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2015/01/10
大泉りかの秘告白部屋 ~女の闇は深く、生暖かい~
女の闇は深く、生暖かい――官能小説や女性向けポルノノベルで活躍中の人気作家・大泉りかが、知られざる“女の闇の真実”を解き明かす! 働いて、好きなことをして、充実した生活を送る。これらは、ごくシンプルで当たり前のことのように思えます。しかし、その『慎ましい望み』が『欲望』となると、途端に強い執着と依存とを生み出してしまうことも…。大泉りかの秘告白部屋、OPEN!
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自己犠牲を繰り返す34歳女の闇を取材

働いて、好きなことをして、充実した生活を送る。これらは、ごくシンプルで当たり前のことのように思えます。しかし、その『慎ましい望み』が『欲望』となると、途端に強い執着と依存とを生み出してしまうことがあります。

そんな『欲望』に囚われてしまったわたしたちが、破滅しないために選ぶべき道はふたつ。ひとつには潔く断ち切ること、もうひとつには折り合いをつけ、あやしながら生きること。この連載では、その狭間で揺れる女性たちの声を紹介していきます。

「わたしさえ我慢すればいい」と彼氏の言いなりになってしまう F絵さん(34歳・デザイナー)

F絵:わたし、常に彼氏がいないと不安でダメなんです。それで、どんな理不尽なことを吹っかけられても、見捨てられるのが怖くって、言いなりになっちゃう。

自分だけが我慢すれば済む話だからって、つい譲っちゃう

――どういうふうに言いなりになっちゃうんですか?

F絵
:うーん、例えば、休みの日に一緒に出掛ける約束をしていて、前の日から彼の家に泊まり込んでいたのはいいけど、いざ朝になったら、向こうがなかなか起きてくれないことってあるじゃないですか。起こすと「疲れてるんだから、寝かしてくれない?」って。そうすると、「疲れていて可哀想、わたしが出掛けるのを我慢すればいいだけ」っていう気持ちになっちゃうんです。

――でも、それって前々から約束していたわけですよね。だから本来は我慢する必要はないことだと思うんだけど。普通に叩き起こせばいいだけのことで。

F絵:わたしだって、「せっかく楽しみにしていたのにつまんないな」って思うんですよ。ムッとすることもあるし。けど、そういう時、しつこく「約束でしょ?」って起こし続けると、男の人って「なんで、お前、わかってくれないの?」って機嫌を損ねて怒ったような口調になったりするじゃないですか。そうするともうダメなんです。なんか怖くって。

それで、結局、自分だけが我慢すれば済む話だからって、つい譲っちゃうんです。例えば私に観たい映画があっても、向こうは違うのが観たいっていう場合は、だいたい言いくるめられちゃう。彼のほうもわかってるんですよね、与し易い女だって。

父親が怒鳴る人で男の人にビクビクする癖がついている

――自己犠牲の精神が強いですよね。そんな感じで、ストレス溜まりません?

F絵:めちゃくちゃ溜まってると思います。けど、小さい頃からずっとこういう感じだったので、ストレスが溜まっている状態のほうがむしろ普通というか……、わたし、下に妹がひとりいるんですが、「お姉ちゃんだから」っていつも譲ってたから、その癖がついちゃってるみたいなんですよね。あと、父親がけっこう怒鳴る人だったので、それで男の人にビクビクする癖がついているところもある。

――なるほど、それで平和主義者に……といえば聞こえはいいですけど、悪い言い方をすれば、ある意味でコミュニケーションを放棄している状態ですよね。きちんと感情の交換ができていない。

F絵:そうなんです。でも、自分でもわかってるけど、どうしようもない。けど、前に20歳以上も年上の人とお付き合いしていたことがあったんです。その時が一番、よかった気がします。ほら、年上の人だと譲っても「言いくるめられた感」が薄いし、言うこと聞いても「あっちは人生の先輩だから、わたしはそれに従った」って思えて、理不尽さも感じない。それこそ、朝起きなくなって、「老人だから仕方ない」で済ませられるし(笑)。なんで、今の彼と別れたら、次は絶対に年上の人と付き合おうって思ってます。

完全に別れるのは次の恋人ができてから

――あれれ、別れるつもりはあるんですか?

F絵:ありますよ。男の人って「こいつは、言いくるめられる女だ」って認定すると、どんどん調子に乗って、自分の要求レベルを上げてくるんです。それで最近、わたしのほうも限界を感じてて。けど、別れ話を切り出したとして、不機嫌な態度で「別れたくない」ってごねられるのは嫌だし、なんなら向こうから振られるのも嫌。何よりも、ひとりになりたくない気持ちが一番強くあります。だからフェイドアウトを狙いつつ、完全に切るのは次の恋人ができてからって思ってます。よくよく考えてみたら、わたしずっとそういう感じで、恋人を乗り換え乗り換え、今まで来てるんで。

心の離れた、名目だけの恋人になんの意味があるのかはわかりません。が、初めて男性と付き合った10代後半から、ずっと「彼氏がいる」という状態を続けてきた女性が、30代半ばにさしかかり、急に独り身になることに、心細く思う気持ちは、よくよくわかります。もしかして「わたしさえ我慢すればいい」と思う強い自己犠牲の精神も「彼氏(という存在を)を手放したくない」という不安ゆえに生じるものかもしれません。もしも貴女にも、彼女と同じように「わたしさえ我慢すればいい」と思って恋人の理不尽を飲み込んでしまうところがあったら、この機会に今一度、何のために自分を犠牲にしているのか、考えてみてはいかがでしょうか。

大泉りか

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