“安楽死”に松本人志ら著名人が賛否両論

末期の脳腫瘍で余命半年と診断されたアメリカの29歳の女性、ブリタニー・メイナードさんが、事前にインターネットで予告したとおり、安楽死を選び、死亡したと11月2日に報じられました。

彼女は10月29日に公開された動画の中で、最初に死を選択すると宣言していた11月1日は「“正しい時期”ではない」と述べていましたが、結果的に予告した日に医師から処方された薬を服用して亡くなりました。

これに対し、さまざまな意見が上がり、世界的に大きな議論になっています。

安楽死について肯定的な声は少なくない

松本人志さんは、この話題が取り上げられた10月19日放送のテレビ番組で、安楽死について肯定的に話していました。

「俺もできることならそうするかな。僕なんか、死んだらパーツ(臓器)をみんなにあげたいし、別にいいと思ってるし、そういうこと(安楽死)ができれば事前にいろんなこともできるかなって思うんですけどね」――松本人志

ブリタニーさんが亡くなったことが報じられた後も、安楽死について賛成の人は少なくないようです。歌手のチエカジワラさんは、ツイッターで「安楽死を認めるべき」との姿勢を示しています。

私は安楽死を認めるべきだと思う… 私ならそれを選ぶ。 体外・人口受精等、医療が命をつくり出す事が許されるのならば、逆の安楽死も認めるべきではないのか?ましてや安楽死は本人の意思、逆は本人の意思では無いのだ…と私は思うのですが、難しい問題なのですね。――チエカジウラ @ChieKajiura

また、タレントのフィフィさんは、次のように述べています。

安楽死を通じて生きること、死ぬことを考えています。人は自分の意思で産まれたわけでないのに、自分の意志で死を選ぶことができる。何故なのか…そして生きることは時として痛い。例えばそんな時、死を選んだとして命を無駄にしたと言えるだろうか。その死に様にすら尊厳があるのを忘れてはならない。――フィフィ @FIFI_Egypt

人に生や死を選ぶ権利はあるのか

一方で、必ずしも肯定的でない意見も。ジャーナリストの岩上安身さんは、「医療費や社会保障費の削減のために安楽死を進めようという思惑が支配層に潜在している」と指摘したうえで、次のように述べています。

「生きていてはいけない空気」が作られてゆくことは、怖いことだ。「尊厳」ある死の事実上の強要が起きないなどという保証はどこにもない。「死の自己決定権」などというが、人は実際には生も死も選べない。人間にできる自己決定は、自殺をするか、しないかの選択だけである。――岩上安身 @iwakamiyasumi

社会心理学者の碓井真史さんは、自ら死を選ぶ権利を持っていると認めながらも、積極的に選択することを勧めてはいません。

「私たちは自ら死を選ぶ権利を持ってはいても、その権利を行使しません。積極的に自ら死を選ぶ行為を選択はしません。」
今回のことで、尊厳ある死についての議論が深まることを願っています。
今回の報道で、安楽死、尊厳死の誤解が広がったり、自殺が増えることなどがないように祈っています。――碓井 真史

    「尊厳死」と「安楽死」は別のもの

日本では、回復の見込みがなくなった患者について、本人の意思を尊重して延命治療をやめる「尊厳死」と、医師が薬などで患者の死期を早める「安楽死」とを分けています。尊厳死については、いわゆる尊厳死法の法制化を目指す動きもあるものの、法案提出には至っていません。そして、安楽死は認める法律はありません。

ブリタニーさんは、最期に次のような言葉を残しました。

「今日は、末期の脳腫瘍を患う私が、尊厳をもって死ぬために選んだ日です。世界は美しいところです。旅は私にとって偉大な先生であり、身近な友人や家族は多くのものを私に与えてくれました。さようなら、世界のみなさん。良いエネルギーを広げていってください。次につなげていきましょう!」

皆さんはどのように考えますか。自分が末期がんになったら……、家族が不治の病で安楽死を希望したら……。その立場によっても、いろいろな意見があるでしょう。まずは、家族や友人など、身近な人と話し合ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。

(リプトン和子)

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