「モテ子の心得」

>>【前編はこちら】少女まんが誌『ちゃお』の大ヒット付録はどう生まれるのか? 企画者に聞く、女子60万人の心を掴む方法
前編では、少女コミック誌『ちゃお』の付録が生まれる会議やコンセプトについて付録担当の植田優生紀さんにお話をうかがいました。後編では、2014年に登場した付録の中から特に反響が大きかったものをうかがいます。

    デジタル感に鮮明なコンセプト・・・子どものあこがれとニーズを反映

――昨年発行された中で、特に部数を伸ばした号の付録にはどんなものがあるのでしょう。

植田優生紀さん(以下、植田):まず、3月号で出した「ライトボックス」ですね。あこがれの先生の漫画をトレースして楽しむなど手軽に漫画家気分を味わえるとあって、子どもたちに大人気でしたね。また、私自身はそんなにネットを見ないので知らなったのですが、この号が発売するやいなや「SNSで話題になっているよ」と友人から連絡が来て、非常に驚きました。実際に見てみると「付録につられて何十年ぶりに『ちゃお』買っちゃった」といった大人の方からのご意見が多数あり、うれしいかぎりでしたね。

「ライトボックス」

――これには本当に驚きました。実は、私の友人も15年ぶりに『ちゃお』を買ったそうなんです。子どもから大人まで好評を博したライトボックスですが、勝因はどこにあると思われますか。

植田:おそらくですが、タブレットやスマートフォンのような“デジタルっぽい”もの自体が子どもたちにとってはあこがれなんですよね。スマートフォンを持っている子というのはほんの一部だと思います。そのためか、抽選プレゼント欄にスマートフォン型のタブレットトイ(※近くにいる者同士で通信できる機器)が載った号の応募数は格段に伸びます。そういう意味で、このライトボックスは小学生が持つデジタルへのあこがれとニーズにドンピシャではまったのかなと思っています。さらに、大人も満足できる機能のため予想以上の好評をいただけたのだと思います。

ちなみに、2015年4月号の付録では、このライトボックスを1.5倍大きくした「究極漫画家セット」が登場します。前回のものよりも大きな画面で描きやすく、さらにLEDも2個から3個に増えるのでより鮮明に映るのがポイントです。

――こちらもまた反響を呼びそうですね。デジタル系以外だとどのようなものがありますか?

植田:2月号の「スウィートガーリー手帳2014」、8月号の「パーフェクトネイルセット」、それから11月号の「マジカルボックス」は特にヒットしましたね。

キラキラ加工が女子の心をくすぐる「スウィートガーリー手帳2014」

キラキラ加工が女子の心をくすぐる「スウィートガーリー手帳2014」

何色にするかかなり悩んだという「パーフェクトネイルセット」

何色にするかかなり悩んだという「パーフェクトネイルセット」

飲料系企業とコラボした缶型ペンに猫の顔型メモ、ポーチと充実の「マジカルボックス」

飲料系企業とコラボした缶型ペンに猫の顔型メモ、ポーチと充実の「マジカルボックス」

植田:女子小学生に受けるグッズにはいずれもはっきりしたコンセプトがあります。ご覧のとおり、この3点はどれもピンクや水色などパステルカラーをふんだんに使い、パッと見て可愛いと感じられる仕上がりになっています。

2つの意味を込めたキーワード「モテ」

――さきほど植田さんが触れられた2月号の付録「スウィートガーリー手帳2014」では、その中の「モテ子の心得」と題したページがSNS上で先のライトボックスとは違う意味で話題を呼びました。「モテるためには愛され女子になる努力と、男子を落とす作戦が必要なのだ」(同誌引用)など、私が小学生のころにはあまり見かけなかった「モテ」というキーワードが頻出していたのが印象的でした。

「モテ子の心得」

植田:そうですね。昨年ネットで話題になったのは、男子からのモテに関するページでしたが、実はそれと同じ割合で友達からのモテに関するページもあったんです。『ちゃお』としては「モテ」には2つの意味を持たせているのですが、どういうわけかネットでは男子モテの部分だけフォーカスされてしまって。

小学生のころって、学校=自分の世界と思いがちで、大人からすれば大したことのない問題でも、その当時はまるでこの世の終わりのように感じてしまうところがあると思うんです。たとえば、「3人グループなのにいつのまにか自分以外の2人が仲良くなってしまった」「友達が服や文房具などを真似してくる」といった悩みなど。ウートピ読者の方も、子どものころに経験されたことがあるのではないでしょうか。私たちがそうだったように、今の子たちもさまざまなことに悩んでいるんですよね。それを少しでも解消して、楽しい学校生活を送ってもらえるようなアドバイスも手帳に盛り込んでいます。

「モテ子の心得」

――なるほど。「モテ」というキーワードが使われるのは現代ならではと感じましたが、子どもの世界にアプローチしていくという基本は変わっていないのですね。ありがとうございました。

※編集協力/プレスラボ

井上こん

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