薬

「私は大丈夫」と思われている方も多いかもしれませんが、自他共に認めるアクティブな人であってもうつ病になる可能性はあります。本人でさえ何が何だか分からない病気なのだから、家族や友人なら到底理解し難いでしょう。動画にもあるように、ご自身が悩まれている方、大事な人が苦しまれている方にとって「黒い犬」を理解することが治療の鍵になるのではないでしょうか。

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(文・翻訳=ボーグイクコ/From Littl’e’ Things.)