月9ドラマ『デート』が映すイマドキの恋愛事情―恋愛至上主義の時代は終わった?

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月9ドラマ『デート』が映すイマドキの恋愛事情―恋愛至上主義の時代は終わった?

1月19日にスタートした月9ドラマ『デート 〜恋とはどんなものかしら〜』(フジテレビ系列)は初回が14.8%と好調なスタートを切りました。ところが、このドラマを見てみると、今までの恋愛ドラマとは違う部分がたくさんあります。例えば、長谷川博己さんが演じるアラフォーニートの谷口巧は、Hey!Say!JUMPの中島 裕翔さん演じる鷲尾豊から「恋をするってことは素晴らしいことだ」と言われ、「レベルの低いテレビドラマやガキ相手の映画ばかり見て育ったんだろ」と言い返します。これは、今の恋愛市場に対して、そして何より「月9」に対する挑戦状のようにも思える内容です。ほかにも今迄の「月9」とは違う内容がたくさんありますが、その内容とはどんなものでしょうか。

ヒロインが恋愛至上主義に毒されていない

これまでの月9の主人公と言えば、恋愛至上主義で恋に恋するタイプが数多く描かれてきましたが、本作で杏さん演じる藪下依子は、「恋をしたいなんて全然思わない」「しないと凶悪犯罪にでも走るの?」という考えを持つ人物。いつも早口で理論的に話し、毎日のスケジュールもきっちり決まっています。会社では言われたこと以上のことをこなし、お昼は同僚との恋愛話などには交わらず一人でお弁当を食べている。

今迄のドラマであれば「変わり者」にも思えますが、実は依子のような精神を持っている女性もけっこう存在しているけれどドラマでヒロインになることがなかっただけかもしれません。

男性主人公がニート

月9の男性主人公は検事、ショコラティエ、IT企業の社長など、華々しい職業に着いていました。ところが、このドラマで長谷川博己さんが演じる谷口巧は、出版関係で働いているというのは真っ赤なウソで、実は母親からお小遣いをもらっているニート。

自分ではそれを「高等遊民」と言っていますが、母親に何かあったらと思うと気が気ではなく、早く結婚(寄生)して生活を安定させたいと願っています。巧の「男が永久就職したっていいじゃないか」というセリフには、これまでの結婚観に対して問題提議をしているのがわかります。

遊園地デートが楽しめない

物語の中で依子と巧は、中華街、山下公園、遊園地、船などでデートしますが、今迄は誰もが楽しめるものと思われていたこれらの定番デートスポットでの時間も、依子と巧には、「デートが苦痛で苦痛で仕方がない」「デートなんて何が楽しいのかさっぱりわからない」「みんなよくこんなこと普通にやれてるなと思いますよ」と言い合うほど楽しめません。

ところが、お互いにそんな気持ちを言い合ううちに、「ふっ」と笑いあう瞬間があり、そこにふたりの共感が見え隠れしています。ステレオタイプのデートを楽しめなくても、恋愛は可能なのかもしれないと思わせる一コマでした。

感動させればすべてが肯定されるわけではない

女の子は素敵な場所に連れていってもらえればうっとりできる、高価なプレゼントに喜ぶ、サプライズで感動する、ということはこのドラマではあり得ません。劇中、ニートを一日も早く脱出したい巧がマイルドヤンキーな友人の協力を得て、フラッシュモブで依子にプロポーズをしようとするシーンがありますが、もちろん依子にこの方法では気持ち(そもそも気持ちなんてものがないからかもしれませんが)は伝わりません。一生懸命さで感動させて、それを受け入れれば「めでたしめでたし」という物語は、もはや時代遅れなのかもしれません。

このように、今迄は王道であった恋愛の手法がことごとく覆されるこの作品。今迄は依子や巧のような「恋愛マイノリティ」は、「恋愛マジョリティ」に合わせるしか道がありませんでした。第2回までの放送を見る限りでは、このような「恋愛マジョリティ」のデートや恋愛に違和感を覚えている依子と巧ですが、今後の展開では、依子と巧なりの『デート』を見つけていくのではないかと思うと、次回からの放送も楽しみです。

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