フェミニズムのキャンペーンが成功した理由

「たった12歳の妹が、もう食事量のことを気にしているから」


2014年といえば、インスタグラムやタンブラー(Tumblr)などの比較的新しいSNSサービスが定着した年でした。特に、画像投稿SNSのインスタグラムは昨年12月に月間ユーザー数3億人を記録、日本でもタレントのローラさんの投稿が100万「いいね!」を突破し、大きな話題になりました。また、「ブログとSNSの中間」とも形容されるタンブラーも、2013年3月に米ヤフーに買収された時よりユーザー数が40%増加するなど(2014年10月時点)、海外での人気が伸び続けています。

こういった新しいSNSサービスは利用者に若い女性が多いのが特徴。若い女性のSNS利用といえば、日常のちょっとしたことの共有、友人同士のコミュニケーションなどという用途が思い浮かぶ方も多いかもしれません。しかし、実は今、SNSサービスが若い女性による「フェミニズム」(男女平等を訴える社会運動)のプラットフォームになっている現状があるのです。

そんなSNSと「フェミニズム」の関係性を探るべく、『ウートピ』で以前取り上げたキャンペーン(現代に“フェミニズム”は必要ない? 若い女性の間で反対運動が起きている理由)の元ネタとなったSNS上のフェミニズムキャンペーン、「Who Needs Feminism?」(“フェミニズムが必要なのは誰?”の意)発起人であり、非営利団体Common Cause NCの大学アウトリーチ・コーディネーターのイヴァナ・ゴンザレスさんにお話を伺いました。

若い女性が「私にはフェミニズムが必要」と宣言する理由

フェミニズムのキャンペーンが成功した理由

イヴァナ・ゴンザレスさん

「フェミニスト(フェミニズム運動に参加している人のこと)という単語に、必ず『狂った』『過激派の』といったニュアンスがついて回るのが問題なのでは、と思ったんです」と、キャンペーン開始のきっかけについてゴンザレスさんは話します。

ゴンザレスさんが率いる「Who Needs Feminism?」は「I need feminism because…」(私にはフェミニズムが必要である。なぜなら…)という謳い文句に続き、キャンペーン参加者が「“私”がフェミニズムを必要としている理由」について書いた看板を掲げた写真をSNS上に掲載するという趣旨のもの。

女性問題について語るとき「“フェミニズム”という言葉に言及すると、壁に打ち当たってしまう」という気づきから、“フェミニズム”という言葉への偏見を取り除くべく、大学在学中にクラス・プロジェクトとして2012年4月に始めたといいます。

タンブラーでのフォロワー数は約9万3,000人、フェイスブックのフォロワー数は3万9,000人以上(2015年1月20日時点。)2013年の秋にはインスタグラムのアカウントも開設。実際にサイトを覗いてみると、堅いものから軽いものまで、多種多様な「“私”にフェミニズムが必要な理由」が並びます。

フェミニズムのキャンペーンが成功した理由

「私の国では、妻は夫の所有物だから」

フェミニズムのキャンペーンが成功した理由


「私は性欲の対象にされながらも、私自身は性欲を持ってはいけない、と言われるから」

フェミニズムのキャンペーンが成功した理由

「男性が“子どもはいらない”と言っても受け入れられるのに、私が言うと“不自然だ”と言われるか、まるで悪魔を見たかのような目つきで見られるから」

ゴンザレスさん曰く、キャンペーン開始後3、4か月は1日に数百枚の画像が世界各地から寄せられ、開始から3年近く経った今でも、その数はサイトを1日1回は更新できるほどなのだそうです。

キャンペーンの要となったのは、10代に大人気のタンブラー

もとは大学発のキャンペーンということもあり、大学生の寄稿が中心かと思いきや、タンブラーでの寄稿が盛り上がっているため、タンブラー利用者の多い10代からの寄稿も多いそう。10代はどういったことを投稿するのか伺ったところ、意外にも答えは「制服に関すること」とのこと。

性にオープンなイメージがある米国文化ですが、保守的な地域の学校では女子生徒のタンクトップやスカート着用が禁止されていることも多く、女子生徒にだけ厳しい校則のダブルスタンダードから、女性問題に関心を持つ中学生や高校生が少なくないのです。

キャンペーンがヒットした背景には、「Who Needs Feminism?」の参加のしやすさ、そして、もともとタンブラーにある、ソーシャル・ジャスティス(社会正義)指向の文化が関係している模様。同社が実施した調査によれば、64%のユーザーが「社会問題に興味があり、タンブラーでチェックする」と答えたそうです。

ここまで、「Who Needs Feminism?」の趣旨や、成功の秘訣、参加者らなどについて伺ってきました。若い女性を中心に人気を博している同キャンペーンですが、運営する上で、SNS上のキャンペーン特有の課題にぶつかっているとイヴァナ・ゴンザレスさんは話します。後編では、「Who Needs Feminism?」が直面する課題について、お話を伺います。

>>【後編に続く】“自撮りキャンペーン”は現実世界を変えられるのか? フェミニズム活動家が語るSNSにおける課題

ケイヒルエミ

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