大泉りかの秘告白部屋 ~女の闇は深く、生暖かい~
女の闇は深く、生暖かい――官能小説や女性向けポルノノベルで活躍中の人気作家・大泉りかが、知られざる“女の闇の真実”を解き明かす! 働いて、好きなことをして、充実した生活を送る。これらは、ごくシンプルで当たり前のことのように思えます。しかし、その『慎ましい望み』が『欲望』となると、途端に強い執着と依存とを生み出してしまうことも…。大泉りかの秘告白部屋、OPEN!
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3年で200万円浪費するネトゲ依存の女

“ネトゲ廃人”というと、引きこもりのニートや暇な時間のたっぷりある学生などのイメージがあります。しかし、一見、ゲームとは馴染みの悪そうな“アラサーの働く女”であっても、ひょんなことがきっかけではまってしまうことも。その結果、何を得て何を失うことになるのか――今回登場してもらうのは、過去数年に渡り、オンラインゲームにどっぷり依存していた女性です。

【仕事で得られなくなっていた達成感ややり甲斐がゲームに…… T子さん(36歳・マーケティング)】

T子:リーマンショックの後くらいかな。急に会社の業績が落ちて、仕事自体が少なくなったんです。わたし、会社のそのチームの中ではリーダー的存在だったのもあって、部下に仕事を振れば、ほとんどやることはないって状況になってしまって。しかも、その頃、ちょうど席替えがあって、窓を背中にした所長席みたいな位置に座ることになって。パソコンを誰に覗かれることはないし、やる仕事もないから、ずっとネットサーフィンしてたんです。

――それでゲームにハマった?

T子:それがキッカケではありますね。それ以前から、友達に誘われたオンラインの戦国シミュレーションゲームに参加はしていたんです。でも、仕事が忙しかったから、ただの歩兵としてゆるーく参加してるくらい。それが仕事が暇になったものだから、いつでも戦闘に参加できる状態になってしまって。で、そのゲームの中ではめちゃくちゃ必要とされるわけですよ。仕事で得られなくなっていた達成感ややり甲斐がそこにはあったんです。それで、どんどんとハマっていって。もうとにかく時間もお金も使いました。ハマっていた3年間で総額200万くらい。

    3,000人の軍隊を率いる存在になり、辞められない状況に……

――ずいぶんと大金に思えますが……初めて課金する時って、抵抗なかったですか?

T子:ある時から、リーダーを任されることが増えてきて。で、負けるわけにはいかないじゃないですか。だからやむを得ずに課金したんです。その時点で、一緒の陣営でやってる友達が課金済みだったのも大きかったかな。で、勝てば勝つほどやりがいが出てきて、とにかく時間とお金を費やしてゲームしている間に、いつの間にか3,000人の軍隊を率いる存在になってしまっていて(笑)。オンラインゲームって責任感を煽るんですよ。やってる人たちはみんな、辞めたりするのは無責任って価値観になっちゃうんで、退会したりすると「あいつ辞めやがって」って悪口言われたりするんです。オフ会とかも盛んにやっていたから、オンラインとリアルが繋がってる部分もあって、一層辞められない状況で。

    友達、時間、体型を失い、リーダーシップを得た

――お金以外に失ったものってあります?

T子:友達、時間、体型……やっぱり太りました(笑)。休日は家に閉じこもってずーっとゲームしているわけですから。でも、お金については、トップランカーの中には3,000万くらい課金した人もいるから、わたしなんて大したことがない方で。それに、ゲームに費やしていた分の時間、外で遊んだり飲みに行ってたら3年間で200万くらいは使ってるかもしれないじゃないですか。だから、そこはあんまり気にしてないです。

――じゃあ、逆に得たものって何かありますか?

T子:人を引っ張る力とリーダーシップですね(苦笑)。仕事だったらお金が発生するけど、ゲームだと発生しないから、どうやって無償で協力してもらえるかって考えないといけないんです。ポイントは頼る、褒める、8割答えを出しておいて相談すること。本当は、自分の中では答えは10割決めてあるんですが、残りの2割に一番美味しいところを残しておいて、相手に選択させるっていうのがポイントです。

    ハマったらヤバそうなものには、今後は近づかない

――さすがは3,000人を率いるチームのリーダー(笑)。3,000人っていったら大企業とされる規模ですからね。そんな大きい陣営を率いる立場にまでなっておいて、どうやって辞められたんですか?

T子:会社の席替えと給料の遅配です。そんなオンラインゲームばっかりやってる社員がいる会社、ダメになっていくに決まってるじゃないですか。物理的にゲームができなくなって、で、会社もダメになりそうだから、転職活動しなきゃってことで、すっぱりと辞められました。辞められて本当に良かったです。

海外では、熱中するあまりに過労死する事例さえも報告されているというオンラインゲーム。たかがゲームと思い、息抜き程度のつもりで手を出した結果、それに振り回されて日常生活に支障をきたしてしまっては元も子もありません。が、誰もがそんなことは頭ではわかりつつも“ハマる”のは、オンラインゲームのシステムそのものが持つ特性でもあります。「自分の依存気質がわかったから、ハマったらヤバそうなものには、今後は近づかないことに決めた」というT子さん。今は無事に転職も成功し、バランスを取ることを心がけながら、再び仕事に夢中の毎日を過ごしているそうです。

大泉りか

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