タグ
2014/11/08

いくら請求できる?「不倫の慰謝料」事情

『昼顔』『ガラスの家』『さよなら私』『紙の月』などテレビドラマや映画では「不倫」が流行中だ。また、矢口真理、乃木坂46の松村沙友理と会社員、別居中の川崎麻世・カイヤ夫妻、巨人の阿部慎之介選手など不倫騒動が後を絶たない。

アラサー女子なら、加害者にも被害者にもなりえる不倫だが、ここでは慰謝料を請求する妻の立場から、「慰謝料」の相場、高額慰謝料になるポイントを、『マンガでわかる「愛と慰謝料の掟(ルール)~請求したい妻編~」』(Kindle版)を出版したアディーレ法律事務所の篠田恵里香弁護士に聞いた。

ブームにのって不倫をすると、これだけのリスクがあることをお忘れなく。

浮気されたけど離婚はしない場合は100万円以内

――「浮気されて許せない。慰謝料はとりたいけど、子供のために離婚はしない」という場合は、どのくらいの慰謝料が請求できるのでしょうか。

篠田恵里香弁護士(以下、篠田弁護士):慰謝料請求には、「交渉による請求」「裁判による請求」があります。通常は「交渉」で決着しなければ「裁判」という流れになります。
ここでは、浮気によって、婚姻関係がどのように変化したかが重要です。

1.結婚を継続する
2.別居する
3.離婚する

このうち、離婚しない1のパターンなら、弁護士としては100万円の請求を狙います。大体100万円以内で決着することが多いですね。

離婚するなら100~300万円

――では「ゼッタイに許せないので、離婚を前提に交渉したい」という場合は、どうでしょうか。

篠田弁護士:浮気によって婚姻関係が破綻した場合、上の2、3に当てはまり、相場は100~300万円です。この場合、子供がいるか、婚姻期間、浮気が発覚する前の家庭の状態、浮気の内容が考慮されます。

不倫相手からも慰謝料はもらえる

篠田弁護士:慰謝料を支払う義務があるのは、夫と不倫相手の二人です。支払いを誰にするかは請求する妻側が指定することができます。たとえば結婚を継続する場合、夫に慰謝料を払わせるのはあまり意味がないですよね。この場合は不倫相手に請求ができます。また離婚を前提とする場合、夫と不倫相手の両方に請求することも可能です。

W不倫はややこしい?

篠田弁護士:W不倫で、かつ結婚を継続したとき、ポイントになるのは、“不倫相手の夫”にバレているかどうかです。不倫相手が「夫には知られたくない」と高額を払うケースがあります。ただ“不倫相手の夫”にバレている場合、自身の夫に対して慰謝料請求される可能性もあります。

1億円越えする芸能人の高額慰謝料は財産分与

篠田弁護士:芸能人が離婚する際に「慰謝料1億円」とニュースになりますが、慰謝料自体は100~300万円、それに財産分与が加わって高額になるということだと思います。芸能人でなくても婚姻期間が長い方は、夫婦の共有財産があることが多く、夫婦で半分に分割しますので、夫にどのくらい貯金・財産があるのか把握しておくことも重要です。

浮気のしっぽをつかんだらすること

――では具体的に、浮気に気づいたときに、手始めに何をすればよいでしょうか。

篠田弁護士:まずは、「浮気したでしょ!」と詰め寄るのではなく、ひっそりと証拠を集めましょう。裁判所が見るのは「不貞行為(=配偶者以外の異性と自分の意思で肉体関係をもつこと)」なので、誰が見ても不貞行為がわかる以下の証拠は、裁判でも確実に有利です。

・ラブホテルに出入りする写真
・肉体関係を記録した動画、画像

直接、肉体関係を立証できなくても、以下の証拠を積み重ねれば、内容によって裁判所が肉体関係を認める場合もありますし、弁護士を通しての交渉では、証拠が薄くても慰謝料請求ができるケースが多いので、とにかく集めてください。

・旅行中の写真
・キスをしている写真
・メール(送付先明示)
・着信履歴
・SNSのやりとり(画面キャプチャ)
・レシート、領収書の保管
・夫の帰宅時間を記録した日記

「夫のメールを勝手に見るのはプライバシーの侵害になる?」という心配については、確かにその側面もありますが、裁判では不利にはなりません。また裁判でも弁護士による交渉の場面でも、当事者の「不倫をした」という自白は強力な証拠になります。データの証拠は、消されないようCD-R、SDカードで二重に保存を。

慰謝料を引き上げたいなら「離婚したい」と言わないこと

――ほかにも交渉を有利に進めるポイントはありますか?

篠田弁護士:不倫相手に夢中、または不倫相手が妊娠して夫側から「離婚したい」と言い出しているなら、「私も離婚したい」とは言わないこと。浮気した夫による「有責配偶者からの離婚請求」はまず認められません。どうしても離婚したいなら、その条件を飲むかわりに、慰謝料に加え手切れ金も上乗せして請求します。離婚後の生活を考えてこれはしっかりやりたいところです。

浮気が発覚した直後には、怒りでいっぱいになりますし、冷静に判断するのは難しいと思います。傷ついた上に、一人でこっそり証拠を集めるのはとても辛い作業なので、まず無料法律相談を利用して、弁護士に話を聞いてもらうことをおすすめします。話すだけでも、だいぶ落ち着きますよ。

●取材協力:アディーレ法律事務所(東京弁護士会所属)
マンガでわかる「愛と慰謝料の掟(ルール)~請求したい妻編~」

(編集部)

この記事を読んだ人は答えてね!
人が回答しています