終わらない「恋愛依存症」を断ち切る方法

『ダンサー・イン・ザ・ダーク』の鬼才ラース・フォン・トリアー監督による映画『ニンフォマニアック』が話題となっている。少女の頃から自慰に明け暮れ、大人になってからも果てることなく様々な男性と精力的にセックスし続ける、そんな女性の一代記だ。

またテレビドラマでは『昼顔』『同窓会』『さよなら私』など、不倫ドラマが立て続けに放送され、“苦しい恋”は高視聴率を上げている。

一方、現実の世界ではどうだろう。

セックスせずには安心できない恋愛を繰り返している女性、繋ぎ止めるのは自らの身体のみという不倫をしている女性……。どの女性たちもみな、決して“楽しい恋愛”とは言えず、止むに止まれず病んでいっているように見える。そんな女性たちをここでは「恋愛依存症」とし、その原因や解放される術を、恋愛カウンセラーのあづまやすし氏に聞く。

    繰り返す「ダメ男とのズルズル恋愛」は出会いに問題アリ?

「また既婚者だよ……」
「最初はちゃんとした人だったのに、やっぱり元カレと同じようにダメ男なっていく!」
「彼からメールの返事が返ってこないと着信30件残してしまう。それが原因でまた振られちゃった」

そういった恋愛経験、アラサーともなれば1度くらいはあるはずだ。しかし何度も続いているとしたら、冷静になって見直すことをあづま氏は勧める。

「苦しい恋愛が多い人は、出会いの段階など、まだ苦しくない頃に何が起きていたかも含め、振り返ってパターンがないか探ってみた方がいい」

たとえば、「付き合い始めは楽しいことばかりだけど、徐々に相手のダメさ加減が目につき始め、イライラして喧嘩ばかりになり、ギスギスしてしまう……」という悩みを持つ女性がいるとしよう。

彼女は「喧嘩ばかり」に着目しているが、「彼との出会い」に目を向けるとどうだろう。

「その場合、潜在意識がダメ男を選んでいるのかもしれません。例えば、ある種のダメ男になる男性は出会いの段階で、“かまってオーラ”を出しているんです。そういう男性を、普通の人は距離を置いて接しますが、気になってしょうがない(=潜在意識が選んでいる)女性もいる。するとその男性は、関心を持たれたのでさらに寄ってきて恋愛に発展。その後、次第に問題が表面化するわけです」

そう考えると喧嘩が増えるのは当然、彼女のせいばかりではなかったことが分かるのだ。

同様に、「私は不倫しかできない人間かも……」と不倫を繰り返す女性については、

「実際には、『相手の男性があちこちで不倫するような人で、実は今までいろんな女性が騙されている』という「相手がかなり悪質な」パターンもあると思いますが、自己否定的な女性は、悪いことはすべて自分のせいにしてしまう傾向がある。適度に他人のせいにできる心も必要」

    “幼少期の寂しさ”が「恋愛依存症」の原因

さて、たとえそういう相手と出会ったとしても、ダメだと感じたらすぐに見切りをつけて別れられるならば問題ない。ダメだと思いつつ別れられないのが「恋愛依存症」だが、その原因は幼少期にあることが多いという。

「普通のご家庭で普通の両親に育てられたが、共働きで家にひとりぼっち、たとえば、そんな寂しい経験をしていた人を『承認不足』と分類します。『承認』の中でも母親と父親で役割が違い、母的関わりは『存在を受け入れてくれる』『温かく包んでくれる』などの『無条件の承認』、父的関わりが『理想に向けて進む』『努力の末の達成を一緒に喜んでくれる』などの『条件付きの承認』といいます。それらを幼少期に十分得られなかった場合、それを満たしてくれる相手にハマってしまうのです」

あづま氏が不倫で悩む女性に「なぜ彼が好きなのか」を聞くと、「すごくかまってくれる人だから」と返ってくることが多いという。

「そういう人は『求めたい。でも求めちゃいけない』と、心の奥底に、“寂しい子供時代”を封印してしまう。すると常になんとなく満たされない感じが湧き上がってきて、たとえいっとき恋人の愛情で満たされた気がしても、心の底には届いていない。愛を汲んでもすぐにこぼれ落ちる“愛情のザル”状態です。結果、依存傾向の出来上がりです」

    依存症から抜け出すには「心のストレッチ」を

しかし、この依存的恋愛から抜け出せる方法はちゃんとあるのだ。

「まず『(寂しかった)子供の頃の自分』を胸の辺りに詳細に思い描いて。次に、彼からもらった“愛情”のエネルギーを、右手の上にイメージします。色や形、感触や温度でイメージするとやりやすい。そして、右手を胸につけ、彼のエネルギーが子供の自分にじわーっとしみこんでいく、とイメージします。これだけで解決する場合もありますよ」

この方法がうまく行かなければ、「承認不足」ではなく、「未解決の感情」も持っている可能性がある。

「たとえば過去に、『自分のしたいことをことごとく否定された』『支配管理する親だった』などで、親に対して怒りを持っている人ですね。このタイプの人は、“自立”している人も多いのですが、自分にとって親が「危険」だったので、そのイメージを他人にも投影し、警戒して他人と距離をとっているんですね。本来なら友人や同僚から『承認のエネルギー』がもらえるはずなのに、受け取れなくなっています。そんな状態で彼氏ができると、彼に一極集中、どっぷりハマってしまうのです。他人と距離が遠く(会う頻度が低く)、心理的には彼に一極集中になって離れられない。まさに浮気したい男性に都合の良い性質です」

このパターンに当てはまる場合は、「カウンセラーに頼ることをオススメします」という。まずは親に対する負の感情を罵詈雑言の形でもいいから吐き出し、心のデトックスをすることが先決なのだ。

また、望まないセックスばかりを繰り返してしまうパターンなど、セックス依存症が頭をよぎる人は、「専門家に頼った方がいい」と推奨する。そして「どこにも当てはまらないから大丈夫」と思っていても、気になることがあるなら、それは依存症が顔を出そうとしているのかもしれない。

「当てはまらなくても、『今の自分より楽に生きられるようになりたい』『いきいきと恋愛したい』、少しでもそう思うなら、内面的課題に取り組むべき。肩がこったら、まずは自分でストレッチしてみるでしょう? それで満足できなければマッサージ屋へ、それでもダメなら病院へ行く、それと同じです。どこか気になることがあるなら、振り返ることから始めてみましょう。無理せず、自分のペースで取り組むことが大切です」

取材協力:女と男の心のヘルス

有山千春

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