友達と一緒にお墓に入る「墓友」もアリ!

ライフイベントにおいて、結婚式に夢を馳せる人も多いと思いますが、現代社会を生きる上において、実はそれ以上に気にしておきたいのが葬式や墓のこと。そんなのまだかなり先だと思っている人も多いかもしれませんが、若い時から準備をきちんとしておくことはとても大切なことなのです。

親がこの世から去った時の供養の仕方などは、当事者にならないとなかなかイメージがつかめず知らないことだらけだと思います。ひと昔前とちがい、現代では様々な選択肢があるので、情報収集は決して無駄ではないこと。そこで今回、女性だけの葬儀コーディネート会社グランディメモリー/冠婚葬祭マナー研究所代表・木野島光美さんに、現代の葬式事情、墓事情、そして木野島さんが手がける式典人材の仕事について伺ってきました。

    現在の葬儀業界は実は女性スタッフが中心

――木野島さんの手がけているグランディメモリーは女性だけの式典人材専門の会社だと伺いました。設立経緯を教えてください。

木野島光美さん(以下、木野島):最初に葬儀について興味を持ったのは、まだ私がマスコミで仕事をしていた時、葬儀社を取材したことがきっかけでした。その後、家族が病気をして、葬儀についての現実的なことに直面した際、あまりにも知らないことが多いと実感しました。しかも当時、葬儀の現場に女性スタッフは皆無で、完全なる男性主導の業界。女性スタッフだったらもっと細やかな気配りや、悲しみに沈んでいるご家族への癒しなどができるのでは、と思ったのです。

――葬儀自体、列席したことが未だ無い人も多いと思いますし、さらには少し前まで男性主導の世界だったとはあまり知られていないですよね。

木野島:そうですね。実は、葬儀の専門会館の増加とともに現場で働く女性も急増しています。今ではこの現場で働く人はほとんどが女性なんです。葬儀業界での最も大きな変化として、この10数年で女性の働く環境が増えたということがあります。最近では女性スタッフが中心となっていますし、現在進行形でもっと女性スタッフを、というニーズもあります。

――実際に、どのような仕事内容なのでしょうか。

木野島:お通夜、葬儀に列席される方の誘導案内、お茶出し、食事のサービスといった式のサポート全般です。さらにはキャリアアップをして司会進行も行います。お通夜、葬儀当日ともに時間がある程度決まっているので、自分の生活に合わせて3~5時間の短時間で働くことができるのが強みですね。

実は人の悲しみをより理解したいと、感情の勉強として働く女優の卵も多いです。ただ、礼儀作法や葬儀の知識、正しい言葉遣いをきちんと身に付けていなければいけませんので、その辺りは徹底的に教育しています。働きながらたくさんのことが得られ、自分自身のスキルアップになる、やりがいのある仕事だと思います。常に人材は求めていますので、働いてみたいと思う方は、是非チャレンジして欲しいです。

    お墓を地方から現在の住まいの近くに移す「墓じまい」

――最近の葬儀や墓にまつわる問題について教えてください。

木野島:「墓じまい」という言葉をご存知でしょうか。地方から都心部へと暮らしの基盤を移してしまうと、地元での墓参りが1年に1度、もしくはそれ以下という方も少なくないですよね。そういった方たちは、もちろんご先祖をないがしろにしているわけではなく、お参りしたいという気持ちはしっかり持っている。そこで、地元から現在の住まいの近くにお墓を移す動きが増えてきました。そのことを「墓じまい」と言っています。

墓を移す際に閉眼供養や新たな場所で開眼供養などを行う必要もありますし、菩提寺に「供養をちゃんとするためにお墓を移したい」という気持ちを伝え、具体的なことをひとつひとつ相談しながら進めることが大切です。それに伴うさまざまな費用のことも、聞きづらいと躊躇するのではなくお寺と相談するのが一番です。

友達と一緒に入る「墓友」というスタイルも

――お墓のスタイルも昔と変わってきているのでしょうか。

木野島:自宅からお参りしやすい場所の霊園というスタンダードな選択もあれば、霊園が未来永劫にわたり供養をしてくれる永代供養墓、海や山への散骨を行う自然葬、植樹した木の下に散骨する樹木葬、さらにはペットと一緒に墓に入るスタイルもありますよ。以前のように家族や家だけでなくてはいけないという縛りが薄れ、死後も一緒に楽しく過ごせる人とお墓に入りたい方が増えていますね。特に樹木葬は自然と一体化できる上、例えば夫に早く先立たれたので、仲良くしていた友人と一緒に入るという「墓友」(はかとも)なる言葉もあります。

――「墓友」ですか! ほんとに多種多様な選択があるのですね。

木野島:そうですね。墓じまいもそうですが、まずは情報を集めることが大切だと思います。自分の生活スタイルに照らし合わせ、何が理想的なのかをじっくり調べると良いですね。スタイルが昔と変わっても今も変わらないのは、故人を供養したいという思いやりや、自分の死後どのような人と一緒にいたいか、という寄り添いの気持ちですから。でも、自分の死後に対して積極的に調べたりするのは圧倒的に女性が多いですね。男性は現実を見たくないからか、こういった類のことに消極的な方が多いです(笑)。

    死について話し合うことはコミュニケーションとして大切

――もっと具体的なことを知りたい場合はどうしたらいいでしょうか。

木野島:「終活セミナー」というものがあります。我が社でも行っていますし、最近は生命保険会社などもセミナーを開いていますよ。それらに参加してみると、いろいろとイメージしやすいのではないでしょうか。参加者はやはり60代、70代のご夫婦が多いのですが、母娘で参加される方も見受けられます。葬儀や墓は家族の問題でもありますし、セミナーに参加して家族で色々と話し合うことはコミュニケーションとしてとても大切だと思います。

――まだずいぶん先のことだと思ってしまいがちですが、今のうちに具体的なイメージを持ち、主体的に行動した方がいいということですね。

木野島:高齢化が進む現在では、本当にそう思います。費用もそれなりにかかるので、早めの準備は決して無駄ではないです。また、葬儀が終わってから開封する遺言ではなく、終活セミナーでも配布しているエンディングノートを活用することをおすすめします。「あの人は呼んでほしくないけどあの人は呼んでほしい」「私の好きなあのお花を飾ってほしい」といった葬儀に関する希望を明確に伝え、自分の思いを記しておくことができますよ。まずは、家族とこのことについて対話をするということから始めてみてはいかがでしょうか。

●グランディメモリー公式HP
http://www.grandy2000.co.jp/

(編集部)

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