ファッション業界での「枕営業」の実態

かつて「ちょいワルオヤジ」という流行語を生み出した男性ファッション誌『LEON』の元編集長岸田一郎氏(63)が、女性モデルA子さん(23)に枕営業を強要したというニュースが報道された。『FRIDAY』(2014年12月19号)によると、岸田氏は「東京ガールズコレクション(以下、TGC)に出演させてあげる」とA子さんにもちかけ、肉体関係を強要したが、結局彼女はTGCへは出られなかった。芸能界では「枕営業」があると、まことしやかに言われるが、ファッション業界でもあるのだろうか。華やかな世界の「枕営業」の実態について、芸能記者、女性ファッション誌関係者などに訊いてみた。

枕営業が存在するのは“非実力の世界”

週刊誌の女性芸能記者は言う。

「枕営業が発生するのは実力じゃない世界です。たとえば、AV女優で枕営業って話は聞かないですよ。AV女優は実力の世界で、主演したDVDが売れれば次の仕事は来るし、ダメなら干されるので、枕営業は通用しません。一方、テレビの場合はメインキャスト以外は、誰が視聴率をとれるか分からないから実力が測れないので、権限をもつ人の好みでキャスティングが決まります。そうなると枕営業がありえます。“握手するのとセックスするのは同じ”って言う女優もいますよ。

ファッション業界も同じで、仕事がもらえるか否かは、クライアントや編集者にいかに気に入られるかで決まります。10年ぐらい前にあるファッション誌の会社の社長室にはシャワールームとベッドが設置されていて、“社長はモデルばかり抱いていると飽きるようで、社員にも手を出そうとする”という愚痴も聞きました。でも、今はずいぶんと変わってきています」

つまり、権限を持つ人の力が強いところに枕営業は存在しうる。今回の騒動では岸田氏には権限はあったのだろうか。

東京ガールズコレクションはモデルにとって憧れのショー

TGCを主催する「F1メディア」の村上範義社長が「その件は聞いています。でも、岸田やO(編集部注:岸田氏が編集長を務める雑誌『MADURO』発行人)が勝手にやったこと。岸田もOもTGCのキャスティングの権限なんてありません」と同記事内でコメントしている。TGCの名前を勝手に使われたと認識しているようだ。TGCへの出演はモデルにとってそんなに価値があるのだろうか。

女性ファッション誌の編集者は言う。

「TGCは日本で最も知名度が高いショーで、旬の人気モデルがずらりと出るので、憧れる女の子は多いです」

A子さんのような駆け出しのモデルを釣るには格好のえさになったわけだ。A子さん側の主張が事実とすれば、岸田氏は権限がないのにあるふりをしたことになり、駆け出しで知識のないA子さんを騙したことになる。だが、一方で「枕営業をして見返りがないからと訴えるのはいかがなものか」という批判もネット上のコメントで多い。

ちょいワルオヤジを具象化したような岸田氏

このA子さんへの批判に対して先出の芸能記者はいう。

「ファッション業界の有名人に強要されて、駆け出しのA子さんは拒否できなかったのでは。経験も知識もないA子さんの非を責めるのはちょっとかわいそうな気もします。10年ぐらい前に岸田さんに会ったことがありますが、近寄るとムスクかなにかの男性用コロンのにおいがして、『ちょいワルオヤジ』を具象化したような方でした。あの頃は黙っていても若い美女が寄ってきたのでしょう。その感覚が今も残っているのかもしれませんね。

今回の騒動でどちらの言い分が正しいのかは分かりません。ですが、岸田さんの“会合で同席したA子さんと意気投合し肉体関係をもった”という旨の主張には、多くの人が首をかしげるのでは? 23歳の女性が、63歳のおじいちゃんを気に入って、ホテルにいくというのはまずありえないでしょう」

A子さんは「(セックスの)行為自体も痛くて仕方なかった」と話している。“ちょいモテオヤジ”というのは、やはりオヤジの幻想でしかなかったのかもしれない。

(木原友見)

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