社会人の「元AV女優」歴は問題なのか

『週刊文春』(2014年10月9日号)が報じた「日経新聞記者はAV女優だった!」という記事が話題になっている。渦中の人物は『「AV女優」の社会学』(青土社)という著書も注目された鈴木涼美さんで、今年の9月末で日本経済新聞社を退職している。

記事の中で本人は「日経を辞めたのは、AVとは全く関係ない話です」とコメントしているが、実際、AV女優や風俗嬢などのセックスワークの経歴がバレたら、勤務先でどう扱われるのだろうか。人材コンサルタントやライター、元風俗嬢などに訊いてみた。

なぜアイドル歌手はよくて、AV女優はダメなのか

女性社員にAV出演や風俗嬢歴が発覚すると、企業はどう対応するのだろうか。
ある人材コンサルタントはいう。

「入社前にAVや風俗の経験があっても、その社員が現在会社の不利益になっていない限りは、退職させられることはまずありません。ただ、元AV女優や元風俗嬢がその企業にいるということが社外に知れ渡り、会社の不利益が明白であれば、懲戒解雇の対象になりうるでしょう」

なぜ、一社員にAV女優や風俗嬢の過去あることが、会社の不利益になりうるのか。アイドルがテレビ局の社員に転身というケースもあるが、どうして、アイドルはオッケーで、AV女優はダメなのか。企業で人事を担当している女性はいう。

「元アイドルが社員だとしても、会社にはデメリットはありませんよ。接待の席に呼べば盛り上がりますし。ですが、社員に元AV女優がいると社外に広まった場合、会社に不利益が発生する可能性はありますからね。AVや風俗の経験のある女性は、簡単にセックスをすると見られがちなのが現実です。同業他社のライバルたちに『あの会社はAV女優を雇って枕営業をさせている』と吹聴され、風評が広まれば、会社に不利益となります。元アイドルはすぐにセックスするとは見られないので問題ないのです」

“顔バレ”のケースは意外に少ない

では、実際に、風俗やAVの経験がある女性はどうすればいいのだろうか。
風俗事情に詳しいライターの山下淑さんはいう。

「AV女優や風俗嬢を連想させないようなファッションや振る舞いをするしかないでしょう。どんなに気をつけてもバレる可能性はありますが、バレたという話は実は少ないです。風俗は密室の中でセックスを売るので顔バレのリスクは低いです。一方、AVはパッケージに顔が載りますから、顔がネットに流れてしまいますが、超売れっ子でもない限りは人々の記憶にも残らないので気づかれないのがほとんどです。日経のケースは、本人が自ら本を出し半ばカムアウトした流れで、週刊誌の記事になっていますしね。ですが、バレる可能性は少ないにせよ、セックスワークには覚悟が必要で、辞めたら全部なかったことにはできません」

金銭感覚を戻せるか否か

この「辞めたら全部かなったことにはできない」を実感しているというのは、現在、派遣で事務職をしている20代前半の女性。彼女は高校卒業後事務職OLをしていたが、失業し、風俗で働いていた経験がある。

「金銭感覚を身の丈に戻すのが苦しんでます。風俗では月に10日働いて50万円稼いでいましたが、今は週5日働いて手取り13万円。節約のために毎朝早く起きて、お弁当を作っています。ネイルも自分でやるようになって外食もしません。私は料理が下手で、お弁当が不味いんですよ。でも、冷めたお弁当を食べながら、今、頑張ることが大切だってかみ締めています」

彼女はこうも言う。

「風俗を経験したおかげで今普通に働く価値が分かって、前よりもいいOLになれたような気がします。もし、バレたら? その時は今の職場には、いられなくなりますね。派遣だからすぐ切られちゃうでしょう。でも、もう風俗には戻らないです」

人生はいくらでもやり直せる。だが、自分の過去には責任を持つ覚悟がいるようだ。

(木原友見)

この記事を読んだ人は答えてね!
人が回答しています